俳優のオダギリジョーが主演・共同プロデューサーを務める映画『夏の砂の上』(7月4日公開)のオリジナル・サウンドトラックが7月2日に発売される。

『夏の砂の上』は、読売文学賞の戯曲・シナリオ賞を受賞した松田正隆氏の戯曲を、玉田真也監督が映画化した作品。
物語は、息子を亡くした喪失感をきっかけに人生が止まってしまった主人公と、妹が置いていった17歳の姪との突然の共同生活からはじまる。愛を失った男、愛を見限った女、愛を知らない少女……それぞれの痛みと向き合いながら、彼らが夏の砂のように乾き切った心に、小さな希望の芽を見つけていく姿を描いている。

主人公・小浦治を本作で共同プロデューサーも務めるオダギリジョー、治の姪・優子を高石あかり、治の妻・小浦恵子を松たか子、優子の母で治の妹・阿佐子を満島ひかり、優子へ好意を寄せる・立山を高橋文哉、治が働いていた造船所の同僚・陣野をフォークシンガーの森山直太朗、同じく同僚・持田を光石研が演じている。

今回発売がアナウンスされたオリジナル・サウンドトラックは、『国宝』『流浪の月』などを手がけた原摩利彦が担当。サントラには、メイン楽曲の『夏の砂の上(Piano Solo)』を含む全9曲が収録されており、ボーナストラックとして、サントラ用に制作された音源や、『夏の砂の上(First Sketch)』、『Still III』のOuttakeバージョンなど、アルバムでしか聴けない音源も収録されている。

原摩利彦は「『夏の砂の上』の脚本を何度も読み、長崎で過ごした数日のことを思い出したり、音楽ができそうな『気配』が消えてしまわないように慎重に日々を過ごしました。そして『今だ!』というときにピアノに向かうと、指先からすっと『夏の砂の上』メインテーマのメロディが出てきました。メインテーマ以外の曲も完成させてレコーディングに臨みましたが、玉田監督から映像を観ながら即興で今一度トライして欲しいと言われ、監督とオダギリジョーさんたちが見守る中で勝負のテイクを録りました。サウンドトラックには本編では使われなかった曲も収録されています。これから自分のコンサートでもたくさん弾いていきたい大切な音楽ができました」とコメント寄せ、即興での収録エピソードも明かした。

(C)2025 映画『夏の砂の上』製作委員会

【編集部MEMO】
映画の原作となった戯曲『夏の砂の上』は、長崎出身の劇作家・演出家である松田正隆氏によるもの。松田氏の戯曲『紙屋悦子の青春』も映画化されており、2003年公開の映画『美しい夏キリシマ』では、脚本を手がけている。
代表を務める京都を拠点とした演劇カンパニー「マレビトの会」の作品は、国内はもとより、海外でも数多く上演されており、その名は世界に知れ渡っている。
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