開幕投手も務める今永を放出する手はないだろう(C)Getty Images

 『CBSスポーツ』はメジャーリーグで来オフにフリーエージェント(FA)となる可能性を秘めた選手について特集した。契約破棄できるオプトアウト条項を持つ選手や、球団あるいは選手側に契約延長の選択権があるケースなどさまざま。

10人の選手の名前が浮上したが、日本選手でただ一人含まれたのがカブス・今永昇太だった。

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 今永はDeNAからポスティングシステムを申請し、昨年1月にカブスと契約を結んだ。出来高などが複雑に設定されており、最低保障は4年総額5300万ドル(約80億円)だ。ただ、2024年の年俸は900万ドル、2025年の年俸は1300万ドルで、今季終了後に一つの分岐点を迎える。

 カブス球団側は、2026~2028年の3年総額5700万ドル(約86億円)の契約延長選択権を持つ。球団側がこの選択権を行使しなかった場合、今度は今永が2026年に関して年俸1500万ドルでの契約延長選択権を持つことになる。今永自身もこの選択権を行使しないと、FAとして市場に出ることになる。

 今永が来オフにFAとなる可能性について、『CBSスポーツ』は「複雑な状況だ」と判断している。「フロントオフィスや代理人たちは退屈しないように、自分たちを楽しませるために時に複雑な契約構造を考え出す」と皮肉っぽく書き出して、今永の複雑な契約延長権の仕組みについて解説。全てを示した後に「全て分かりましたか?」と読者に投げかけた。

「イマナガがFAになるためには、いくつもの出来事を経ないといけない。賭けるなら、FAにならない方にすべきだ」

 結果的には、FAとなる可能性は低いとも指摘した。

ルーキーイヤーの昨季は29試合に先発し、15勝3敗、防御率2.91という素晴らしい成績を収めた。オールスターに選出され、新人王の投票では4位に入り、サイ・ヤング賞の投票でも5位に入った。

「もし、同様の活躍を今季もみせれば、カブスは間違いなく球団側の契約延長選択権を行使するだろう」

 2026年から3年総額5700万ドルの契約延長選択権は、単年あたりの平均年俸では1900万ドル(約29億円)となる。昨季同様の数字を残す投手の年俸としては破格の安さで、カブスが手放すわけもないというわけだ。逆に大きな故障や、2年目のジンクスに襲われるようなことがあれば、その限りではなくなってくる。

 日本でドジャースとの開幕シリーズを迎える今季は、すでに開幕投手にも指名された31歳の左腕。愛するシカゴでキャリアを順調に積み重ねていくためにも、まずは順調な滑り出しを迎えることが望まれる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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