ふたたび泥沼に瀕しているエンゼルス。ロケットスタートを切ったシーズン序盤の勢いは、早々となくなっている。

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 一時は首位に立っていた勢いはどこへ行ったのか。エンゼルスが“急失速”している。

 現地時間4月28日に本拠地で行われたツインズ戦も、現在の不調ぶりを象徴するような展開となった。0-5とリードされた5回裏にジョー・アデルの適時打とルイス・レンフィーフォの2ラン本塁打などで1点差に詰め寄るも投手陣が踏ん張り切れず……。7回に4点、8回に2点をそれぞれ失って、終わってみれば、5-11での大敗を喫した。

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 これで4連敗となったエンゼルスは、18日のレイズ戦から数えて、ここ10試合で1勝9敗。

とりわけ大谷翔平(ドジャース)が所属した当時から懸案となっていた投手陣の状態は深刻で、直近5試合で38失点と“投壊”を防げていない。

 一時はア・リーグ西地区首位に立ったが、その勢いは完全にしぼんだ。無論、左ハムストリングに重度の部分断裂が発見されたアンソニー・レンドーンの長期離脱など主力の故障による戦力ダウンによる影響は計り知れない。しかし、地元メディアでは、今オフに大谷をFAで流出後に大きな補強を施さず、育成にも力を入れる様子もない首脳陣にメスが入れられている。

 日夜、エンゼルスの情報を発信し続け、同球団をこよなく愛している米専門サイト『Halo Hangout』は「近年のエンゼルスのフロントには忍耐力が備わっていない」と糾弾。「エンゼルスは過去数シーズンにわたって、トッププロスペクト選手の何人かに対して辛抱強い育成をしてこなかった。

それが明らかに災いを招く元凶となっている。この悪い習慣が修正されず、マイナーの人材プールも枯渇している」と断じた。

 また、地元紙『Orange County Register』は「エンゼルスの投手陣は大苦戦を余儀なくされている」と、やはり通年の課題に着目。「ロン・ワシントン(監督)は惨めな野球のマンネリ化から抜け出すために、選手たちと4週間に2回もチーム会議が必要になるとは計画していなかったはずだ」と皮肉り、指揮官の言葉を紹介している。

「選手たちがどれだけ一生懸命にやっているかはよくわかっている。しかし、現状に私は失望しているし、彼らも失望している。

我々はもっと改善しなければならない。チームには、チームメイトを信じ、利己的になるのをやめてくれと言っている。そうは言っても、野球というゲームにおいてはそうなってしまう時がある。そういう物事が思い通りに進まないときに、自分を憐れむ必要はない。だから私たちは、今やっていることをやり続けるしかない」

 はたして、百戦錬磨の名伯楽の言葉はチームにどう響いているのか。ふたたび上昇気流に乗るために、エンゼルスの暗中模索の日々は続きそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]