「日本酒を世界酒に」をビジョンに、缶入りスパークリング日本酒「SummerFall(サマーフォール)」を、コンビニから星付き高級レストランまで販売している「WAKAZE」。同社初の直営店「SummerFall TAP COCKTAILS(サマーフォール タップ カクテルズ)」が2025年10月30日(木)、東京・渋谷にオープンした。
世界的バーテンダー鈴木敦氏とタッグを組み、ワサビや柚子といった和のフレーバーも楽しめるオリジナルカクテルをタップから注ぐ。日本では大変珍しい"タップ式カクテルバー"とは?
○日本酒×カクテル×タップ─WAKAZEが渋谷で描く日本酒の未来図
日本・フランス・アメリカの3拠点でクローバルにSAKEカルチャーを発信している「WAKAZE」が次の一手に選んだ場所は渋谷。ファッションや音楽など、新しいカルチャーを生み出す若者の流行発信地に新店が誕生した。テーマは「PLAY TOKYO BUBBLES」──誰もが気軽に、本物のカクテルを楽しめる場所。
店内に入るとカウンター内にタップがズラリと20個も。一見ビアバーの様相だが、タップから注がれるのは生ビールではなくオリジナルカクテル。全20種のうち8種にスパークリング日本酒「SummerFall」が使われている。
フラッグシップである「SummerFall Sparkling Sake」(Classicベース)は一杯900円、Classicにジンを加えてシソ・山椒を使ったカクテルは「Shiso Gin Tonic」1,200円。柚子味の「SummerFall」は「Yuzu Sparkling Sake」900円で味わえ、「SummerFall Yuzu」にウォッカやレモンを加えたカクテルは「Shibuya Lemon Sour」900円。
ワサビ、柚子、山椒、和紅茶・梅・ほうじ茶・番茶…など日本由来の素材を多用したオリジナルカクテルもあって選ぶ段階から心躍る。普段はあまりカクテルを飲まない人でも、これら素材のキーワードだけで直感的に選べるのも魅力だ。アルコール度数は5~10%がメインで、ノンアルコールも1種用意。
オープン前に開催されたメディア向け試飲会で、WAKAZEの稲川社長は次のように語った。
「日本酒ベースのカクテルを提供する店が増えたら日本酒の裾野が広がるし、世界中に日本酒をもっと広げられる。そう思ってカクテルのことを調べていたら、素晴らしいクリエイターである鈴木さんと出会った。カクテルはこれまで“特別な場所で嗜むもの”というイメージが強かったけれど、WAKAZEの革新的なSAKEと、タップスタイルのバーとの融合で、より多くの人に“Wow!”と感動してもらいたい。これまで誰もやらないことに挑戦した」。
オーダー後にお客の目の前で作るカクテルと違って、あらかじめ完成させたカクテルをケグ(樽)に詰め込んで冷蔵保管しておき、オーダーごとにタップから注ぐスタイル。味の安定性や香味の再現性などで、より高度なバーテンダー技術が不可欠だ。そこで白羽の矢が立ったのが、著名バーテンダー・鈴木敦氏だ。
鈴木氏は、アメリカ・イギリス、カナダなどで経験を積み、上海にいた2017年には中国代表としてカクテル世界大会初のチャンピオンに輝いた。帰国後は「The SG Group」グループマネージャーを務めた後、渋谷に「The Bellwood」をオープン。世界のバーランキング「World’s 50 Best Bars」に名を連ねる、世界的に有名なカクテル・クリエイターだ。
○クラシックを再構築した新しい一杯を五感で。
さっそく「SummerFall Classic」使用の「Jasmin Pop Bellini」1,200円を味わってみた。スパークリング日本酒に桃やホワイトペッパー、ジャスミン、そしてフランス生まれの白ワインベースのリキュール「リレ ブラン」を加えたカクテル。
比較的有名なカクテル「ベリーニ」は、筆者もこれまで何度か味わったことがあるが、想像以上に軽い味わい。ジャスミンと桃のフレッシュな香りが押し寄せたかと思うと、柑橘系の香りも芳しい。最初のひと口目から華やかな香りに包まれてとても幸せ。飲みやすいが希薄な印象は全くなく、深い味わい。
カクテルと言えば「ダイキリ」、「マティーニ」なども有名だが、そういったクラシック・カクテルの名の付くお酒もある。例えば「Tropic Daiquiri」1,800円は、ココナッツ・ラムをベースに、ヴェルモットやバナナも使用。アルコール度数は約20%。ダイキリらしい南国風イメージはそのままに、味わいは斬新。鈴木氏が考案しただけあり、カクテル好きの玄人でも楽しめる。
今回のコラボレーションで一番苦労した点を鈴木氏はこう語る。
2025年1月に日本上陸したスパークリングSAKE「SummerFall」は、米国ではすでに400店舗、日本では累計1万店での販売が間近に迫る勢いだ。「SummerFall TAP COCKTAILS」はそんな躍進中のブランドを “体験できる場”となる。 今回の試飲会にはブランドデザインや新店のロゴなどを担当した、ロサンゼルスのクリエイティブエージェンシー「Dayjob」(デイジョブ)も駆けつけた。
彼らのデザインには70年代のゲーム的モチーフが取り込まれていてSNS映えする。遊び心とともに “軽やかさ・手軽さ”をビジュアルに落とし込んだ。「酔い過ぎたくない、でもお酒の時間は楽しみたい」という現代の若者のニーズを意識した、従来の日本酒イメージとは一線を画す「WAKAZE」のブランド戦略にもさらに注目が集まる。
かつて文豪ヘミングウェイが愛したバー文化は時代とともに変わり、今やZ世代に響く“開かれた日本酒バー“として進化。稲川氏は「お客の半分以上は女性客になるのでは? 」と想定している。バーは常に“時代を写す鏡”。
【店舗情報】
SummerFall TAP COCKTAILS(サマーフォール タップ カクテルズ)
所在地:東京都渋谷区宇田川町42-4
規模:17坪・スタンディング含め最大30人前後
想定平均客単価:約2,500円(2杯+1品)※軽く1杯だけの利用も可
営業時間:17:00~翌25:00
定休日:月曜











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