エン・ジャパンは6月17日、「静かな退職」に関する調査結果を発表した。調査は4月8日~5月14日、同社運営サイト『人事のミカタ』を利用する企業212社を対象に、インターネットで行われた。
はじめに、「仕事への熱意が薄れた従業員が、必要最低限の業務にしか携わらない状態を称する“静かな退職”という言葉をご存知ですか?」と尋ねたところ、52%が「知っている」(内容も含めて知っている:31%、名称だけ知っている:21%)と回答。
実際に、「静かな退職」状態の社員がいるかどうかを教えてもらったところ、5社に1社(20%)に「いる」ことが明らかに。特に、従業員300名以上の企業では90%、従業員1000名以上の企業では95%が「いる」もしくは「いる可能性がある」と回答しており、企業規模が大きいほど割合が高い傾向が見られた。
また、該当社員の特徴や属性を教えてもらったところ、年代は「40代」(48%)、役職・クラスは「一般社員クラス」(84%)、年収帯は「400万円~599万円」(70%)、職種は「バックオフィス職(経理・総務・人事他)」(26%)がそれぞれ最多となった。
続いて、静かな退職状態の社員が「いる」「いる可能性がある」と回答した企業に、静かな退職状態になってしまった要因に心当たりがあるかと尋ねたところ、「プライベート重視になってしまったから」(30%)が最多となった一方で、次点には「特にない・わからない」(26%)が続き、明確な理由が判明していないケースも多いよう。以下、「ある程度の出世・給与に満足してしまったから」(26%)、「チャレンジングな仕事や業務を任されなかった」(22%)、「競争が少なく、活気のない部署に配属されたから」(17%)と続いた。
最後に、「静かな退職の発生や、発生している可能性のある状況に対して、貴社では今後どのような対応をお考えですか?」と質問したところ、「給与体系の見直し」「特に何もせず状況を見る」(同率32%)が最多に。
それぞれ検討している理由を教えてもらったところ、「給与体系の見直し」を検討している企業では、「改善が見られない場合、他の活躍してくれている従業員にもっと還元すべきだと思うから。他の従業員に悪い影響を与えないような環境に置かざるを得ない」(メーカー/100~299名)、「シニアは評価対象外だったが、評価を給与に反映する設計に見直す」(その他/1000名以上)といった声が。
一方、「特に何もせず状況を見る」と回答した企業では、「一度労務問題に発展したことがあるため」(IT・情報処理・インターネット関連/100~299名)、「静かな退職状態の管理職が年配のため、誰も何も言えない状況が続いている」(サービス関連/1000名以上)といった声が寄せられた。
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