KDDI/沖縄セルラーは7月18日、衛星とスマートフォンの直接通信サービス「au Starlink Direct」において、7月17日までに衛星からの電波の追加発射を実施し、つながりやすさを向上させたことを発表した。また、「au Starlink Direct」の接続者が7月10日に100万人を突破したこともあわせて公表している。
○軌道傾斜角43度の衛星群が利用できるようになった
4月10日にサービス提供を開始した「au Starlink Direct」は、スペースXの低軌道衛星「Starlink」とスマートフォンが直接接続し、通信を行えるサービス。地上の基地局がなく通常は圏外となるエリアでも、上空が開けている環境であれば衛星との直接通信で「テキストメッセージの送受信」「位置情報の共有」「緊急速報」といった通信が可能になる。au回線の利用者は無料で利用でき、UQ mobile/povo2.0/他社回線のユーザー向けには「au Starlink Direct専用プラン」が提供されている。
今回の電波の追加発射は、これまで「au Starlink Direct」で利用していた軌道傾斜角53度の衛星群に加え、軌道傾斜角43度の衛星群でも「au Starlink Direct」において利用できるように電波を発射することで衛星の密度を高め、接続率を改善するもの。43度の衛星群は今回新たに追加で打ち上げられたというわけではなく、6月に総務省より衛星軌道追加の許可が下りたことにより、「au Starlink Direct」で利用できるようになった。
追加発射の効果として、SMS送受信に要する時間は従来の「2分以内」から「30秒以内」へ大きく短縮されているという(2025年1月時点と比較した90パーセンタイル値。空が開けていない場所では、メッセージの送受信に時間がかかる場合があるとのこと)。
KDDIがこの追加発射にあたって開催した体験会での説明によれば、従来はSMS送受信の通信中に圏外となる時間が約50秒×2回生じていたところ、追加発射後は圏外となる時間が約25秒×1回と改善されているという。
○約3カ月で接続者100万人を突破、データ通信提供開始は「今夏」
また合わせて、「au Starlink Direct」の4月10日のサービス開始からの累計接続者数が、7月10日に100万人を突破したことも合わせて発表された。
今後の展開としては、先に実証実験が行われていた登山サポートサービス/アプリ「ヤマレコ」との連携機能がリリース予定となっている。また、現在「au Starlink Direct」で利用できる「メッセージ送受信」「位置情報の共有」「緊急通報」に加え、データ通信サービスも2025年夏に提供を開始する予定。具体的な提供開始の日程については未定としている。