Uberの新CM「タクシーを、思いのままに スーパーパワー」編に出演する女優・杏。CMでは、“スーパーパワーを持つ母親”を演じ、仕事帰りのモードから、子どもと過ごす柔らかな表情へ――短い映像の中で「働く自分」と「家庭の自分」の二面性を表現している。
実生活では「頼れる存在でありつつ、失敗や苦手もある等身大の母でいたい」と語り、片付けを子どもに頼むこともあるそう。一人で抱え込まず、子どもたちが“自分でできること”を増やす工夫も欠かさない。限られた時間を効率的に活用し、仕事も家庭も前向きに楽しむ姿勢は、働く人々の共感を呼ぶ。その言葉からは、女優として、そして母としての飾らない魅力がにじみ出ていた――。
○Uber新CMでスーパーパワーを使える母親役
――今回、UberのCMにご出演されます。CMでは、スーパーパワーを使える母親を演じられました。
とてもかわいらしく、素敵なCMだなと思いました。スーパーパワーを使うシーンは、映画を撮影するかのようにかっこよく撮っていただきました。他のシーンと組み合わさったら、おもしろくもあり、かっこよくもあるCMになるのではと楽しみです。
仕事帰り、もしくは子どもの習い事の帰りであろうというシーンから始まりますが、仕事モードから子どもと一緒に楽しむモードに切り替わる、お母さんの表情の変化というのは、短いCMの中で表現できたらと思っていたので、見どころの1つかと思います。
○子どもたちの言動に驚き「思っている以上に……」
――今回のCMでは、お子さんが、杏さん演じるお母さんを“スーパーパワーを持つ存在”のように見ています。杏さんご自身は、お子さんにとってどんな存在でいたいと思われますか?
CMのように「スーパーパワー」とまではいかないですが、いろんなことがあったときに頼れる存在ではいたいと思っています。
――そうした存在でいるために、子育ての中で大切にしていることはありますか?
「弱みを見せる」というほどのことではないですが……例えば私は、片付けが苦手なので、「ちょっと協力してくれる?」とお願いすることがあります。それは教育というより、“ひとりの人間としての頼みごと”という感じです。
――逆に、今回のCMの内容とは逆で、お子さんの言動に驚かされたことはありますか?
あります。ちょっとした大人同士の会話だったり、日常の何気ないやりとりなどを、意外ときちんと覚えていたりしているんです。思っている以上に見ているし、聞いているんだなと驚かされます。
○仕事と家庭を両立するための意識を明かす
――ご自身が親になって、改めて「親のすごさ」や「ありがたみ」を実感したことはありますか?
まさに今、夏休みシーズンですが、子どもの頃は本当に何も考えてなかったです。学校がなく、自由な時間があって、楽しいイベントがあるという感覚しかありませんでした。
でも親になってみると、いろんな予定を組んだり、生活の流れを管理したり、子どもの様子を見守ったり、思った以上にやることが多いんですよね。楽しいことももちろん多いですが、気を張ったり、頭を使ったりする場面もすごく多くて……“夏休みのマネジメント”のために世界中の親たちががんばっているんだなと、大人になって改めて気づきました。
――YouTubeなどでも、お子さんと一緒に旅行に行かれる様子を拝見します。
思い出深いのはインドですね! 子どもたちが辛いものを食べられるかな? など、いろいろ心配ごともあったのですが、結果的にみんなすごく元気に楽しんでくれて、とても良い思い出になりました。私自身も好きな文化に触れることができて、楽しかったですし、また行きたいなって思います。
それから、まだ行ったことのない南米の国々にもいつか行ってみたいです。お仕事でもプライベートでも、南アメリカにはまだ縁がないので、いつか訪れてみたいなと思っています。
――以前番組で「子育てを一人で抱え込まず、あらゆる人に助けてもらえるよう工夫している」とおっしゃっていました。お仕事と家庭を両立する上で、他に意識していることはありますか?
我が家の子どもたちは、今はみんな小学生になってきたので、子どもに担ってもらうではないですが、少しずつ自分でできることを増やしてもらうようにしています。もちろん、すぐに全部できるようになるわけではないので、料理や洗濯なども“遊びながら少しずつできるように”という感じで、楽しく学べるようにしているつもりです。それは子どもたち自身のためでもあるし、親としても自立してもらえると安心ですから。少しずつでも、自分のことは自分でできるようになってくれるように、というのを意識しています。
■杏
2001年デビュー。雑誌、映画、ドラマなど幅広く活躍。主な出演作品にNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』(13)、NTV『花咲舞が黙ってない』シリーズ(14・15)、CX『競争の番人』(22)、映画『キングダム 運命の炎』(23)、『私たちの声』(23)、『飛んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(23)、『窓ぎわのトットちゃん』声の出演(23)、『かくしごと』(24)などがある。