400Fは8月21日、「住宅ローンに関する調査」の結果を発表した。調査は2025年8月9日~8月11日、同社が運営する「オカネコ」ユーザーのうち、50代以上の住宅ローンを借り入れている83名を対象にインターネットで行われた。
○50代以上の住宅ローン利用者は変動金利が多数
現在の住宅ローンの金利タイプについて聞いたところ、「変動金利」が65.1%と、全体の3分の2近くを占める結果となった。次いで「固定金利(全期間固定)」が25.3%、「固定金利(固定期間選択型)」が6.0%となっている。
「変動金利」を選択した人へその理由を聞いたところ、「固定金利より金利が低かった」が最も多く81.5%だった。また、「固定金利(全期間固定、固定期間選択型)」を選択した人の理由としては、「毎月の返済額が変わらず、計画が立てやすいから」が最も多く51.8%だった。
この結果は、低金利が長らく続いた社会状況において、多くの人が金利上昇リスクよりも低金利のメリットを優先し、変動金利を選択してきたからと考えられる。
○約半数が返済負担増を実感、理由は金利上昇と物価上昇
住宅ローンを借り入れた時と比べて、現在の返済負担がどう変化したか聞いたところ、「非常に負担が増えた」12.0%、「やや負担が増えた」31.3%と、計43.3%の方が負担増加を実感していた。
返済負担が増えたと回答した人の理由として、最も多かった回答は「金利が上昇したため」63.9%、次いで「物価上昇により、生活費が増えたため」55.6%という結果だった。
○約9割が60歳以降も住宅ローンを返済予定
住宅ローンの返済が終了する予定の年齢については、「60~64歳」(21.7%)、「65~69歳」(20.5%)、「70~74歳」(20.5%)の順に多く、60歳以降も返済が続く人が約9割を占める結果となった。この結果は、多くの方が定年後も住宅ローンを返済し続けることを示しており、現役時代からの収入減を考慮した返済計画の見直しが、老後の生活を左右する重要な課題となっていることがうかがえる。
○47.0%が住宅ローンの借り換え検討経験あり
住宅ローンの見直し(借り換えの検討)をしたことがあるかという質問に対し、47.0%が「はい」と回答した。「はい」と回答した人へ、その理由を聞いたところ、「現在よりも低い金利で借りられる可能性があるから」が71.8%と最も多い結果となった。この結果から、社会情勢の変化や物価高による家計の見直しニーズが、住宅ローンへの関心を高めていることがうかがえる。
一方で「いいえ(住宅ローンの見直しをしたことがない)」と回答した人の理由は、「手続きが面倒そうだから」が51.1%と最も多く、心理的なハードルが住宅ローン見直しの障壁になっている実態が明らかになった。
○退職金を繰り上げ返済に充てる意向は2割強
老後資金の要となる退職金の使い道について、「住宅ローンの繰り上げ返済に充てたいと思いますか?」と質問したところ、「はい」と答えたのは24.1%にとどまった。一方で「いいえ」47.0%、「退職金が出ない予定」12.0%、「わからない」16.9%といった回答結果となった。この結果から、多くの50代以上の世代が、住宅ローンの完済よりも、老後の生活資金を確保することを優先している傾向が見て取れる。