「サプリを飲んでいるから大丈夫」「この食品を食べればがんにならない」──そんな情報を信じていませんか?

内科医の中路幸之助先生が警告するのは、がん予防に関する誤った情報に踊らされないことです。特定の食品やサプリメントだけで「がんを確実に防ぐ」ことはできないと、先生は強調します。


今回のテーマは「誤解されやすいがん予防の情報と、正しい向き合い方」です。
ビタミンや抗酸化サプリメントの落とし穴

ビタミンや抗酸化サプリメントで「がんを確実に防ぐ」ことはできないと、中路先生は話します。それどころか、高用量のベータカロテンが喫煙者の肺がんリスクをむしろ高めた研究例もあるそうです。

つまり、「体に良さそう」というイメージだけで大量に摂取することが、かえってリスクを高める可能性があるということ。サプリメントは足りない栄養を補う程度にとどめ、「サプリで帳尻を合わせればいい」という発想は避ける必要があります。

「〇〇を食べればがんにならない」といったメッセージも、多くは小規模な研究や動物実験レベルにとどまっていると中路先生は指摘します。

現実的な推奨は、「バランスの良い食事+適正体重の維持+適度な運動」をセットで続けること。つまり、特定の食品に頼るのではなく、生活全体を整えることが大切だということです。
「がんはほとんど遺伝」という誤解

「がんはほとんど遺伝だから、生活を変えても意味がない」そう思っている方も多いかもしれません。しかしこの考えは誤りだと中路先生は指摘します。研究によると、喫煙・飲酒・肥満・運動不足といったリスク因子を避けるだけで、全がんの3~4割は防げた可能性があると報告されています。

つまり、日々の生活習慣を整えることが、将来のがんリスクを大きく左右するということ。
特に30~40代は、数十年後のがんリスクを左右する「土台作り」の時期なのです。

大切なのは、「〇〇をすればがんにならない」というゼロか百かの思考ではなく、「がんになる確率をできるだけ低く保つ」という考え方だと中路先生は強調します。特効薬を探すより、今日の生活習慣を見直すことが、最も確かながん予防への第一歩となるでしょう。

○中路 幸之助(なかじ こうのすけ)

1991年、兵庫医科大学卒業。兵庫医科大学、獨協医科大学での勤務を経て、1998年に医療法人協和会に入職。2003年より現在まで、医療法人愛晋会 中江病院 内視鏡治療センターにて臨床に従事。専門はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。学会活動および論文執筆にも積極的に取り組んでいる。【資格・役職】日本内科学会 総合内科専門医・指導医/日本消化器病学会 専門医・指導医・学会評議員/日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医・学術評議員/日本消化管学会 代議員・近畿支部幹事/日本カプセル内視鏡学会 認定医・指導医・代議員/米国内科学会(ACP)上席会員(Fellow)

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