選手たちの父親のように振る舞うロバーツ監督。そのコミュニケーション術は高く評価されている。

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 史上最大の補強はまだまだ続くのか。現地時間3月6日、米スポーツ専門局『ESPN』は、ドジャースがデーブ・ロバーツ監督との契約延長に「合意間近だ」と報じた。

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 ドジャースは、今季が3年契約の最終年となるロバーツ監督と2月に入ってから本格的な交渉をスタート。パッケージ内容こそ不透明だが、監督史上メジャー最高額となることが予想されるという。これまでの最高額は、カブスがクレイグ・カウンセル監督と結んだ5年総額4000万ドル(約60億円)。単年ベースでは800万ドル(約12億円)で、それを上回る規模が見込まれる。

 契約延長を交わせば、大きな補強となる。2016年からドジャースの指揮を執るロバーツ監督は、過去9年で8度の地区優勝を誇り、2度(2020年、2024年)のワールドシリーズ制覇に導いた名将だ。

 何よりも選手とのコミュニケーションを重視した人心掌握術が高く評価されている。豊富な資金力を誇るドジャースは、FA市場で優れたポテンシャルを持ったスター選手を獲得でき、戦力は十分に揃う。それだけに個々がどれだけ快適にプレーし、持ちうる能力を発揮できるかに掛かっている。その上でロバーツ監督のマネージメント術は、今のチーム編成に大いにフィットしていると言えよう。

「ロバーツとドジャースは2月の頭から、新たな契約について真剣に話し合ってきた。チームは来週の水曜日に開幕シリーズへ向けて日本に出発するが、その前に新たな契約を結ぶと予想されている」

 米国内で大きなネットワークを持つ『ESPN』はそう伝えた。まさに黄金期を迎える“銀河系軍団”が、シーズン開幕前に本腰を入れるあたりにもロバーツ監督の人望の厚さが伺える。

 ロバーツ流のコミュニケーションといえば、先日の大谷翔平とのやり取りが思い出される。

 今春のキャンプ序盤、先に仕掛けたのは大谷の方だった。球団施設内の駐車場に停めてあった指揮官の愛車とすり替えて子ども用の小さなポルシェを配置。球団SNSでは「私の車はどこだ?」と戸惑い苦笑いを浮かべるロバーツ監督の姿が伝えられた。

 ただ、指揮官はしっかりやり返した。現地時間2月28日のオープン戦後に大谷の愛車内に大量のカラーボールを設置。ドアを開けた瞬間にそれらがこぼれ出し、「これでタイだ」と大谷も苦笑いを浮かべるしかなかった。

 こうした選手との距離感の取り方や、モチベーターとしての手腕は稀有だと言えよう。

 このオフのドジャースは、佐々木朗希に始まり、ブレイク・スネル、タナー・スコットら、昨オフに負けない大型補強に成功した。

多くの米メディアは「残るミッションはロバーツ監督との契約延長だけだ」と口をそろえていたが、そのラストピースもいよいよ発表の時が迫っているようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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