俳優の永瀬正敏が、長澤まさみが主演を務める時代劇映画『おーい、応為』(10月17日公開)に葛飾北斎役で出演する。
大森立嗣監督が、江戸時代を舞台に絵師・葛飾北斎と娘で弟子でもある葛飾応為の人生を紡ぎ出す映画『おーい、応為』。
主人公・応為は長澤まさみが演じ、北斎役は永瀬正敏が演じる。
長澤が扮する葛飾応為は、江戸時代後期に活躍した女性絵師。美人画で「父・北斎を凌ぐ」と評された才女だ。数少ない女性絵師として人生を絵筆に懸け、北斎の片腕でもあった。夫と離縁し実家に戻ったお栄(後の応為)は、既に名を馳せていたが、絵のことしか頭にない父と共同生活を再開する。絵師として生きる覚悟を決めたお栄に、北斎は「葛飾応為」の名を贈った。それは、北斎が「おーい、飯! おーい、筆!」と、何かと用を頼むことから付けられたという。親譲りの画才と豪胆さで男社会を駆け抜けた先駆的な女性アーティスト、葛飾応為。彼女が自由に生きた先に辿り着いた幸福とは何だったのか、それが本作の大きなテーマとなる。
永瀬は、孤高の天才絵師・北斎に挑む。北斎は、天才としての顔だけでなく、破天荒な人間性や不器用な父としての側面も描かれる。大森監督と永瀬が、世界中で知られるアーティストの知られざる一面をどう紡ぎ出すのか。
その眼差しや所作が、応為との「唯一無二の絆」を物語る。
○特報映像も公開
永瀬は撮影現場を「大森立嗣監督の筆、長澤まさみさんの筆、皆さんが持ち寄ったそれぞれの筆と様々な濃度の墨によって描かれた一枚の合作作品の様な素晴らしい現場で葛飾北斎として生きられた日々は一生忘れられないものとなりました」と回顧。続けて「揺れ動く不安定な感情の行く末を案じる時、ふと気がつくと、そこには必ず大森監督の視線が寄り添っていただけている」と、大森監督との関係を語りつつ、「大胆に自由に生きられた北斎の"心"というべき存在・お栄(応為)。長澤まさみさんは、僕にとってまさに同様の存在でした」と、応為を演じた長澤にも深い信頼を寄せていることを明かした。
公開された特報映像では、「北斎の娘で悪かったな!」と啖呵を切る応為の姿を皮切りに、様々な表情の応為の日々が軽やかに映し出される。夫と離縁し実家に戻り、北斎と娘として弟子として暮らした応為の様々な表情を。情熱を燃やし続けた彼女の自由な生き様が、父との関係性の中で鮮明に見えてくる。応為と北斎が並んで筆を取る姿や賑やかな共同生活、そして名画《吉原格子先之図》の誕生シーンも収められ、応為が時代をどう駆け抜けたのか、その軌跡を辿りたくなる。
【編集部MEMO】
永瀬正敏は、1966年7月15日生まれ。58歳。宮崎県出身。1983年公開の相米慎二監督作品『ションベン・ライダー』でデビュー。
1990年にジム・ジャームッシュ監督の映画『ミステリー・トレイン』に出演して大きな話題を集め、以降は国内のみならず海外の監督ともタッグを組んで国際的な俳優に。俳優の活動と並行しながら近年は写真家としても活躍しており、2019年、2021年に発表した岩田剛典の写真集ではカメラマンを担当した。
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