J.D. パワー ジャパンは、2025年個人資産運用顧客満足度調査の結果を発表した。本調査は、全国の20歳~79歳の個人投資家を対象に、主利用金融機関での資産運用サービスの利用経験について満足度を聴取するもの。
14回目となる今回は、対面証券、全国系銀行、ネット証券、ネット銀行の4部門で集計を行った。
○総合満足度は最高水準を維持、ロイヤルティも横ばいに推移

2024年8月の株価急落や米国通商政策への警戒感など、市場変動が大きかった一年を振り返ると、投資信託や株式運用額が減少した人は約20%にのぼり、前年より10ポイント以上増加。しかしながら、総合満足度は各部門とも横ばいまたは上昇し、特にネット証券部門では+14ポイントと大きく伸長した。ロイヤルティ指標(継続意向・推奨意向)も全体的に横ばい圏内にとどまった。

○ネット証券での満足度向上、低コストとサービス品質の向上が背景に

ネット証券部門では、「手数料・金利」で+20ポイント以上、「商品・サービス」「口座情報」「顧客対応」でも+10ポイント以上の向上が見られた。手数料無料化やポイント還元施策が評価された形であり、市場環境が厳しい中でも低コストで魅力あるサービス提供が顧客満足度向上につながったと考えられる。また、「口座で提供される情報」「見たい情報の探しやすさ」「掲載内容のわかりやすさ」などでも評価が向上し、コールセンター対応も昨年より大幅に改善した。
○株価急落時の金融機関のフォローの重要性

株価急落時の金融機関からのフォローも満足度を左右する要素となっており、営業担当者やコールセンター、Eメールなどで連絡があった場合と、なかった場合では満足度に大きな差が生じた。特に提供された情報が「役に立った」と感じられた場合は、最大140ポイント以上の差が確認された。

○2025年個人資産運用顧客満足度ランキング

■ネット証券部門(対象5社)
1位:SBI証券(653ポイント)
2位:楽天証券(652ポイント)

■ネット銀行部門(対象5行)
1位:auじぶん銀行(640ポイント)
2位:住信SBIネット銀行(638ポイント)
3位:ソニー銀行(637ポイント)

■対面証券部門(対象5社)
1位:野村證券(608ポイント)
2位:三菱UFJモルガン・スタンレー証券(601ポイント)

■全国系銀行部門(対象5行)
1位:三井住友銀行(602ポイント)
2位:三菱UFJ銀行、りそな銀行(同スコア596ポイント)

○調査概要

■実施期間:2025年4月上旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:銀行、証券会社で個人資産運用サービス(投資サービス)を利用した人(20歳~79歳)
■調査回答者数:10,763人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。

【対面系】<対面証券部門>、<全国系銀行部門>:「顧客対応(担当者・オンライン・コールセンター)」(32%)、「商品・サービス」(29%)、「口座情報」(19%)、「手数料・金利」(14%)、「店舗施設」(5%)、「問題解決」(1%)

【ネット系】<ネット証券部門>、<ネット銀行部門>:「手数料・金利」(30%)、「顧客対応(オンライン・コールセンター)」(25%)、「口座情報」(24%)、「商品・サービス」(20%)、「問題解決」(1%)
編集部おすすめ