今永は4回ノーヒットのまま降板した(C)Getty Images
注目を集めた日本人投手対決はドジャース・山本由伸に軍配が上がった。
18日に「MLB 東京シリーズ byグッゲンハイム」が東京ドームで行われ、ドジャース、山本は5回3安打1失点、自身初、日本人選手では4人目となるメジャー開幕戦において勝利投手となった。
【動画】今永昇太VS大谷翔平 東京ドームで日本人対決が実現
一方のカブス・今永昇太も注目された大谷翔平との対決、初回の第1打席、約150キロの直球でニゴロに封じるなど力投を見せた。3回も二直に打ち取るなど、これで大谷との対戦は昨年から続き7打数ノーヒットと完ぺきに封じている。
またこの日は今永の降板時期をめぐって、大きな議論を呼んだ。
4回69球、2奪三振4四球、無安打無失点のまま降板。カブスのクレイグ・カウンセル監督は試合後、70球が降板目途だったと"予定通り"としたが、5回から後を継いだ2番手のベン・ブラウンが打ち込まれ、逆転を許したとあって、直後から「なんで交代したんだ」と、カブスの采配に日米のファンの間から疑問の目が向けられた。
一方、メジャーはシーズン160試合以上を戦うとあって、選手のコンディション管理には非常に気を使っている。先発投手においては中4日などで投げ続けるとあって、投げるイニング、球数は厳密に決められている背景もある。
今永にしても1点をリードして迎えた4回は先頭のテオスカー・ヘルナンデスにフルカウントから四球を与え、一死一塁から再びマックス・マンシーを追い込みながらも四球。二死一、三塁と一打逆転のピンチを迎えるシーンもあった。この時点でベンチはブルペンとやり取りしており、マイケル・コンフォートを左飛に打ち取って、この回も無失点に抑えたが、得点シーンにつながるかは紙一重だった。
今回の東京シリーズではドジャースではムーキー・ベッツが体調不良で帰国、フレディ・フリーマンも左わき腹痛のため、試合直前にスタメン回避とアクシデントに見舞われている。通常の開幕より早い時期に投げていること、日米の移動など含め、体にも負荷がかかっていることを考慮すれば、指揮官がストップをかけた点に対し、米メディアからも理解を示す声もあがっている。
メジャーのチームトップにおいては常に選手のコンディション管理と勝利を両立させる難問を抱えている。今回の今永の降板も長いシーズンを終わったときに答え合わせができるかもしれない。
いずれにせよ、ルーキーイヤーで15勝3敗、防御率2・91の圧巻のパフォーマンスを残した今永のメジャー2年目のシーズンが幕をあけた。「投げる哲学者」ともいわれる左腕が今季は経験を生かして、どんな成長を見せてくれるのか。引き続き、注目の存在となりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]