欅坂46(現・櫻坂46)を見て「私もこんな風に希望を与えられるような存在になりたい」
昨年公開された新垣結衣とのW主演映画『違国日記』出演を、オーディションでつかんだ早瀬憩(17)。鮮烈な印象を残し、同作および『あのコはだぁれ?』により、2024年度のブルーリボン賞新人賞に輝いた。この春には、多くの若者の上京にあわせて、JR東日本のCM「たみちゃんの上京」編が公開され、故郷を離れてひとり上京する少女を演じて評判を集めている。
順調にステップを駆け上がる現役高校生の早瀬にインタビュー。写真だと「大人っぽく見られる」という早瀬だが、部屋には「カートにぬいぐるみがいっぱい」という一面も。
○新垣結衣と『違国日記』でW主演
――まずは2月に出席した、第67回ブルーリボン賞受賞式の感想を教えてください。
普段はあまり緊張しないタイプなんですけど、さすがに緊張しました。みなさんとてもキラキラしていて、言葉に表せないほどの空気感で、今でもそのときの景色がパッと頭に浮かびます。この新人賞は、一度しかいただけないですし、本当に忘れられない嬉しい思い出です。
――前年度主演賞受賞により司会を務めた、神木隆之介さんと吉永小百合さんとのやりとりも話題になりました。『違国日記』でW主演だった新垣結衣さんが、2008年に新人賞、2018年に主演女優賞を受賞。早瀬さんは、「憧れの結衣さんの背中を追って、いつか自分も司会の席に立てるように頑張っていきたい」と宣言しました。
はい。実現できるように頑張ります!
○芸能界に興味を持つきっかけとなった欅坂46
――そもそも、どういったところから芸能界への興味を持ったのですか?
きっかけは欅坂46(現・櫻坂46)さんです。
――仕事への向き合い方に、大きな影響を与えられた作品や人はいますか?
たくさんいますし、一つひとつの作品で徐々に強くなっていったのですが、あえて挙げるなら『違国日記』です。初の主演を務めさせていただいて、映画の現場に長期で入る経験も初めてしました。それこそまた新しい世界に足を踏み入れた感じでした。本当に知らないことが多くて、お芝居に関してもたくさん壁にぶち当たって、改めて難しいなと感じましたし、撮影機材の名前も改めて知りしました。大変でしたが、やっぱり楽しくて、お芝居しているときの自分が一番イキイキしていると再確認しました。新垣結衣さんという憧れの方もできました。
○新垣結衣の立ち振る舞いに感動「自分もそうなりたい」
――さきほどのブルーリボン賞受賞式しかり、新垣さんへの思いは、これまでにも何度か語られていますね。
新垣さんは、本当に穏やかで優しい方なのですが、その中にきちんと自分自身を持っているところが本当にかっこいいと思います。
○計1,000万再生超えで「目をこすっちゃいました」
――大きな反響があったと思います。反響といえば、最近ではJR東日本のCM「たみちゃんの上京」編が話題を集めました。YouTubeで30秒バージョンが660万再生、60秒バージョンが500万再生を超えています。
YouTubeにアップされてすぐに反響があって、すごい再生数で私も目をこすっちゃいました。Instagramをやっているのですが、そこでも「すごくいいCMだね」とコメントで褒めていただいています。私自身も1本の映画を観ているようだなと感じました。
――テレビで流れているものは。
ちょうど家族とテレビを見ていたときに流れました!
――それは嬉しいですね。
母も一緒にいたのですが、「JR東日本のCM!」と教えたら、母も「本当だ」と。それまでスマホの画面でしか見ていなかったので、テレビの大きな画面で見ると、映像のキレイさがまた新鮮でよかったです。
――ちなみに今回のCMへのご家族の感想は。
「映画みたいだね」とか「本当にいいCMだね」と。監督(泉田岳)は以前も一緒にお仕事をしたことのある方で、そうした方とまたご一緒できるというのは、この上なく嬉しいことです。そうした事情を母も知っているので、そのことも「良かったね」と言ってくれました。
周囲からの印象「大人しそうで真面目そうに見えたけれど…」
○芸能活動を支えてくれる両親「やりたいことをやって」――ところで、たみちゃんは上京するため実家を出ましたが、早瀬さんは現在17歳。6月に18歳になる現役高校生です。今はご実家暮らしだそうですね。となると、この先、たみちゃんの家のような話し合いが行われる可能性も。
そうなんです! あの景色は、まさにわが家になるかもしれません(笑)。
――上京とは違いますが、芸能界へのデビュー時に、ご家族から心配されることはあったのでは?
それは特になかったんです。両親は「やりたいことをやって」と協力的で、とてもいい環境でのびのびとやらせてもらっています。でも「東京で一人暮らしをしたい」と言ったら、「家事できるの?」「一人だと危ないんじゃないの?」と、そっちのほうを心配すると思います(笑)。
○“一軍”ぬいぐるみを部屋に並べる
――今の早瀬さんの部屋には、何が多く置かれていますか。
カートの中にぬいぐるみがたくさんあります。そこからお気に入りの一軍の子たちを3~4個、いつも並べています。
――その一軍の子たちは入れ替わるのですか?
気分によって変えることもありますが、だいたい定着してますね。今お気に入りなのはディズニーランドで買った子と、幼い頃にコストコに行ったときに買ってもらったクマの子。それから『違国日記』の撮影中に誕生日を迎えて、そのときにいただいたサンリオのぬいぐるみ、あと別の撮影で小豆島に行ったときにクレーンゲームで取ったぬいぐるみです。
○『か「」く「」し「」ご「」と「』は「居心地のいい現場でした」
――さすが一軍、スラスラ出てきましたね。ぬいぐるみ愛が伝わってきました。ちなみに早瀬さんがご自身の性格を分析すると、もしくは身近な人や実際に出会った人からはどんな性格だと言われることが多いですか?
行く先々や関係性で合わせる感じなので、人によって印象が違うみたいなのですが……。
――公開が控える『か「」く「」し「」ご「」と「』についても少し教えてください。住野よるさん原作小説を映画化した青春ラブストーリーですね。
メインキャストは5人で、実際の年齢は私だけがちょっと下で、みなさん20歳を超えていたのですが、とても優しくしてもらいました。演じた役のようにみんな本当の高校生のようなノリで、すごく仲が良くて、助け合いながら撮影していけた印象です。
――現場で悩んだことや大変だったことは。
もちろん撮影中に「もうちょっとこうしたほうがいいかな」といった悩みが出てくることはありましたが、相談できる仲間がいましたし、中川(駿)監督もフラットにお話しできる方だったので、思い悩んでしまうことはなかったです。居心地のいい現場でした。すごくいい映画です。おすすめです。
――最後に、今後挑戦したい役について、ひと言お願いします。
これまでは比較的静かな役が多いので、感情をむき出しにしたり、喜怒哀楽がはっきり表に出たりするような役や、今までにやったことのない役をやってみたいです。常に新たな引き出しを開けている状態でいたいなと思っています。
■早瀬憩
2007年6月6日生まれ、千葉県出身。2019年から芸能活動を開始し、2020年にCMデビュー。『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(21)でテレビドラマ初出演を果たした。主な出演作はドラマ『ブラッシュアップライフ』(23)、『からかい上手の高木さん』(24)ほか。映画『違国日記』(24)、『あのコはだぁれ?』(24)にて、第16回TAMA映画賞 最優秀新進女優賞および第67回ブルーリボン賞新人賞に輝くなど、これからを担う女優として期待されている。2025年は、3月末から配信、放送開始したJR東日本「たみちゃんの上京」編が大評判に。映画『か「」く「」し「」ご「」と「』(5月30日公開)、『この夏の星を見る』(7月4日公開)が控える。