第一生命経済研究所は7月7日、レポート「シニアのポイ活事情」を公開。同レポートは、2024年に第一生命カードサービスと共同で実施した「高齢者の生活と意識に関する調査」の結果をもとに考察したもの。
直近3カ月で食品の購入時に最も頻繁に利用した決済方法をみると、現金が最多の36%。次いで「クレジットカード」(34.7%)が僅差で続き、これに「交通系ICカード」(1.2%)と「スマホ決済」(20.1%)を合わせると、キャッシュレス決済は56%に達している。一般的に、決済金額が高い場合にクレジットカードをはじめとするキャッシュレス決済が利用される傾向にあるが、食品のような日常的な買い物においても、半数以上が主な決済方法として利用しており、キャッシュレス化が日常生活にも普及していることがうかがえる。
また、キャッシュレス決済の普及とともに、幅広い年代に普及しつつある「ポイ活」について、どのような方法でポイントを貯めているかをみると、「買い物の時、ポイントカードを提示してポイントをためる」(44.3%)と「ホームページ上のポイントサイトを利用してポイントをためる」(33.8%)が上位に。何らかのポイ活を日常的に実践しているシニアの割合は、56.7%と半数を超えている。
ポイ活を行っているシニアの特徴としては、男性(50.9%)よりも女性(62.4%)の方が多く、日常生活で買い物を担うことの多い女性の方がポイントの価値を高く感じる傾向にあるよう。また、資産額が大きいほどポイ活シニアの割合も高まる傾向にあるが、資産額にかかわらず約5割以上の人がポイ活を実践していることから、多くの人に“少しでも節約したい”という意向があることが読み取れる。
また、ポイ活がスマートフォンを活用する場面が多いことから、8つ(ヘルスケアアプリ、地図アプリ、ショッピングアプリ、SNS、メッセージアプリ、動画視聴アプリ、ウェアラブルデバイス、家族向け写真・動画共有アプリ)のアプリ・デバイスを提示し、その利用状況を尋ねた結果みると、ポイ活シニアは平均して4.24個のアプリを使用していることが明らかに。非ポイ活シニアは平均3.43個と少なかった。
さらに、スマートフォンにおける銀行の預金残高の管理やネットバンキングの利用状況に関しては、「銀行の預金残高の管理」(ポイ活シニア53.2%、非ポイ活シニア41.8%)、「ネットバンキングからの送金」(同42.0%、33.0%)ともにポイ活シニアで高い傾向に。これらの行動には、金融リテラシーとデジタルリテラシーの両方が求められ、こうしたスキルがポイ活にもつながっていると考えられる。