パーソルイノベーションは7月31日、「“静かな退職”と副業に関する調査」の結果を発表した。調査は6月9日~16日、20~49歳の会社員661人を対象にインターネットで行われた。


本調査では、「静かな退職」を「キャリアアップや昇進などを目指さずに必要最低限の仕事をこなすはたらき方」と定義している。

調査によると、「静かな退職」という考え方に対し、「共感する(非常に+やや)と回答した人は72.7%。なかでも、新卒入社後3~5年未満の勤続層では89.5%と、若手社員の間で顕著に。共感する理由としては、「ワークライフバランスを重視したい」(45.3%)や「昇進・昇格に関心がない・したくない」(33.6%)が上位に。仕事だけに偏らず、自分らしいライフスタイルを重視する姿勢や、管理職としての負担を敬遠する意向が、「静かな退職」への共感の背景にあることがうかがえた。

続いて、「静かな退職」の実践状況を聞いたところ、37.7%が「実践している」ことが明らかに。特に20代女性でその割合が高く59.1%。次いで30代女性(44.0%)、20代男性(42.9%)と続き、若年層・女性を中心に広がりを見せている。また、新卒入社後3~5年未満の層では75.4%にのぼり、実際の行動としても定着しつつあるよう。

また、「静かな退職」を実践してみてどうだったかを聞くと、「心身の健康が改善された」(32.3%)や「ワークライフバランスが改善された」(28.9%)といったポジティブな変化を感じている人が多く見られた。

次に、「『静かな退職』を実践して空いた時間で副業をしていますか?」と尋ねたところ、全体の64.3%が「はい」と回答。多くの人がその時間の余白をキャリア形成のために積極的に使用している実態が明らかに。


また、副業や社外活動を通じて本業に対する気持ちに変化があったかを尋ねたところ、「本業への期待は変わらないが、気持ちにゆとりが生まれた」(53.6%)が過半数となり、次点は「やりがいを再認識し、本業へのモチベーションが上がった」で20.5%。静かな退職は、本業を手放すことではなく、より持続可能な関わり方を模索する手段と捉えられていることがうかがえた。
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