転機となった“エアガン”エピソード 決勝2本目のネタにも影響!?
11日に行われた“日本一のコント師”を決める大会『キングオブコント2025』で優勝したお笑いコンビ・ロングコートダディ(堂前透、兎)。2年連続4回目の決勝で栄冠に輝いた2人にインタビューし、コンビにとって転機や危機、お互いへの思い、そして今後について話を聞いた。史上最多エントリー数3449組がエントリーした今年の『キングオブコント』。
――優勝おめでとうございます。2009年4月の結成から16年半経ちますが、コンビにとって転機になったと感じている出来事を教えてください。
堂前:8年目ぐらいのときに、楽屋にエアガンがあって、僕は何も入ってないと思って、兎のふくらはぎに向けて撃ったら、1発だけ内部に入っていて当たってしまって。でも、楽屋から舞台上が近くて、大きな声を出したら舞台上の人に迷惑がかかるということで、兎がぐっと痛みをこらえていて、あれは転機だったかもしれません(笑)
兎:あながちマジで、「こんな面白さがあったんだ」みたいなことを(堂前が)思ったのかもしれないです。太ももに当たって、でも舞台で漫才とかやっているから、(こらえる表情をしながら)クーッ! って。
――そのときの兎さんの表情や反応で兎さんのさらなる面白さを感じたということでしょうか。
堂前:すごく感じました。
――その兎さんの魅力がコントにもプラスに?
兎:決勝の2本目のネタで最後撃たれるというのは、エアガンのときと同じベクトルかもしれないですね。
堂前:確かに。
兎:なので、そんなのが転機なわけないだろとは言えない。そういった日常の些細なことを笑いにできてこそプロの芸人だと思うので。
――コンビとしての危機を挙げるとするなら?
兎:1回解散して再結成しています(2012年9月に解散し、2013年1月に再結成)。僕から解散したいと言って、僕から再結成を申し出たので、そのときに、もう僕から解散したいと言うことは二度としないと決めて、今でもそれは僕の中で生きています。
――もう一度、コンビを組みたいと思った当時の気持ちをお聞かせください。
兎:芸人を辞めたらすごく暇になってしまって、何もすることがなく、芸人をしているときよりも惨めだなと。そして、お笑いから離れてみたら、お笑いってすごく楽しいんだということにも気づいて、もっとやりたいと思いました。
――堂前さんはそのときどんな気持ちでしたか?
堂前:あまり覚えてないです。
兎:1週間待ってくれって言われました。
――その後はお笑いを辞めたいとか解散したいと思うことはないですか?
兎:ないです。
堂前:僕はもともと別れたいと思ってなかったので、僕の気持ちの変化はないです。
○2人の関係は「ばいきんまんとドキンちゃんみたい」 絆は年々強く
――コンビとして経験を重ねていく中で、お2人の関係性はどういう風に変わってきていますか?
堂前:ばいきんまんとドキンちゃんみたいな感じです(笑)。付き合っているわけじゃないけど仲良くやっていて、ドキンちゃんの欲しいもののためにばいきんまんが動くことがあって、全く一緒やと思いました。
――どっちがどっちですか?
堂前:僕がドキンちゃんで兎がばいきんまんです。
――堂前さんがこうしてほしい思うことに対して、兎さんが応えようと頑張っているということでしょうか。
堂前:そうです。頑張っていると思います。
――その絆が年々強くなっているわけですね。
堂前:だいぶ強くなっています。
――兎さんはいかがですか?
兎:ドラえもんとしずかちゃんみたいな感じだと思います。違う家に住んでいるけどよく会うという(笑)。絆は年々、えぐいほど深まっています。
互いを信頼「全部」「かっこいい」 今後の賞レース参加は意見分かれる
――相方が堂前さん、兎さんでよかったなと感じているお互いの好きなところを教えてください。兎:全部です。相方の僕が言うのもあれですけど、堂前は誰が見ても、どう考えても面白いので。特にネタが強いですね。
堂前:僕は、顔がかっこいいなと。年々かっこよくなっている気がします。コンビはどっちかがフロントマンというか、華のある感じが必要で、それをやってくれているので非常にありがたいです。それがコントにもプラスになっていると思います。
兎:(決め顔を見せる)
堂前:ほら、かっこいいでしょ(笑)
――兎さんは今年の『キングオブコント』に向けて10キロダイエットされ、まだダイエットを続けるそうですが、堂前さんはぽっちゃり体型の方が面白いというような思いはありますか?
堂前:そのレベルを超えてしまっていたので、痩せてくれてよかったです。今回それは本当にでかかったと思うので。あと10キロ痩せてもぽっちゃりだと思うので、それぐらいがいいんじゃないかなと思います。
――ちなみに兎さんの今の体重は?
兎:100.7キロです。
○堂前は賞レース卒業の意向 兎は「『ダブルインパクト』に出たい」
――『キングオブコント』優勝を果たし、今後のコントの向き合い方はどうなっていくと思いますか?
堂前:優勝したからこそ今一度、気を引き締めて向き合いたいです。
兎:王者たるコントを。今まではちょっと荒いコントもいいかなという感じでしたが、チャンピオンとしての責任も出てくると思うので、チャンピオンにふさわしいコントをしていきたいです。
――『キングオブコント』は卒業とのことですが、ほかの賞レースに参加する可能性は?
堂前:僕は出る気はないです。
兎:僕は『ダブルインパクト』に出たいです。
――『キングオブコント』も今年優勝できなかったら、来年出るか出ないかで意見が異なり、ケンカになる可能性があったとおっしゃっていましたが、来年の『ダブルインパクト』に関してもケンカが起こってしまうのでしょうか。
兎:もしかしたらケンカになるかもしれないですね。
堂前:解散もあり得るかもしれません(笑)
兎:それぐらい本気なので(笑)。お互い折れるような感じで言っているわけではないので。