西島秀俊主演の映画『ディア・ストレンジャー』(9月公開)の最新映像が4日、公開された。

ニューヨークを舞台に、あるアジア人夫婦が息子の誘拐事件をきっかけに秘密を抱え、家族が崩壊していく姿を描いたヒューマンサスペンス『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』。
主演を務めるのは、米アカデミー賞で最優秀国際長編映画賞に輝いた『ドライブ・マイ・カー』や、A24製作のシリーズ『Sunny』など国際的に活躍の場を広げている俳優・西島秀俊だ。その妻役には、ベルリン国際映画祭の最優秀作品賞を受賞した『薄氷の殺人』や『鵞鳥湖の夜』に出演し、人気と実力を兼ね備え、台湾を代表する国民的女優であるグイ・ルンメイが抜てきされた。監督のは、日本映画界において熱狂的なファンを獲得し、独自の道を歩む映画作家・真利子哲也氏が務める。

誘拐事件を発端に破綻していく家族を通して、ニューヨークという大都会の片隅で生きる上で存在する、見えない人種の壁、孤独、そして人と人が分かり合うことの困難さなど、不安や違和感、恐怖といった不協和音が全神経を逆撫でるような緊張感溢れる60秒の映像が公開された。

今回公開された映像では、トランプ再選後のアメリカ・ニューヨークで暮らすアジア人夫婦を襲った息子の誘拐という悲劇を中心に、とある秘密を抱えながら翻弄され崩壊していく夫婦の姿が克明に映し出される。映像の中では、消えた息子を探しながらもすれ違い葛藤する賢治(西島)とジェーン(グイ・ルンメイ)の元に、数々のノイズが絶え間なく畳みかけられる様子も。押しかけてくる強盗、暗闇で銃を発砲する賢治、"BLANK"と落書きされた車、不穏な音楽、故障した車の耳障りな雑音など、見る者の心をざわつかせる要素が不協和音のように重なり、目にしたすべての事実が疑わしくなってくるような不安定さがじりじりと嫌な予感を植え付ける。

映像のラストには、ティザービジュアルで登場して話題となった謎の人形も姿を登場。本作の"違和感"をより一層際立たせている。「Who is it?」(誰だ?)という賢治の問いかけの先にいるのは一体何者なのか。

【編集部MEMO】

グイ・ルンメイは、1983年12月25日生まれ。41歳。
台湾・台北出身。2002年にイー・ツーイェン監督にスカウトされ、台湾・フランス合作映画『藍色夏恋』でデビュー。映画『GF*BF』で中華圏の権威ある映画賞である金馬奨の最優秀主演女優賞を受賞したほか、同賞に3度ノミネートされる。ベルリン国際映画祭最優秀作品賞受賞作『薄氷の殺人』では、ファム・ファタール役で新境地を開き、その後もディアオ・イーナン監督の『鵞鳥湖の夜』やリュック・ベッソン製作の『Weekend in Taipei』など国際的な作品にも出演。英語とフランス語が堪能であり、台湾映画界を代表する俳優として活躍している。
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