シチズン時計の「CITIZEN Series 8」(シチズン シリーズエイト、以下、シリーズエイト)は、モダン・スポーティデザインの機械式時計コレクション。2014年にいったんブランドが休止し、2021年に生まれ変わった。
ラインナップとして4シリーズを展開し、モデル数も豊富だ。ここでは「ダイナミックかつスポーティなモデル」をうたう「890メカニカルシリーズ」の最新作、「NB6060-58X」を実機写真で紹介しよう。

NB6060-58Xはグリーンダイヤルだが、カラーバリエーションとしてブルーダイヤルの「NB6060-58L」、グレーダイヤルとウォームゴールドケース/バンドの「NB6069-53H」がある。NB6060-58XとNB6060-58Lは19万8,000円、NB6069-53Hは20万9,000円で発売中だ。

近年のトレンドのひとつとなっている多角形ベゼル(8角形)を採用しており、全体を見渡すといたるところのエッジが際立っていて非常にシャープでソリッドな印象だ。現代的で高級感もある。

エッジ感を出しているのは、ケース全体を5つのパーツで完成させている5体構造。ケース両サイドに配置したガードパーツが硬質な「ツール感」「ギア感」を感じさせる。

ケース素材はステンレススチール、ケースサイズは横42.6mm×厚さ11.7mmだ。ヘアラインとミラーの仕上げを使い分けている。風防は両面無反射コーティングのサファイアガラス。シリーズエイトの中で唯一、20気圧という高い防水性能を備えるのもポイントだ。


ダイヤルには「繁栄」の意味を持つ市松パターンを取り入れ、「緑豊かなマリンリゾート」をモチーフにしたという海風に揺れる木々をイメージしたディープグリーンを用いている。ダイヤル面には凹凸があり、立体的なドットインデックスとバーインデックス、ペンシル針の時分針と合わせて視認性も良好だ。

インデックスの外周は回転式のインナーベゼル。2時位置のりゅうずを回すとインナーベゼルが回転する。インナーベゼルの▼マークから15分間に相当するエリアは白で色分けされており(それ以外はディープグリーン)、スポーティさを演出。実際の「機能」としてはそれほど出番がないかもしれないが、分針の位置に▼マークを合わせることで、そこからおおよその経過時間を手軽に把握できる。

ステンレススチール製のバンドを見ても、やはり各駒のエッジがキリッとしていて鋭いイメージだ。バンド全体には少々厚みがあり、これもまたスポーティな雰囲気に一役買っている。時計全体の重さは176gと軽くはないのだが、機械式時計としてはある程度の重厚感があったほうがよいという見方もあり、手首に合わせてきちんと調整すれば装着感は悪くない。

ムーブメントは自動巻き+手巻きの機械式「キャリバー 9051」を搭載。精度は日差−10~+20秒、パワーリザーブは最大巻上時で約42時間となっている。裏ぶたはシースルーバックだ。


また、JIS規格の「耐磁2種」時計であり、日常生活における規格的な目安としては、磁界を発生する機器に1cm程度まで近づけても性能が維持される水準を満たす。ちなみに「耐磁1種」は5cm程度といわれる。

シチズンの「シリーズエイト」公式サイトでは、「飾るのではなく余計なものを削ぎ落とす。引き算の美意識で、かつてない姿を追い求めた。」というメッセージがあり、NB6060-58Xを手に取って隅々まで眺めると、なるほどと思う。ショップで見かけたらぜひ自分の手首に乗せてみてほしい。
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