ローソンは7月15日より、ふんわり食感にリニューアルした手巻おにぎりを全国のローソン店舗で販売する。担当者は「手巻おにぎりの機械を刷新しました。
多くの方に、ふんわり食感のおにぎりを楽しんでもらえたら幸いです」とアピールする。

○■どんなおにぎりが発売される?

新・手巻おにぎりシリーズは、定番6品+人気のふりかけを使用した新商品、の全7品で展開する。

「手巻おにぎり シーチキン マヨネーズ」(181円)では、製法と中具をリニューアル。シーチキンとマヨネーズのバランスを見直したほか、お米にしみこむ量を低減することで具材感を引き立てた。

旨みが凝縮した焼き鮭のほぐしを中具にした「手巻おにぎり 炙り熟成紅鮭」(221円)でも、製法と中具をリニューアル。鮭を焼き上げる工程において直火で炙ることで、香ばしさが増している。

北海道産昆布の旨味と醤油の風味、胡麻の香りのバランスがとれた「手巻おにぎり 北海道産日高昆布」(184円)は、製法をリニューアルした。

辛み・旨み・甘みをバランスよく仕上げた辛子明太子を中具にした「手巻おにぎり 熟成辛子明太子」(221円)も製法をリニューアル。

梅の果肉感・しその風味・旨味のバランスがとれた和歌山県産紀州南高梅を使用した「手巻おにぎり 熟成紀州南高梅」(184円)も製法をリニューアル。

かつおと胡麻の風味が感じられる「味付海苔手巻おにぎり 追い鰹製法おかか」(184円)も製法をリニューアルした。かつおの風味を最大限引き出すために、佃煮を作る工程において削り節を追加投入する「追い鰹炊き製法」で製造。海苔には、おかかと相性の良い味付海苔を使用している。


新商品の「手巻おにぎり ゆかり ごはん(しば漬け)」(192円)は、三島食品の人気のふりかけ「ゆかり」を混ぜ込んだご飯でしば漬けの梅肉和えを包んだ。

○■新・ふんわり製法とは?

昨今、タイパの良さなどから、手軽に食べられるおにぎりの人気が上昇している。またあるリサーチ会社の調査によれば、おにぎりを週1回以上食べる人の約6割はコンビニエンスストアでおにぎりを購入しているという。こうした背景から、ローソン 商品本部の内田恵美氏は「私たちにもまだまだチャンスの残されているカテゴリーだと捉えています」と自信をのぞかせる。

最近流行のおにぎり専門店では、お米に圧力をかけずにふんわりと握った商品の人気が高い。そこでローソンでも、おにぎりの売上構成比の約3割を占める手巻おにぎりシリーズをふんわり食感にリニューアルすることに決めた。取り組みに際して、まずは製造ベンダーにおける設備を刷新した。内田氏は「ふんわりとした食感にするため、新・ふんわり製法を採用しました。新しい機械を導入して製法を変更するのは2012年以来、13年ぶりのことです」と説明する。

注目したのは、ご飯をシート状にならした上に、具材を載せる工程。旧製法ではご飯が均一になるようローラーで成形していたが、新製法ではご飯になるべく圧力をかけず、米の粒立ちの良さを最重要視するようにした。「しゃもじですくったままのような、ふんわりとしたご飯シートを目指しました」と内田氏。


人気定番メニューについては、具材も見直した。販売量が最も多い「手巻おにぎり シーチキン マヨネーズ」については、シーチキンとマヨネーズの比率を変更し、より口どけ良く滑らかにした。「シーチキンマヨネーズがお米に吸われてしまわないよう、約2年をかけて改良しました」とする。また「手巻おにぎり 炙り熟成紅鮭」については「新たに直火で炙る工程を入れました。紅鮭の味とその香ばしさを、より感じてもらえるようになりました」と内田氏。

「手巻おにぎり ゆかり ごはん(しば漬け)」は、競合他社と差別化を図るための新商品。「これまでありそうでなかった三島食品様の人気ふりかけ ゆかりをご飯に混ぜ込みました。夏に需要の伸びる梅に注目し、しば漬けを梅肉で和えたものを入れています」。このほか、包材については海苔フィルムの裏面にバイオマス原料を配合し、環境にも配慮している。

売上目標は、おにぎりカテゴリー全体で発売初週で約1割増(前週対比)、7月度で約2割増(前年対比)と定めた。

質疑応答において、メディアから「おにぎり専門的が増えるとコンビニの売上は落ちるのでは」と問われると、内田氏は「おにぎりの注目度が増したことで、市場全体が盛り上がっており、むしろ非常に良い流れが来ているのを感じています」と回答。また、新・手巻おにぎりシリーズのプロモーション方法について聞かれると「店頭幕を設置し、テレビCMも打っていきます」と話した。


近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら
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