11月21日に公開される岩田剛典主演の映画『金髪』(11月21日公開)の出演者も発表された。特報映像が公開された。
また、キャストも発表され、白鳥玉季、門脇麦、山田真歩、田村健太郎、内田慈が出演する。

同作では、主演を務める岩田剛典が30歳の冴えない中学校教師・市川を演じ、日本の学校に根強く残る理不尽な校則、ブラックな職場環境、暴走するSNSやネット報道といった社会問題を背景にも迫っていく。爽やかで生徒たちに慕われる教師かと思いきや、職員室では年配教師たちに囲まれて"可愛がられる後輩キャラ"に甘んじた、どこかズレた人物である市川の成長物語となっている。

公開された特報映像では、市川の「これは金髪の話ではない、私の個人的な話だ」という独白から幕を開ける。ある日、突然生徒たちが金髪に染めて登校し始める"金髪デモ"が巻き起こり、事態はやがて学校の枠を超えて社会を巻き込む大騒動へと発展。映像には、金髪の生徒たちに振り回される市川の困惑した表情が印象的に切り取られており、シュールかつユーモラスな世界観が垣間見える。果たして市川はこの混乱をどう乗り越えるのか。その行く末が気になる仕上がりだ。

追加キャストとして発表されたのは5人。金髪デモの発起人で、市川のクラスに在籍する生徒・板緑を演じるのは、子役時代から注目を集め、近年では『流浪の月』(2022年)やNHK大河ドラマ『どうする家康』(2023年)などでも存在感を発揮した白鳥玉季。自然体で説得力ある演技が持ち味の若手実力派だ。市川の恋人・赤坂を演じるのは門脇麦。
マッチングアプリで市川と出会い、彼を支えながらも徐々にその未熟さに疑問を抱く複雑な役どころを繊細に演じる。さらに、同僚教師・中本に山田真歩、市川の大学時代の友人・駒井に田村健太郎、赤坂の職場の同僚で良き相談相手・西原を内田慈が演じる。

■白鳥玉季 コメント

台本を初めて読んだ時、「校則」をテーマに進んでいく物語につよく惹かれました私自身、校則に疑問をもった経験が少なかったので、ルールに対して真っ直ぐ向き合い、時に大胆に行動する勇敢な戦士のような板緑の姿に圧巻されました。全てが板緑の手のひらで踊らされているようにも思えるほど、魅力的なキャラクターを演じることができ嬉しく思います。そんな板緑と、おじさん予備軍の少し情けない市川先生とのベストコンビにクスッと笑ったり、胸がじんわり温かくなる瞬間もあります。この作品を観た後、「校則」という言葉にちょっとだけニヤッとしてもらえたら、それだけで大成功です。ぜひご期待ください!

■門脇麦 コメント

私は数日の参加でしたが、監督が心から岩田さんの芝居を楽しみながら撮影している空気が心地よく、リラックスして撮影に臨めました。今まで演じてきた役の中で1番辛辣なことをたくさん言ったかもしれません。でも演じてても笑いを堪えるのが大変だったシーンもあるくらい坂下監督ワールド全開な作品になっております。岩田さんの翻ろうされていく姿は普段の爽やかさとはかけ離れてますが、どこかで魅力的です。是非劇場でその姿を見届けてください。

■山田真歩 コメント

中学生の時、理不尽なルールがたくさんあったことを思い出しました。
「どうして赤いゴムで髪を結っちゃいけないんですか?」「どうして尾崎豊のCDを下校放送で流しちゃいけないんですか?」。真剣にその理由を聞いても、先生たちは「中学生らしくないから」とか「ダメなことはダメだから」などと、本当に納得いく答えはくれませんでした。
岩田さん演じられる教師・市川が、職員室でも生徒たちにも追い詰められていく様子は可笑しくもあるのですが、ちょっと切なくもあります。かくゆう私も、面倒なことに巻き込まれないように傍観している教師・中本を演じながら、中学生の頃の自分から見て「恥ずかしい大人」になっていないだろうか?と不安にもなりました。

■田村健太郎 コメント

子供に金髪はダメという校則があるように、大人にも大人のたしなみとして見えない校則のようなものがあります。子供も大人もなぜこんな決まりがあるんだろうと思うのは同じことで、その"なぜ"を考えていく先にしか、年齢も育った環境も違うあなたと私が通じ合える場所はないのかもしれません。その交わった場所に行けたとき、大人も子供も少しだけ"大人"になれるのかもしれないし、なれないかもしれない…どう思いますか?とスクリーンから尋ねられてるようなスリル。坂下監督には、正解というニンジンを目の前にぶら下げられ、釣られて走っていたらまだ見ぬ別の光景を見せられた。憎らしい…。岩田さん、自分のことをおじさんだと思っていないおじさんという役に爽やかさという劇薬をブレンドしてきて、その匂い立つ狂気と羞恥に38才の私は顔で笑って心は号泣完全KO…。みなさま、どうか劇場で確かめてみてくださいよ…。

■内田慈 コメント

門脇麦さん演じる赤坂美咲の同僚・西原を演じました内田慈です。
坂下雄一郎という人はものすごくヘンテコな人です。本人も作品も飄々として見えるけど、中はたぎっている、に違いない。社会(世界)に対して、人に、自分に対して。私は坂下組には『ピンカートンに会いにいく』『決戦は日曜日』に続き、今作『金髪』で3回目の出演ですが、いつも坂下哲学が徹底されていて、魅了されます。彼の目線から見る世界、そしてそれを表現にするときの温度感が私はとても好きです。門脇さんとのやりとりがとても楽しかったです。すごくフラットな方で、撮影の合間も沢山おしゃべりをしました。その距離感が、うまく画に(役の関係性に)乗っかってるといいなぁ。撮影監督の月永雄太さん(『決戦は日曜日』も)のカメラワークもお楽しみに! お客様が、クスクスと笑っていたら「あ…!」と刺さっちゃう瞬間を、今から想像してニヤニヤしています。

【編集部MEMO】

映画『金髪』ストーリー

公立中学校教師・市川(岩田剛典)の人生を揺るがす2つの事件が起きた。1つは、生徒たちによる校則への抗議"金髪デモ"。校内が騒然となる中、市川は「校則だから」としか答えられず、教師としての在り方を問われる。
もう1つは、恋人・赤坂(門脇麦)からの結婚への問いかけ。彼女との関係にも陰りが見え始める。未熟さを痛感する市川は、デモ発起人の生徒・板緑と手を組み、暴走する騒動の収束を試みるが、事態は予想外の方向へと向かう。
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