政府と財閥との癒着による事件が問題となっている韓国。政治スキャンダルが、韓国経済に大きな影響を及ぼしている。

巨大財閥サムスンが利益6割減というニュースを紐解きながら、財閥の経営不振と韓国経済の現状を探る。

サムスン電子の経営危機・・・韓国経済に影響を及ぼしている政府...の画像はこちら >>

サムスン電子の経営危機

韓国の主要産業に半導体産業がある。韓国の半導体の輸出は、実に総輸出の約20%を占めているそうだ。米中貿易摩擦の影響で、2018年を機に韓国の半導体の輸出が激減、前年比で3割減となった。その代表企業がサムスン電子である。

サムスン電子は対中の売り上げも激減しており、2019年の上半期の売り上げは、前年同月比で34.9%減を記録した。これにより、かつては好調だったサムスンのスマートフォン事業は2019年内に中国から撤退することが決定。

中国は世界最大のスマホ市場であることから、サムスンにとって大きな痛手となった。2018年12月のスマホ事業の営業利益は、2013年の同月比で60%減を記録している。

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『崔順実ゲート事件』はサムスンを大きく左右する

『崔順実ゲート事件』は、朴槿恵(パク・クネ)元大統領と実業家の崔順実(チェ・スンシル)の間に起こった、機密漏洩などの政治的スキャンダルだ。

サムスン物産企業再編の際、大統領の指南を受けたという疑惑が浮上し、裁判となっている。

2019年8月、韓国最高裁は朴槿恵被告やサムスン副会長の李在鎔(イ・ジェヨン)被告の判決を一部破棄し、高裁に差し戻す決定をした。差し戻し審となるため、サムスングループの事実上のトップ李在鎔被告は判決によっては実刑を受ける可能性もある。

トップ不在となれば経営に大きな影響が出るだろう。

財閥の贈収賄問題

巨大財閥サムスン『崔順実ゲート事件』を発端に、SKグループによる崔順実が運営するミル財団への賄賂が発覚。同じくロッテワールドの賄賂も発覚し、会長の辛東彬(シン・ドンビンは実刑判決を受けている。ロッテグループは韓国では弟の辛東彬、日本法人では兄の辛東主(シン・ドンジュ)が実権を握っており、経営権を巡る争いも加わって、韓国ロッテの経営が不安定になっている。

こうしてみてみると、韓国の大財閥がいかに韓国の政治にかかわっているか、韓国経済が韓国財閥によるいかに経済影響を受けているかが分かるだろう。財閥に支えられている韓国経済の命運はいかに。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]