日本たばこ産業(JT)が新たな挑戦に乗り出した。
世界の加熱式たばこ市場で存在感を高めるJTは5月27日、新型デバイス「Ploom AURA(以下、プルーム・オーラ)」と新たな加熱式たばこ専用スティックブランド「EVO(以下、エボ)」を発表。
同日、メディア向け発表会を開催し、新デバイスの詳細と今後の事業戦略について構想を明かした。
▼「RRPの旅における新たな時代の幕開け」
加熱式たばこを含むRRPカテゴリー(リスク低減製品)は、紙巻きたばこに代わる選択肢として世界的に関心が高まり続けており、健康リスク低減の可能性を持つカテゴリーとして注目されている。
発表会の冒頭に登壇した筒井岳彦氏は、加熱式たばこをJTの成長戦略の中心に据え、経営資源を集中させていく方針を改めて強調。2025年から2027年にかけて約6500億円を投資し、イノベーションやマーケティング、グローバル市場でのシェア拡大に注力すると明かした。2028年には加熱式たばこ市場でシェア10%台半ば、RRPビジネスの黒字化を目指すという。
この戦略の象徴となるのが、新型デバイス「プルーム・オーラ」だ。
「プルーム・オーラは、世界で最も競争の厳しい加熱式たばこ市場において、より多くのお客様にご支持いただくために開発された、これまでで最も先進的な商品。味、体験、そしてスタイル。その全てにおいて飛躍的に進化し、これまでにない満足をお客様に届けます。プルームブランドのグローバルにおける進化の拡大をさらに加速させ、日本での発売を皮切りに、世界各国でも導入を進めてまいります」(筒井氏)
続いて登壇したナターシャ・ミロセビッチ氏は、JTが開発するすべてのイノベーションがユーザーのニーズによって形作られ、ユーザーの生活を豊かにするための設計である点を強調。そのうえで、「プルーム・オーラは単なるイノベーションではありません。私たちの最も先進的な加熱式たばこの提案であり、私たちのRRPの旅における新たな時代の幕開けを示しています」と主張する。
「プルーム・オーラは、お客様が本当に求めるものに応える形で作られ、現代性、独自性、プレミアム感、そして好感度において、これまで以上の評価を得ています。これは単なるデバイスではありません。体験です。コンパクトでエレガントなオールインワンデザインは、自然に手になじみ、ライフスタイルに自然と溶け込む、まさにセンセーショナルな商品となっています」(ナターシャ氏)
▼「最高峰のうまさ」を実現する鍵は、最新の独自技術にあり!
ブランドディレクターを務める山口顕氏は、「最も自信を持ってお客様に伝えたいことは、『プルーム・オーラが一番おいしい』ということです」と力強く語った。
味わいの進化を裏付けるため、JTは487名を対象にブラインドテストを実施。その結果、参加者の56%が「プルーム・オーラが最もおいしい」と回答したという。山口氏は「この結果からも、プルーム・オーラの味わいが多くのお客様から支持されると強く確信しています」と胸を張る。
この「最高峰のうまさ」を実現する鍵は、JT独自の加熱技術「スマートヒートフロー」にある。山口氏は「日本のお客様が加熱式たばこに最も期待する味わいを、従来をはるかに超えるレベルで引き出しました」と語り、加熱温度の緻密なコントロールや、ミクロン単位で精密加工されたデバイス内部のカップ設計によって、たばこスティックとの接触面積を最大化し、味わいを損なわずに引き出す仕組みを紹介した。
さらに、ユーザーの好みに合わせて吸い心地を選べる「ヒートセレクトシステム」も搭載。4つのモード(スタンダード、ストロング、ロング、エコ)を用意し、使用時間や吸い応え、1回の充電で吸える本数など、シーンや気分に合わせた選択を可能とした。
デザイン面でも大きな進化を遂げた。
従来モデルの「繊細で有機的な曲線」を継承しながらも、よりスタイリッシュ、かつコンパクト化に成功。全4色展開で、「美しさと実用性を兼ね備えたデザインで、お客様のスタイルを引き立てます」と山口氏は自信をのぞかせた。
山口氏は「最高品質のたばこ葉を厳選し、素材の旨味を引き出す新しいブレンドを採用しました。プルーム・オーラとエボのコンビネーションで、たばこ本来の味わいを余すことなく楽しんでいただけます」とアピール。プルーム・オーラとエボを成長ドライバーとして、日本市場で加熱式たばこシェア2位のポジション獲得を目指すと語った。
▼“プルーム・オーラ構想”は2019年から始まっていた!
発表会終了後、山口氏に改めて新デバイスと新スティックについて話をうかがった。
山口氏はプルーム・オーラについて、「一番大きな補強ポイントはやはり『味』です。新たに搭載した『スマートヒートフロー』と新たなスティックの組み合わせによって、これまでにない強い味わいを実現しました」と語る。
「実はこのプルーム・オーラの構想は2019年から始まっていました。当時は技術的な制約で実現できませんでしたが、ようやくここにきて、ヒーターや電池技術の進化が追いつき、世の中に出せるタイミングが訪れたのです」(山口氏)
特に味わいの深さについては、山口氏自身も「普段から色々なスティックを吸っていますが、自然とプルーム・オーラを選んでしまうんです。吸い続けるうちに違いがより鮮明に感じられ、やはり美味しいなと感じています」と自信を見せる。
プルーム・オーラは、加熱の仕組みにも工夫が凝らされている。
スティック内部のたばこ葉に直接熱を加える設計により、従来は加熱しきれなかった部分からも旨味や香りをしっかりと引き出せるようになった。「従来のモデルでは場所によって加熱が不十分で、イガイガする刺激を感じる方もいましたが、オーラではそれも解消し、たばこの旨味をまろやかに楽しんでいただけます」と山口氏は説明する。
今後の展開については、「まずはブルーム・オーラを試していただきたいので、多くのお客様に向けてキャンペーンを展開していきます。特別なプログラムなども検討していきますし、デジタルプラットフォームの『プルーム・クラブ』でのサービス提供なども展開したいと考えています」と構想を明かした。
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