ダルビッシュは節目の日米通算200勝を達成した(C)Getty Images

 圧巻の投球だった。 

 パドレスのダルビッシュ有は現地時間5月19日(日本時間20日)に行われたブレーブス戦に先発。

7回99球を投げ2安打無失点、9奪三振の好投で節目の日米通算200勝を達成した。

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 日米通算200勝は野茂英雄氏、黒田博樹氏に続く3人目の快挙となった。

 初回、打線に3点の援護をもらうと、3回までは毎回、走者を背負いながらも粘りのピッチング。4回からは4イニング連続三者凡退と得意のナックルカーブなど緩急を使った投球術で強力ブレーブス打線を封じ込めた。

 ダルビッシュは2004年ドラフト1巡目で日本ハムに入団、そこからキャリアをスタートさせ、日本球界では07年に12完投を含む15勝をマークし沢村賞を獲得、09年から2年連続で最優秀防御率のタイトルを獲得など、日本ハムで93勝、メジャーではレンジャーズ、ドジャース、カブス、パドレスと渡り歩き、計107勝を積み重ねた

 プロ20年目の節目で記念の200勝を達成したことには次のように話した。

 「プロ入ったときに色々あって、その中でファイターズとファイターズファン、日本全体ですね。

自分を優しく育ててくださったので、元になっている。その感謝を忘れずにずっとやっています」とキャリアのスタートとなった日本ハムファイターズへの感謝の気持ちを口にした。

 昨年のWBCではチームのまとめ役として細かいケアも行い、世界一奪還の立役者となったことも記憶に新しい。今や日米球界含め、多くの選手が慕う”兄貴分”としても存在感を高めているとあって、ひそかに注目されるのはこの先のキャリアにもある。

 現在所属しているパドレスとは2028年シーズンまでの契約を結んでおり、42歳までの長期契約となっている。

 その後のキャリア形成に関して古巣の日本ハムに復帰することはあるのか。

この点について、ダルビッシュは今年、韓国で行われた開幕シリーズ直後に放送された番組で注目発言を行っている。

 3月23日放送の「バース・デイ」(TBS系列)に出演した際に古巣・日本ハムへの復帰願望を口にするシーンがあった。番組では、ダルビッシュが自身4度目の開幕マウンドに上がったドジャース戦についてレポート。

 その中では、日本ハム時代にバッテリーを組んだ鶴岡慎也氏との対談の様子も映し出された。鶴岡氏に「最後、日本でプレーしたい気持ちは?」と聞かれると、「ありますよ」と即答。続けて「ファイターズのユニホームをもう1回着たい気持ちは絶対にありますし、自分がここ(MLB)にいる理由の一つなので。

その気持ちはあります」とファイターズ愛を熱弁するシーンがあった。

 節目の200勝を飾った試合後インタビューでも、野球選手としてのキャリアをスタートさせた日本ハム球団、またファンに対し、感謝の気持ちを示していたダルビッシュ。

 同番組内では鶴岡氏から指導者への意欲も聞かれて「できる日のために準備はしてます」とこちらも明快に応えていた。

 ダルビッシュがいつか選手としてプレー、また監督となって日本ハムの指揮を執る、そんな日がめぐってくれば、まさにファンにとっては夢プランとなるだろう。

 野球、トレーニングに対する探求心、またコーチングにおいても、積極的に発言しているとあって、名指導者となることは予想がつく。何よりメジャーで学んだことを還元となれば、日本球界にとっても大きな財産となることは間違いない。

 今後も快投を期待しつつ、この先のダルビッシュ流のキャリア形成の行方も楽しみにしたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]