皇居では、昨春より「皇居を巡る謎解きの旅 with QuizKnock」が実施されているのをご存知だろうか?皇居東御苑を周遊しながら、自身のスマートフォンを使ってチャレンジする、全10問の謎解きゲームとなっている。予約は不要、参加費は無料。
折しも、2026年春の皇居乾通り一般公開(3月21日~3月29日)が行われている。この機会に、桜を愛でながら皇居で謎解きに興じてみるのも良いだろう。

○皇居東御苑の歴史と自然、そして新たな情報発信

宮内庁広報室の担当者に詳しい話を聞きながら、実際に皇居東御苑を散策してきた。そもそも皇居東御苑とは、天皇皇后両陛下のお住まいがある皇居の中の庭園。かつての江戸城の中心部分にあたり、ほぼ1年中、一般に無料公開されている。園内では江戸城の遺構や、四季折々の樹木・草花を楽しむことができる。なお毎週月曜日と金曜日(祝日の場合は開園)、年末年始(12月28日~1月3日)、天皇誕生日は休園しているほか、行事等の関係で臨時休園になることもあるのでウェブサイトでご確認を。

宮内庁では近年、公式ウェブサイトのほかInstagram、YouTubeなどのツールを使った、情報発信の新しい形に取り組んでいる。「皇居を巡る謎解きの旅 with QuizKnock」も、昨年(2025年)3月より開始した新しい試み。QuizKnockを運営する株式会社batonと宮内庁が共同でクイズを作成し、皇居東御苑の10か所に「謎解き問題」の看板を設置した。

気になるのは、クイズの内容。宮内庁広報室の担当者によれば、天皇皇后両陛下を始めとする皇室の方々のご活動等に関する内容が出題されているという。


「皇居東御苑には、令和7年は約200万人の方に来園いただいています。都心にありながら緑のあふれる散策スポットとして幅広い層に親しんでいただいていますが、謎解き問題を通じて、天皇皇后両陛下を始めとする皇室の方々のご活動や皇室に伝わる文化、皇居等について理解を深めていただけたらと考えました」と担当者。謎解きにチャレンジする人の入園も増加しているようです、と明かす。

○番所跡に立派な石垣、庭園には希少な鯉も

このあとも「謎解き問題」の看板を探しつつ、しばらく園内を散策した。大手門を入ってすぐの場所に設置されているのは、江戸城の番所(警備詰所)跡の百人番所。そのそばにある同心番所の屋根瓦を見てみれば、葵の御紋(三つ葉葵、徳川家の象徴)、菊の御紋(十六八重表菊、天皇家・皇室の紋章)の両方が使われているのが分かる。

そして園内のあちらこちらで目を奪われるのが、大きくて立派な石垣。整然と美しく積まれている姿から、当時の土木技術の精度の高さが伺い知れる。

二の丸庭園の池には、上皇陛下の御発案による、インドネシアのヒレナガゴイと日本の錦鯉を交配して生まれたヒレナガニシキゴイが優雅に泳いでいる。

○咲き継ぐ約30種の桜、長く楽しめる皇居東御苑の春

急勾配の汐見坂を息を切らしながら登り切ると、楽部庁舎と桃華楽堂が見えてくる。やがて辺りには一面の芝生が広がるが、ここに大奥があったという。その向こうには、天守跡。


皇居東御苑には30品種ほどの桜が植えられており、各々咲く時期が異なるため、長い期間訪れる人の目を楽しませてくれるとのこと。筆者が訪れた3月中旬には、コヒガンザクラ、リュウキュウカンヒザクラが見頃を迎えていた。

園内は広大なため、大人の足でも散策に1時間は要する。ただ腰を掛けるベンチも多く、所々に休憩所もあり、本丸大芝生などは自由に入って座ったり寝転がったりできる。適宜、各所で休むと良いだろう。ちなみに園内は飲食可(アルコールは不可)だが、ゴミ箱は設置していないので持ち帰りが必須となる。というわけで、筆者も本丸休憩所でひと休み。脇の建物には寛永期の江戸城の天守を1/30のスケールで復元した模型が設置されていた。

○「春季皇居乾通り一般公開」に合わせて、楽しんでみては?

冒頭にも触れた通り、今年の春の皇居乾通り一般公開は3月21日から3月29日まで。ということで、そちらの情報もお伝えしたい。皇居を南北に走る乾通りは、桜と紅葉の時期だけ一般公開している。通り沿いには約100本の桜の木が植えられており、歩いて眺めることができる。
なお、乾通りは、皇居東御苑とは異なるエリアに位置しており、坂下門から参入し、約750m先の乾門から退出する一方通行だ。

最後に再び、宮内庁広報室の担当者に話を聞いた。年々、増えているという皇居東御苑の来園者。若い10代~30代の来園者も増えた実感があるという。「最近では、若い方々が訪れている姿も珍しくなくなりました」。

皇居という場所に、少しだけ距離を感じていた人にこそ体験してほしい。桜の季節、そして期間限定の公開が重なるこの春は、その第一歩として絶好のタイミングと言えるだろう。
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