リクルートが運営する「リクルート進学総研」は7月10日、高校生の進路選択に関する調査の結果を発表した。調査は2025年3月1日~4月1日、2025年に高校を卒業見込みの全国の男女22万9999人を対象にインターネットで行われた。
○進学する大学の志望順位と合格した入試方法
第一志望校への進学者は68.5%で、前回から横ばい。「年内入試」(総合型選抜・学校推薦型選抜)での入学者が53.4%と過半数を占め、「年明け入試」(一般選抜・共通テスト利用入試)の44.2%を上回る結果となった。調査手法や回答形式が異なるため参考値だが、時系列では2回連続で「年内入試」の割合が増加し、今回初めて「年明け入試」の割合を上回った。
自身の進路選択に納得しているかどうかを尋ねたところ、合計で87.2%が「そう思う」と回答。特に総合型・学校推薦型選抜の利用者では91.9%が納得していると回答した。
○2025年4月大学進学者の進路選択行動概況
2022年と比較して、資料請求は0.68校、出願校数は0.30校減となった。
コロナ禍の影響が残っていた「高校1年」時点でのオープンキャンパス参加率は2019年・2022年より低め。「高校2年」では65.5%、「高校3年」では73.5%が参加。参加校数も3.71件と、ほぼ2019年の水準に戻った。
4月から進学する大学のオープンキャンパス参加経験は引き続き増加し、77.6%が参加(前回比+6.4ポイント)。参加時に「第1志望だった」とする割合は減少したが、「いくつかの候補のひとつだった」が増加しており、進学先として検討する"志望校群"のオープンキャンパスに参加していた様子がみてとれる。
○進学先検討時の重視項目
進学先検討時の重視項目TOP3は、1位「学びたい学部・学科・コースがあること」(67.3%)、2位「校風や雰囲気が良いこと」(31.5%)、3位「自分の興味や可能性が広げられること」(28.6%)だった。
2回連続順位が上がった項目は、「伝統や実績があること(16位→7位→5位)」、「有名であること(20位→14位→9位)」、「教育内容のレベルが高いこと(21位→16位→11位)」、「活気がある感じがすること(26位→23位→18位)」。
2回連続順位が下がった項目は、「就職に有利であること(4位→6位→7位)」、「偏差値が自分に合っていること(8位→9位→11位)」、「将来の選択肢が増えること(6位→11位→14位)」、「勉強するのによい環境であること(11位→13位→15位)」、「学習設備や環境が整っていること(9位→12位→17位)」、「入試方法が自分に合っていること(13位→17位→19位)」だった。
○進学選択について満足している点・感じた不安や悩み
進路選択について、「自分の興味や得意分野にあった進路を選んだ」者が72.8%。一方で検討時には「将来やりたいことがわからない」「自分の興味や適性がわからない」が3割前後と多い。これらの2項目は、性別や入試方法による差が小さく、共通した不安・悩みとなっている。