永谷園は、9月1日よりどんなおかずにも合う新しい主食「めし粥」を新発売する。8月21日には、プレス向け発表会が行われ、新商品について紹介された。


○■「お粥」に注目した理由は?

今回登場する「めし粥」は、味付けをしておらず、お湯を注いで5分でお米の素材を楽しめるもの。なぜ同社が味付けをしない商品を出すことになったのか? その背景について、永谷園 開発担当 栗原紘明氏は、カップ米飯の市場が関係していると話す。
「カップ米飯はお湯を注いで手軽に食べられるご飯です。カップ米飯市場の販売額推移をみると、2020年から約5年で2倍ほど伸びています」(栗原氏)

お米はもともと炊飯器で炊いて、家族みんなで食べるものから、現在は個食や簡便などお米の食べ方が変わってきている。昨年、同社はフリーズドライのごはんが入ったカップタイプのお茶づけを発売しているが、こちらも人気商品で、需要があったという。

こうした背景がある中、今回「お粥」に注目した経緯について栗原氏は「お粥にはもっとポテンシャルがある」と考えたと話す。お粥には、健康的、カロリーが低め、消化に良いなどポジティブなイメージがある一方、体調不良のときに食べるもの、ご飯がべちゃべちゃしているといったイメージもある。

「ポジティブなイメージはお米の食べ方として非常に良い部分なので、これをカップめんでより簡単に食べることができるようになれば、もっと世の中の食文化が良くなるのではないかと考えました。また、色々と進めていく中でお粥は普通のご飯代わりになりますし、おかずにとても合うことが分かったんです」(栗原氏)

たとえば、少し脂っぽいかつ味が濃いめの中華料理に中華粥を合わせると、お粥の油分をリセットしてくれる。また、老舗料亭ではお粥と色々なおかずをあわせて愉しむスタイルを提供していたり、ホテルビュッフェでは白米と並列でお粥が並んでいたり、お粥はご飯代わりになり、ご飯とは違う新しい価値があることに気づいたという。

もう1つのポテンシャルは、おかずを選ぶ楽しさを増やし、食事の幅を広げることができるという点。「コンビニに行くと、主食から選ぶことも多いと思います。
コンビニにはたくさんおかずがあるのに、主食を固定してしまうことで、おかずも固定されてしまう。その結果食べるものがルーティン化されることも多い」と指摘。こうした状況から、「めし粥」を通して「より楽しい選択を増やす」ことが実現できると考えた。
○■「めし粥」を主食として心から食事を楽しむきっかけに

今回発売する「めし粥」のターゲットは、「食べるのが大好きで、普段ついつい食べ過ぎてしまう人」だと、永谷園 開発担当 藤巻春奈氏は説明する。

「食べたいという気持ちと、ちゃんとしなくちゃいけないという2つの気持ちの間で揺れ動いて葛藤している人に向けて、主食をうまく調整して“心から食事を楽しむ”きっかけになれば嬉しいです」(藤巻氏)

「めし粥」は、お米の粒感や風味豊かでご飯のおいしさを感じられる商品となっている。また、量はおにぎりの約2倍とボリューム感はあるのに95カロリー。カロリーが低い分、食べたいおかずを自由に選ぶことができるのもポイントなっている。

おかずと一緒に食べること前提で作られた本商品。同社にとって新しい挑戦となったが、こだわった点について「病気の時に食べる優しい食べ物というイメージではないところで、めし粥を感じてもらうことが大事」とアピールする。

「“普段の食事をおいしく食べるもの”を目指していこうと考えています。そのため、商品名には『めし』という言葉を入れたり、文字フォントも強めに、がっつり食べそうなイメージや男女どちらにも手に取ってもらえるような商品名にしました」(藤巻氏)

パッケージには、おかずとなる唐揚げを入れた。また、天面は唐揚げ・煮卵・回鍋肉・鮭の4種類を用意しており、いろいろなおかずに合うということを表現。
さらに、蓋をあけると、めし粥に合うおかずが並んでいる。

発表会後半では、実際に試食の時間も設けられた。商品発売にあたって、同社が美味しいと感じたおかず10種類が用意された。どれもコンビニで、手軽に購入できるものだ。

実際に食べてみると、どれも「めし粥」に合うものばかりで、最後まで飽きない味わいに。個人的には、「半熟煮たまご」と「角煮」が好きな組み合わせだったが、当日のメディア参加者の投票結果によると、1位が「セブンプレミアム 半熟煮たまご」、2位は「セブンプレミアム 牛カルビ焼」、3位が「セブンプレミアムゴールド 金の海老チリソース」という結果になった。

消費者に向けてのコミュニケーション施策については、「新しい主食のスタンダードとして認識してもらうこと」を目標としている。9月1日より全国で発売予定で、9月8日からはコンビニでも購入可能。また、9月16日よりブランドサイトにてWeb CMも公開を予定している。今後は実際に「めし粥」を体験してもらえるようなイベント出展なども予定しているという。

さまざまなおかずに合う「めし粥」。ぜひ自分好みのおかずと合わせて、より食事を楽しんでみてはいかがだろうか。
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