共働き夫婦にとって、子どもの夏休み期間の対応は頭を悩ませる問題の一つでしょう。小学校低学年であれば、学童保育という選択がありますが、高学年以上になると1人で留守番させるのも心配だし、ダラダラ過ごされるのももったいないと思っている保護者は多いと思います。
そこで選択肢として上がるのが「サマーキャンプ」。日帰りもしくは数日間の宿泊を通して、アクティビティや学習プログラムなど、さまざまな体験ができます。

どんなことができるのか、費用はどのくらいかかるのか、本記事では、サマーキャンプ(サマースクール)の種類や内容、費用の相場などをご紹介します。

サマーキャンプとは? サマースクールとの違い

「サマーキャンプ」とは、夏休み期間中に実施される日帰り型または宿泊型の学びや体験の機会を提供するプログラムのことです。保護者が仕事などで日中子どもを見られない場合に利用されることが多く、自然体験やスポーツ、アート、語学など、サマーキャンプごとにさまざまなプログラムが用意されており、普段とは異なる経験ができることで注目されています。

似たような言葉に「サマースクール」がありますが、明確な違いはなく、実施機関によって呼び方はさまざまです。一般的には、「サマーキャンプ」は宿泊をともなう野外活動などの体験型プログラムを中心とした場合に使われ、「サマースクール」は語学学習を中心とした学びやスキルアップを目的とした場合に使われる傾向があります。

本記事では、どちらの場合でも「サマーキャンプ」に統一して解説していきます。
サマーキャンプにはどんなものがある?

一言でサマーキャンプといってもさまざまな種類があります。タイプ別の分類、プログラムの内容などを解説します。
<サマーキャンプのタイプ>

●日帰り型
朝に指定の場所に連れていき、夕方には帰宅します。小さなお子さんや初めて参加でも安心です。
また、費用を抑えたい場合も日帰り型ならリーズナブルです。

●宿泊型
数日から数週間、キャンプ施設など自然豊かな場所で、野外活動を中心としたプログラムが実施されます。子どもの自立心や協調性が育まれることが期待できます。

●海外留学型
夏休みの期間を活用して、短期間の海外留学をして語学力の向上を目指します。実際の会話を通じて英語を実践的に学べるほか、異文化交流を体験できるのも大きな魅力です。
<プログラムの例>

●自然体験
登山、カヌー、ハイキング、川遊び、サバイバル技術など

●芸術・アート
伝統工芸体験、楽器演奏、演劇鑑賞など

●スポーツ
テニス、サッカー、バスケット、乗馬、マリンスポーツなど

●語学
英語学習、海外留学、異文化交流など

●その他学習
数学、科学、プログラミングなど

特化型のサマーキャンプ以外は、語学とアクティビティ、スポーツと学習など、複数の内容を組み合わせたプログラムが用意されているのが一般的です。人気のあるプログラムはすぐに定員に達してしまうことが多いため、早めの申し込みをおすすめします。
<対象年齢>

主に小学生から中学生までが対象ですが、中には未就学児や高校生まで対象とするサマーキャンプもあります。

気になる費用は?

サマーキャンプの費用は、開催地や内容、日数によって異なります。ここでは大まかな目安を紹介します。
<日帰り型>

1日あたり: 5,000円~1万円程度
<宿泊型>

1泊2日: 1万5,000円~3万円程度
2泊3日: 2万5,000円~5万円程度
3泊4日: 3万5,000円~7万円程度
5泊6日~1週間: 6万円~18万円程度
<海外留学型>

国別の留学費用(2週間)の例
アメリカ: 約30万~50万円
カナダ: 約20万~50万円
イギリス: 約30万~60万円
オーストラリア: 約20万~40万円
ニュージーランド: 約20万円~50万円
マレーシア: 約15万円~30万円
※渡航費用は含んでいません。
サマーキャンプの費用を抑えるには

サマーキャンプは、親元を離れて過ごすことで自立心や協調性が育まれ、普段の生活では得られない体験ができることが大きな魅力です。
一方で、費用面ではそれなりにかかるため、躊躇してしまう人も多いのではないでしょうか。特に、英語力を高める目的で、海外のサマーキャンプに参加すると、渡航費を含めて100万円以上かかるケースもあります。

サマーキャンプの目的として、「夏休みを利用して子どもに生きた英語を身につけさせたい」とする保護者は多いと思います。この場合、海外への短期留学が最も希望を叶えられますが、昨今の物価高や円安によって、気軽に参加できるものではなくなっています。

そこで、国内で開催されるイングリッシュキャンプ(英語習得を目的としたサマーキャンプ/サマースクール)が有効な選択肢になります。費用は開催地や日数によって幅がありますが、5万円~20万円程度が目安です。英会話スクールやインターナショナルスクール、民間団体などが主催しており、ネイティブの講師やスタッフ、外国籍の子どもたちと過ごすことで、生きた英語を学ぶことができます。とはいえ日本人の子どもが圧倒的に多いので、環境面では海外留学には及びませんが、いきなり海外留学は不安という子どもにとっては、将来の留学に向けた足がかりになるでしょう。
【2025年】おすすめイングリッシュキャンプ

おすすめのイングリッシュキャンプを3つご紹介します。

●沖縄イングリッシュキャンプ
日程: 2025年7月20日~8月23日の期間で6泊7日コース
対象: 小学生・中学生・高校生
開催地: 沖縄
主催団体: Lily English Center
料金: 79,800円~190,000円
内容: 英語研修とアクティビティ。寮ステイ、ホームステイ、通い参加のコース、いずれかを選べる

●英語サマーキャンプ
日程: 2025年7月28日~8月1日の4泊5日
対象: 8~14歳
開催地: 富山(ヘルシアンウッド)
主催団体: Eaton House
料金: 182,000円(東京からの参加)、156,000円(富山からの参加)
内容: アクティビティ(キャニオニング、ラフティング、登山、農業、アート&クラフト、バーベキューなど)。あらゆる英語レベルの子どもたちが楽しめるプログラムとなっている

●SCOA サマーキャンプ 2025
日程: 8月 4日~8月 7日(3泊4日)、8月11日~8月14日(3泊4日)
対象: 中学生(上記日程)※小学生もあり
開催地: 山梨県清里
主催団体: SCOA
料金: 107,500円
内容: アクティビティ(キャプチャー・ザ・フラッグ、タレントショー、キャンプファイヤー、スモア作り、ハイキングなど)。
アメリカの一流大学の学生カウンセラーとバイリンガルのスタッフと過ごす

※申し込みが締め切られている場合があります。
○おわりに

「仕事があって夏休み中の子どもの世話ができない」。一方で、「子どもには夏休みを有意義に過ごしてほしい」という思いもある……。そんな悩みや希望を同時に叶えてくれる可能性があるのが「サマーキャンプ」です。費用がネックになることもありますが、今後ますます注目されるでしょう。

石倉博子 いしくらひろこ ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。ブログ「ファイナンシャルプランナーみかりこのお金の勉強をするブログ」も運営中! この著者の記事一覧はこちら
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