電通は7月22日、日鉄興和不動産、CAPCO AGENCY、電通マクロミルインサイトと共同で、生活行動データを統合的に活用して暮らしを向上させる業界横断型のスマートホームプロジェクト「HAUS UPDATA(ハウスアップデータ)第2弾 実証事業」を開始したと発表した。

今回は参画企業とモニター世帯を大幅に増やし、生成AIによる生活サポート機能も導入して、サービス展開に向けた効果検証を行うとしている。


○「HAUS UPDATA」の概要

「HAUS UPDATA」は、生活者の同意を得て各種データを活用し、家の中での生活習慣や趣向を多角的に把握することで、個人や家族のウェルビーイング向上や企業のマーケティング強化を目指す共創型プラットフォーム。

住宅や家電メーカー、消費財メーカーなどと連携し、住居にセンサーやIoT家電を設置して取得した多様なデータを統合・分析することで、生活者は管理ダッシュボード上で自分のデータを確認でき、最適なサポートや商品提案を受けられる仕組みだ。

昨年実施した第1弾実証事業(2024年5月1日~10月31日)では、家の中での生活パターンや日用品の使用傾向をデータで把握し、生活スタイルや意識の変化を継続的に見守れることを確認。また、モニターの状況に応じた日用品情報の提供が、好意的な購買につながることも明らかになったという。

○第2弾の実証事業について

第2弾実証事業では、ダッシュボードの一機能として、生成AIによる生活サポート機能(食生活改善や睡眠指導、日用品の購買レコメンド、ペットサービスなど)を新たに導入し、その効果や生活者への影響を検証する。

モニターは自分向けに最適化された共創AI(チャットボット)との対話を通じて、暮らしに役立つ情報や生活向上のための提案を受けられるという。これにより、モニターの状況に合わせて共創AIが行動をサポートし、より自然で継続的な体験を提供できるとしている。
また、モニター世帯数を第1弾の10世帯から100世帯超に拡大したことで、より多様で正確な生活行動データの活用が可能となり、生活サポート機能の強化や参画企業のマーケティング向上にもつなげていく考えだ。
○実証の方法

実証事業は6月から12月まで、「HAUS UPDATA」への参加に同意した100世帯超のモニターを対象に実施される。

実証方法は、まずIoTセンサーやIoT家電を設置し、参画企業の商品を配布してモニターの生活行動データを収集する。そのデータは電通独自のセキュアなデータ基盤で分析され、生活習慣や趣向を把握。

さらに生成AIが、モニターごとの生活習慣や趣向に応じて日用品の購買レコメンドや生活サポートを行う。
加えて、生成AIとの対話の中でモニターの日用品需要や気分などを把握し、各社のサービスへフィードバックする仕組みだ。

参画企業とその役割として、電通が実証事業の企画設計や結果検証、データ連携基盤や生活者理解アルゴリズム、生活者向けダッシュボードおよび共創AIの開発を担うほか、生活者理解アルゴリズムを活用した商品・家電の情報やサービス提供を支援する。
○各社の役割

日鉄興和不動産、CAPCO AGENCY、電通マクロミルインサイトは、実証事業の運営主体を務め、電通デジタルは共創AIの開発を担当する。シャープは家庭内で消費財の使用タイミングや消費量を計測できるIoTデバイス「のせログ」の開発およびデータ連携を行う。

Lumi United TechnologyはIoTセンサー「Aqara」のデータ連携を担い、ライフログテクノロジーは、食事・運動・体重管理アプリ「カロミル」の提供とデータ連携を担当する。マイベストは、生活行動データと連携して日用品の商品比較ができる機能開発への協力や、マイベストデータの連携を行う。

Spotifyは生活行動データと連携しておすすめのプレイリストが配信される機能の開発協力や、Spotifyデータの連携を担当し、ライオンは商品サンプリングや商品に関する情報・サービスを提供。アサヒビールは、商品サンプリングや商品に関する情報提供を行う。
編集部おすすめ