日米関税交渉が合意に至り、市場には一定の安堵感が広がっています。しかし、それでも関税の影響でGDPが約1%押し下げられるとの見方もあり、さらにアメリカでは秋以降にインフレ再燃の兆しがあるともいわれています。


また、長く続いた「日本は物価が上がらない国」という前提も、崩れつつあります。直近の参議院選挙でも「物価」が争点のひとつとなりました。物価が上がれば、同じ生活をしていてもコストがかさむため、老後に向けた備えが一層重要になります。

こうした物価上昇に対する有効な手段のひとつが、資産運用です。とはいえ、「何に」「いつ」「どのくらい」投資するかをその都度判断するのは、投資経験者にとっても簡単ではありませんし、NISAをきっかけに投資を始めた方にとっては、なおさらハードルが高いでしょう。

そこで注目したいのが、運用判断をプロに任せられる「ラップ口座」という選択肢です。

本稿では、ラップ口座の運用を担う、投資一任運用で実績のあるFOLIOに、その仕組みや魅力について解説していただきます。

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”インフレに備える資産運用を”、資産運用の世界で繰り返されていたメッセージですが、これまでは実感が湧きにくかったかもしれません。

日本ではデフレ(ディスインフレ)時代が長く続き、継続的に物価が上昇する環境を現実感を持って想像することが難しくなっていました。しかし、2022年以降日本の物価は上昇基調が続いており、足もとでは食料品を中心に物価高の影響を毎日の生活の中で実感するようになりました。

過去数十年にわたり、経験したことが無いインフレという環境の中で、大切な資産を守るためにどのような対応をすればいいのでしょうか。
高まるインフレ率、インフレが続くと資産の価値は目減りするって?

日銀は消費者物価に対して前年比2.0%の上昇を目標(※1)としていますが、実際の消費者物価指数(CPI)を確認すると、2022年から現在まで38ヵ月連続でその目標を超過しています。
さらに、2025年に入ると変動の大きい食料品、中でも米等の高騰が大きく影響し、前年同月比3.5%~4.0%の上昇が5月まで毎月続いています。

インフレ率が高まると、食費や電気代など日々の生活に直結する影響に目を奪われやすくなります。しかし、その状況が長く続いた場合、長期的な視点でも我々の生活には大きな影響が及ぶこととなります。

一例として、老後資金問題を考えてみましょう。令和元年に金融庁・金融審議会における報告書に、「平均寿命が高くなっている昨今、高齢夫婦無職世帯の平均的な例で見ると、老後の資金として2,000万円が不足している」という趣旨の記載があり、話題となりました。これが「老後 2,000 万円問題」(※2)です。しかし、ここで触れられている「2,000万円」には、物価上昇は考慮されていません。

そこで、毎年の物価が2.0%ずつ上昇するという仮定を加味してこれを再計算してみると、計算上は2,000万円ではなく約3,000万円が不足する(※3)ことになります。

このように、物価が上がると、同じ水準の老後生活を送るにしても必要な資金が増えてしまうため、インフレ下では実質的に現金の価値が目減りしてしまうことになります。

物価上昇に合わせて給与や年金が今後増えていくという保証があればいいのですが、現実的にはそうならない可能性も十分に考えられます。

短期間で急激な上昇率でなかったとしても、インフレが長く続いた場合、影響する期間が長い分、将来の生活に与える影響は今の生活に対してよりも大きくなるかもしれません。インフレ環境下では資産形成の重要性はますます高まりそうです。


※1 2%の「物価安定の目標」:日本銀行「金融政策運営の枠組みのもとでの「物価安定の目標」について」 2013 年 1 月 22 日)
※2 老後資金問題:金融庁金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」( 2019 年)における、「夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約 5 万円であり、まだ 20~30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で 1,300 万円~2,000 万円になる。この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたもの」との記載を元にしています。
※3 計算期間中において物価が継続的に2.0%上昇すると仮定し、年複利にて計算しています。税金等は考慮していません。

将来を見据えた資産運用、けどそれって簡単?

インフレに直面した時、将来に備えてどのように対応するのが良いでしょうか。対応策の一つが”資産運用”です。
先ほどの「老後2,000万円(3,000万円)問題」では、インフレによって将来必要となる資金が増えてしまうというシミュレーションを行いました。しかし、インフレが続いている間にも資産を増していくことができれば、その影響を緩和することができます。

しかし、実際に資産を運用しようとしても「何を」「どのタイミングで」「どれくらい」買うべきかが分からず、手が止まってしまう方は多いのではないでしょうか。また、実際に始めてみても、長期にわたる運用中の資産をどのようにメンテナンスしていくべきかという問題も立ちふさがります。
何か色々と難しそうですし、面倒そうですよね。
最小限の手間で特色ある運用が実現できる、ラップ口座

そこで選択肢としてあるのが、運用をおまかせできるラップ口座です。
各社いろいろな商品を展開していますが、ここでは弊社が運用パートナーを担っている、SBIラップ(以下、当ラップ)を例にご紹介します。

現在、資産運用を”おまかせ”するサービスは世の中に多くあり、その運用手法や考え方も多種多様です。当ラップは、無数に存在し得る運用戦略の中から厳選した戦略を採用しています。2025年7月現在では、以下の3コースから選択可能で、また特色のある各戦略のうち、複数を併用することも可能です。

もちろん、投資一任サービスである当ラップは、入金したあとはすべて「おまかせ」でき、最小限の手間で世界中の様々な資産へ継続的に投資することが可能です。

ラップ口座が支持される理由

厳選された特色ある運用戦略を手軽に利用できる点が好評で、当ラップは資産形成層と呼ばれる現役世代の方々から、定年を迎えられた資産活用層の方々まで、既に多くの幅広い年代に支持されています。

以下は、当ラップを活用いただいている方々に、「選んだ理由」をお聞きした結果です。

リリースから3周年を迎えた当ラップは、契約者数もお届けする戦略も拡大中です。以下のページで、各戦略の詳しいご説明、過去の運用実績、各種コラムをご確認ください。

SBIラップについて詳しくはこちら

数年前まで「もし、インフレになったら…」という仮定の中で語られていた物価上昇が現実のものとなった昨今、ラップ口座を検討いたければと思います。

執筆者:FOLIO

『投資情報メディア』より、記事内容を一部変更して転載。

投資情報メディア編集部 とうしじょうほうめでぃあへんしゅうぶ
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川上雅人氏や栗本奈緒実氏など同社のアナリストによるオリジナルレポートをはじめ外部の人気アナリストによるレポート、外国株、日本株、投資信託などに関する豊富な記事ラインアップを揃えている。 この著者の記事一覧はこちら
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