400Fは6月26日、「オカネコ 老後資金に関する調査」の結果を発表した。調査は2025年6月13日~6月15日、同社が運営する「オカネコ」ユーザー 434人を対象にインターネットで行われた。

○8割近くが「老後不安」

調査結果によると約8割(78.7%)が老後に対して何らかの不安を感じていると回答しており、そのうち「非常に不安」と感じている層が35.2%にものぼる結果となった。この高い不安感の背景には、依然として不透明な経済状況や社会保障制度への漠然とした不信感があると考えられる。

特に不安を感じている項目としては、「生活費」(83.0%)と「医療費」(58.8%)が圧倒的に上位を占めた。これは、長期化するデフレからの脱却が叫ばれる一方で、実質賃金が伸び悩み、食料品やエネルギー価格の高騰が続く現状を反映していると考えられる。また、高齢化の進展に伴い医療費が増加傾向にある中で、将来の医療費負担に対する懸念も高まっていると推測される。その他、「健康面」(53.8%)、「介護費」(49.7%)も上位に挙げられており、心身の健康維持とそれに伴う経済的負担への懸念が大きいことがわかった。

○準備できている人とそうでない人の「二極化」が浮き彫りに

老後資金の準備状況について、年代が上がるにつれて「充分と思える準備ができている」と回答する割合は増加するものの、30代以下ではわずか3.2%にとどまり、40代が2.7%、50代でも6.7%と、依然として低い水準となった。しかし、60代以上では20.2%と顕著に増加しており、定年が近づくにつれ準備が加速する傾向が見られる。

一方で、「まだ何もしていない」という層の割合について、30代以下が31.5%と最も高いものの、40代23.2%、50代25.7%、60代以上22.3%と年代による大きな差はなく、年代が上がっても一定数の人々が準備に着手できていないことが浮き彫りになった。この結果は、年代が上がるにつれて老後資金の準備ができている人とそうでない人の二極化が進んでいる現状を示唆している。

実際に老後資金の準備状況を見ても、50代では「5,000万円以上」が16.9%、60代以上では「5,000万円以上」が25.4%に達するなど、高額な貯蓄を保有する層も増加しており、貯蓄額においても二極化傾向が見られた。

○老後資金の準備方法は「預貯金」が主流

老後資金の主な準備方法としては、「預貯金」が75.1%と最も多く、次いで「投資信託・株式」59.9%、「公的年金制度」55.1%が続く。
NISAなどの非課税制度の拡充により投資への関心は高まっているものの、依然として預貯金が主流であることがわかる。

また、2025年度の年金支給額引き上げ(+1.9%)に対して約半数(47.2%)が「物価上昇に追い付いていないと感じる/実質的には目減りだと感じる」と回答しており、年金制度への不信感や不安感が根強いことが伺える。これは、将来受け取れる年金額への期待値が低いことや、現状のインフレ率と対比させると、実質的な購買力の低下だと感じる国民感情を如実に表す結果となった。

○若年層の「ねんきん定期便」の理解度

毎年誕生日月に届く「ねんきん定期便」の記載内容について、30代以下の若年層の半数以上(56.5%)が「全く理解していない」または「あまり理解していない」と回答する結果となった。年代が上がるにつれて理解度は向上するものの、50代でも約4割(38.9%)が理解できていないという結果は、自身の将来の年金額や制度に対する国民全体の理解度が低いことを示している。
編集部おすすめ