ヤクルトとのオープン戦で田中将は甲斐とバッテリーを組んだ(C)産経新聞社

 「サンデー・マー君」誕生となるのか。巨人・田中将大が3月2日、ヤクルト戦でオープン戦2度目の登板に臨んだ。

新たな本拠地・東京ドームの大声援に迎えられ、先発マウンドへ。予定されていた2回を22球、打者8人で2安打無失点と無難に抑えてみせた。

【動画】復活が待たれる「神の子」の快投 田中将大の変幻自在投球をチェック

 初回先頭の赤羽由紘に中前打されたものの、後続はいずれもフライアウトで片付けた。4番・村上宗隆は高めの143キロ直球で左飛に打ち取った。2回は1死から濱田太貴にスプリットを捉えられて左翼への二塁打とされたが、内山壮真と松本直樹を続けて内野ゴロに仕留めた。

 直球の最速は145キロで、三振はなかった。出力を含めて今後のビルドアップが必要ではあるが、2月24日の那覇でのロッテ戦に続いての無失点投球。その前回のオープン戦初登板からは中5日という登板間隔だったが、問題なくステップを踏んだ。

 巨人の開幕ローテーションは戸郷翔征、山崎伊織、井上温大、グリフィンの4枚までが当確。残る2つの椅子を赤星優志、堀田賢慎、田中瑛斗、横川凱、京本眞、石川達也、西舘勇陽ら若手と争っている。ここで気になるのが今回「中5日」というベテランにはイレギュラーな登板間隔で登板日が日曜日にずれたことと、先日の阿部慎之助監督の発言だ。

 2月21日に更改されたYouTube『日テレスポーツ』の月間巨人軍監督日記2月号において、阿部監督は高橋由伸氏の問いに応える形で、キャンプ中盤での開幕ローテーション構想を明かしている。

その中で開幕3戦目の日曜日の先発に、田中将の名前を挙げていた。

 「現時点でこうなってほしいなという理想ですけどね」と前置きした上で、「日曜日に投げてくれたらうれしいなと思いますし、中継ぎ全投入できますし」と語っていた。日曜日で回れば、翌日の月曜日は休日となることがほとんどのため、救援投手を惜しみなくつぎ込むことができる。仮に短いイニングになったとしても、中盤までしっかりゲームメークしてもらえれば、勝ちにもっていける。ライデル・マルティネス、大勢という強力な切り札を2枚そろえているからこその、構想でもある。

 田中将の今後の調整方法は現時点では不明だが、仮に先発投手の通常の登板間隔となる中6日での登板でビルドアップしていけば、開幕3戦目の日曜日、3月30日のヤクルト戦(東京ドーム)が公式戦デビューとなる可能性もある。その後も日曜日は毎週試合が組まれているので、「サンデー・マー君」として毎回安定したローテーションで比較的楽に調整していくことができる。投球フォーム改造による復活へ、最初の一歩は刻んだ。ホップ、ステップ、ジャンプと決めていくことができるか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

編集部おすすめ