私たち日本人にとって身近で有能なスパイスといったら何を思い浮かべますか?料理が苦手な人のキッチンにさえありそうなアレ。ラーメン屋さんのカウンターでよく見かけるアレ。
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●スパイスの王様
日本で最もポピュラーなスパイス、コショウ。「スパイスの王様」と呼ばれるほどのスパイス界の重鎮です。その歴史は古く、原産地のインドで古代から主要な輸出品として生産されていたそう。15世紀半ばから17世紀半ばのヨーロッパで貿易が盛んだった大航海時代には金と同価値で取引されるほど貴重な食材でした。
コショウにはブラックペッパー、ホワイトペッパー、グリーンペッパーなどの種類がありますが、実は同じコショウの実で、収穫時期や加工方法が違うだけなのです。その中でも「ブラックペッパー」は特にシャープな香りや辛味が魅力。完熟する前のコショウの実を果皮ごと乾燥させており、表皮が残っているので強い香りと辛味が味わえるのです。
●香りが違う!ミルで挽き立て
風味を楽しむスパイスは挽き立てが最高。ブラックペッパーは、プラスチックのミル付き容器入りがスーパーやインターネットなどで300円前後から販売されています。また、最近では家庭用の電動ミルをお持ちの方も増えているようです。
●消化を助ける!弱った胃腸の救世主
特に注目したいのが、辛さの元であるアルカロイドの一種「ピペリン」。身体をあたためて血管を広げて血の巡りを良くする、寒い季節や日頃から冷えを感じている方にぴったりの成分です。さらに、胃腸が弱っているときにブラックペッパーのような刺激物はご法度なイメージがありますが、実は身体の内部を温めるピペリンは、胃腸の働きも助けてくれるのです。飲み会が続いて胃腸が弱っているな…と感じたら、卵雑炊や軟らかく煮込んだうどんに、ブラックペッパーをパッパッ、ガリッガリッ。消化を促し、お疲れの身体をじんわりと温めてくれますよ。もちろん、摂りすぎると逆に胃腸へのダメージになるのでご注意を。
●実は、おふくろの味と好相性
日々の家庭料理ですでに大活躍のブラックペッパーですが、ちょっと変わり種も紹介。それが「煮物」。切り干し大根や、おから炒り、きんぴらゴボウなど、いわゆる「おふくろの味」といわれる、醤油味の料理と相性がいいんです。ピリッとした刺激でお酒のお供にも。美味しく作るコツは、砂糖やみりんなどの甘味を控えめにすること。ブラックペッパーの香りで醤油の量も少なくてすむので、カロリーダウンや減塩にもつながりますよ。
【監修】
スポーツクラブNAS
管理栄養士
市谷 直美
「文:けんこうフィットNEWS 」
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