第36回「高松宮殿下記念世界文化賞」の受賞者発表記者会見が15日、都内のホテルで行われた。

今年は、ピーター・ドイグ氏(絵画部門)、マリーナ・アブラモヴィッチ氏(彫刻部門)、エドゥアルド・ソウト・デ・モウラ氏(建築部門)、アンドラーシュ・シフ氏(音楽部門)、アンヌ・テレサ・ドウ・ケースマイケル氏(演劇・映像部門)、ナショナル・ユース・シアター(若手芸術家奨励制度)が受賞。


主催する日本美術協会理事で音楽部門選考委員長の堤剛氏は、この賞について、「それぞれの分野で世界中に輪が広がっていき、選ばれた方々の活動にますます弾みが付く。今、難しい世界ではありますが、世界平和、人類の幸福といった面で、大きな意義を持った制度ではないかと思って、ありがたく理事という役目を頂いております」と強調した。

世界文化賞はフジサンケイグループの一大事業だが、一連のフジテレビ問題を受けた運営の変更などは「今のところ一切ございません」(蔭山実世界文化賞事務局長)と説明。日本美術協会会長の日枝久氏は、フジサンケイグループ代表の辞任を表明しているが、同協会の会長職について、蔭山事務局長は「今年は役員の改選期ではありませんので、理事会は開催されておりますが、その件については議題になっておりませんので、変更はございません」とした。

今後、10月に授賞式などが予定されているが、日枝氏の出席などについては、「どうなるか分からないところがあるので、今後の進展を見てということになるかと思います」(蔭山事務局長)と見解を示した。

日枝氏は、公益財団法人彫刻の森芸術文化財団理事長、彫刻の森美術館館長、美ヶ原高原美術館館長も引き続き務めている。

なお、世界文化賞の公式ホームページは7月8日から閲覧できない状況にあった。これはサイト管理会社の対応によるもので、蔭山事務局長は「何か外部から攻撃を受けたとか、そういうことは一切ございません」と説明した。

現在はURLを(praemiumimperiale.org)から(praemiumimperiale.com)へ一時的に移行して閲覧できるようになっているが、「元のサイトにつきましては早急に運用を再開できるよう、対策を行っております」としている。
編集部おすすめ