豊吉は7月17日、「今川焼き・回転焼きなどの地域呼称と味の好み」に関する調査の結果を発表した。調査は2025年6月9日~6月11日、20~60代の男女1,019人を対象にインターネットで行われた。

○呼び名の違いから見える地域文化

「この画像のスイーツを普段何と呼んでいますか?」と尋ねたところ、「今川焼き(35.1%)」が最も多く、次いで「大判焼き(27.3%)」「回転焼き(23.8%)」という結果になった。全国的には「今川焼き」と呼ぶ人が最も多く、続いて「大判焼き」「回転焼き」が主要な呼称として挙がった。

一方、「蜂楽饅頭」など特定地域に根付いた呼び方もあり、地域性が色濃く反映されているこれらの名称は単なる言葉の違いにとどまらず、企業名や地域ブランドと結びついた文化的背景を持っていることが多く、呼称の違い自体がその地域の生活文化や歴史を象徴している様子がうかがえる。

また、普段使う名称に加え、他にどのような呼び名を知っているかについても確認した。

知っている呼び名として「今川焼き(56.8%)」「回転焼き(47.9%)」「大判焼き(44.8%)」が挙げられた。同じ食べ物であっても地域や文化によって名称が大きく異なることがわかる。「今川焼き」が過半数を占め最も一般的な呼称として認識されている一方で、「回転焼き」「大判焼き」といった呼び方も広く知られており、一定の地域性や世代間の違いが反映されていると考えられる。
○どこで買ってる? どのくらい食べてる?

次に「このスイーツをどれくらいの頻度で食べているか」について尋ねたところ、「年に数回(46.3%)」が最多で、「年に1回以下(30.8%)」「月に1回(11.5%)」と続いた。日常的に食べるというよりも「見かけたらつい買ってしまう」ような、お楽しみとして親しまれている様子がうかがえる。特に「年に数回」が最多であることから、季節限定の出店やお祭り、ふと立ち寄った売り場など、偶然の出会いがきっかけになるケースが多いと考えられる。

続いて、「このスイーツをどこで購入することがあるか」と尋ねたところ、購入場所として「スーパーやコンビニ(47.6%)」「デパ地下や百貨店(33.0%)」「商店街の菓子店・個人店(27.5%)」が多く挙げられた。最も多かったのは「スーパーやコンビニ」で、手軽に入手できる点が消費者に支持されているといえる。
一方で、「デパ地下や百貨店」「商店街の個人店」など、少し特別な場所でも選ばれており、気分やシーンに合わせて買う場所を変えている人も多いようだ。
○最も好きな中身は?

「このスイーツの中で最も好きな中身」について尋ねたところ、「粒あん(黒)(49.7%)」が最も多く、次いで「カスタードクリーム(23.0%)」「こしあん(黒)(13.7%)」と続いた。

粒あん(黒)が約半数の支持を集めた結果は、「=あんこ」という昔ながらのイメージがいまなお根強く支持されていることを示している。一方で、「カスタードクリーム」といったバリエーションにも一定の支持が集まり、伝統と多様性が共存する魅力があらためて浮き彫りになった。

60代では約8割が「粒あん(黒)(78.7%)」と回答しており、圧倒的な支持を集めた。50代でも「粒あん(黒)(60.4%)」が6割を超えており、年齢が上がるにつれて"王道のあんこ"を好む傾向がうかがえる。

一方、20代では「カスタードクリーム(32.3%)」が最も多く、30代でも「粒あん(黒)(36.2%)」に迫る「カスタードクリーム(32.4%)」の支持が見られた。

若年層ほど洋風やクリーム系の中身に惹かれている傾向が見られ、世代によって「定番」とされる味の感覚に違いがあることが明らかになった。

「このスイーツのどんな特徴を好んでいるか」について尋ねたところ、「中身がたっぷり入っている(69.4%)」が最も多く、次いで「生地がもっちりしている(54.0%)」「皮がしっとりしている(22.6%)」という結果になった。

多くの人がこのスイーツに「中身の充実感」や「生地の食感」といった"食べ応え"や"満足感"を重視していることがわかる。また、生地の好みで見ると、どちらかといえば「パリパリ」派よりも「もちもち」「しっとり」といったやわらか食感が好まれている傾向があるようだ。

このように好みが分かれる中で、特定のお気に入りのお店がある人はどのくらいいるのだろうか。


「あなたの好みにぴったり合う、このスイーツを売っているお店があるか」について尋ねたところ、「特にこだわりはない」(36.1%)、「なんとなくお気に入りの店はある」(27.0%)、「具体的に決まった店がある」(20.1%)、「まだ出会えていない」(16.8%)という結果となった。

「具体的に決まった店がある」「なんとなくお気に入りの店はある」を合わせると約半数にのぼり、多くの人が味や食感に対するこだわりを持ちつつ、自分の好みに合う店をなんとなく意識して選んでいることがうかがえる。さらに「まだ出会えていない(16.8%)」という声もあり、好みに合う一品を求めてお店を探している層も一定程度存在しているようだ。
○今後食べてみたい中身ランキング

最後に「今後どのような味を食べてみたいか」を尋ねた。

消費者は定番の味に加えて「和風と洋風の両方」に興味を持っていることがわかる。「さつまいもあん」や「抹茶&あずき」といった和の素材が上位に挙がる一方で、「クリームチーズ」や「季節限定フレーバー」などの洋風・変化球系にも高い関心が示されている。また、「既存の味がいい」という保守的な支持も一定数存在し、新しさと安心感のバランスが求められている様子がうかがえる。
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