「教育学部に通っていて、僕は4年間、初等教育を学んでいました」

そう語ったのは、アイドルグループ・Aぇ! groupの小島健。ABCテレビ『こんばんは、朝山家です。
』(7月6日スタート、毎週日曜22:15~)で、自身初の教師役に挑んでいる。

2日に行われた同作の制作発表会見に登壇したのは、W主演を務める中村アンと小澤征悦に加え、さとうほなみ、影山優佳、渡邉心結、嶋田鉄太、松尾諭といった個性派キャスト陣。司会者の紹介を受けて続々と登場するなか、「今日は噛まずにしゃべれるようにがんばりますので、よろしくお願いします」と会場の空気を一瞬で和ませたのが小島だった。

今回、小島が演じるのは療育センターの職員・中川陸。劇中では、不登校気味の晴太(嶋田)と向き合う役どころだが、これが本人にとって“教師役初挑戦”だったという。

「教育学部に通っていて、僕は4年間、初等教育を学んでいたんですが、仕事の兼ね合いで教育実習だけ行けなかったので、免許はないんです」

実は、小島は大学で初等教育について学んでいた教育学部の出身。そんな自身のバックボーンを踏まえつつ、今作で“先生役”を演じられたことに、素直な喜びをにじませた。

「教育に携われるというか、教師役をできたことが人生のなかでも嬉しかったです」

笑顔で語る様子からは、教師を演じた俳優としての高揚感が伝わってくる。

だが、役どころは単なる教師とは一味違い、療育センターという子どもの個性に寄り添う繊細な現場が舞台だけに、求められる所作や接し方も通常の“先生像”とは異なるものだったという。

「療育センターの先生だったので、教えるのとは違ったんですが、晴太が来たときの接し方をプロの方に教わりながら(演じました)。目線を合わせるためにちゃんと床に膝をつけて、自分の顔を視界に入れていくとか、そういう一つひとつの動作から教わったので、挑戦でしたが楽しかったです」

役作りから、子どもたちと本気で向き合おうとした真摯な姿勢をうかがうことができる。

さらに驚きだったのは、小島の出演シーンの撮影がたった1日で行われたという事実。


「ちょっと気まずいなという状況で……(笑)。しかも途中で(撮影に)入ったので、僕が噛んだりして(撮影が)押したりしたら、『こいつ1日だけなのに』と思われそうでドキドキしていました(笑)」

そう笑いながら明かした小島だが、そんななかでも、晴太を演じた嶋田とのコミュニケーションを怠らなかったという。「鉄太とは撮影の合間にゲームをしました。覚えてる……? 覚えてへんな~?」と優しい表情で嶋田に語りかけ、1日という短い撮影期間ながら、心が通った関係性を築いていることを感じさせた。

今作の監督・脚本を手がけるのは、映画『百円の恋』で日本アカデミー賞を受賞し、朝ドラ『ブギウギ』の脚本も担当した足立紳氏。原案となったのは、自身の連載エッセイ『後ろ向きで進む』。毒舌妻とポンコツ夫の“衝突ありき”な日常を、笑いとペーソスたっぷりに描く。
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