マイナビグローバルは6月10日、「日本在留外国人の日本での就労意欲・特定技能への意識に関する調査」の結果を発表した。調査は2025年1月31日~2月19日、日本在留外国人704名を対象にインターネットで行われた。

○日本での就労意欲の高い外国人材は92.3%

現在の在留資格が切れた後も働きたいと回答した人は92.3%だった。日本で就労意欲がある人のうち、76.3%が今後5年以上働きたいと回答した。

○日本で働きたくない理由

日本で働きたくない理由は「円安だから」が35.5%と最も多く、「給料が低いから(26.3%)」、「母国で家族と住みたいから(25.0%)」と続いた。20%を超える項目に着目すると、日本の経済状況や収入面への不満を感じている割合が多い。2024年と比較すると「他の国の方が稼げるから」が8.4pt増加した一方、 「働く環境が悪いから(長時間労働など)」は17.8pt減少、 「円安だから」は6.8pt減少した。

○「特定技能」理解度は昨年より12.2pt増加

特定技能以外の日本在留外国人のうち、特定技能を知っていると回答した人は94.8%であった。2024年と比較すると「知っていて、よく理解している」と答えた人は全体で12.2pt増加。とくに技能実習生は20.7ptの大幅な上昇が見られた。特定技能以外の外国人において特定技能への理解度が高まっている傾向が見られた。

特定技能1号での就労意欲は18.1pt増加


特定技能以外の回答者のうち、「特定技能1号で働きたい」と考えている人は69.4%で、そのうち「働きたいと強く考えている」と回答した人は前年比で18.1pt増加した。「働きたいと強く考えている」と回答した人が留学生は13.6pt、技能実習は11.0pt、技術・人文知識・国際業務(以下、技人国)は14.6pt増加し、在留資格別でも意欲の高まりが見られた。

○特定技能1号の志望理由

特定技能1号で働きたい理由として、「在留資格を取りやすいから」が7.3pt、「給料が高いイメージがあるから/手取りが上がるから」が6.9pt、「希望の勤務地で働けるから」が5.0pt、「転職できるから」が3.5pt前年の調査よりも増加した。
勤務地の選択や転職の自由などの技能実習にはないキャリアの自由度が外国人材に浸透してきたことが示唆される。

○特定技能2号での就労意欲は7.9pt増加

特定技能2号を知っていると回答した人に2号で働くことを考えているか尋ねたところ、84.0%の人が働きたいと考えていると回答、そのうち「働きたいと強く考えている」と回答した人が前年より7.9pt増加。技能実習、留学、特定技能は「働きたいと強く考えている」と答えた人が60%を超えた。「働きたいと強く考えている」と答えた人は、前年比で留学は23.4pt、技人国は22.1pt増加した。また、留学は「全く考えていない」が16.1pt減少した。

○特定技能で働く理由

在留資格が「特定技能」である人に対し、特定技能で働く理由を尋ねたところ、「特定技能で働きたい業界・職種があるから(39.2%)」の次に「特定技能2号で長く働くことができるから(31.4%)」が多かった。特定技能2号を取得できることが特定技能を選ぶ動機の1つとなっている可能性が示された。
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