バイエルン戦で異彩を放った前田。(C)Getty Images
日本の韋駄天は、欧州屈指の名手たちを愕然とさせた。
今シーズンの前田は、公式戦39試合で25ゴール、9アシストを記録。開幕から目に見える形で結果を残し、国内外で注目度を高めている。とりわけ圧巻だったのは、チャンピオンズ・リーグでの活躍だ。ドイツの強豪バイエルンとの決勝トーナメント・プレーオフでは、第1戦で得点を決めると、第2戦ではアシストをマーク。チームは敗れたものの、しっかりと存在感を示した。
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2試合を通じて脅威であり続けた。そんな前田の活躍は、超名門の名手たちを慄かせていたという。英紙『Daily Mail』によれば、セルティックのCBであるキャメロン・カーター=ヴィッカーズは、試合後にトッテナム時代に共闘したバイエルンのエリック・ダイアーと会話を交わした中で「第1レグが終わってからバイエルンの全選手が彼(前田)について話していた」と告白。その事実を「クレイジーだ」と伝えた。
カーター=ヴィッカーズ曰く、バイエルンがとくに警戒していたのは、前田の走力。エネルギッシュにピッチを駆け回り、捕まえきれなかった日本代表FWに名手たちも脱帽していたという。
「彼の走りっぷりや、どれだけのエネルギーを試合で出しているかについてを話していた。信じられないよ。向こうの選手たちは第1レグ終了後にロッカールームで走りに関するスタッツをもらったらしいんだ。そこでみんなが話題にしたのが、彼(前田)のハイスピードでの走行距離だった」
さらに前田について「働きぶりが素晴らしい。DFたちを上回り、常に動いていて、とらえるのが難しい。彼は脅威だ」と称賛するカーター=ヴィッカーズは、「ただ、僕はあまり驚いていないよ」と続ける。
「今の彼がピークにあるのは間違いない。フィットネス的なことかどうかは分からない。僕らは、ハイスピードでの走行やスプリント距離に関するデータを貰うんだけど、彼はいつもトップ。走力や能力という点で、肉体的にあれほどのレベルの選手が他のチームにいるか分からない。もともと彼に備わっている唯一無二のものだ。あれだけハードワークする選手を見れば、自分もシフトを入れたくなるのは間違いない」
スコットランドに渡って3年で、声価を高めている前田。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]