大手電力7社の家庭向け規制料金値上げが話題になるなか、この夏の電気代が気になっている人も多いのではないだろうか? 今年の3月にパナソニックが実施した調査では、昨今のインフレにより節約への関心が昨年より高くなった人が84%にのぼったという。そこで今回は、エアコンの使用頻度が増える夏に向けて、プロが教える電気代の節約術を紹介したい。
■フィルター掃除が電気代の節約に
今回紹介するのは、エアコン節電の達人・福田風子氏による節約術。電気代は抑えつつ、うだる夏の暑さを快適に過ごす方法となっている。
まず、エアコンを使用する前に、フィルターの状態をチェックしておくことが大切だ。室内機のフィルターにホコリがたまると目詰まりし、空気を取り入れる量が減少。その結果、エアコンは必要な空気を確保しようとして余計なパワーを消費する。
パナソニックの実験によると、1年間掃除をしない場合は掃除をした場合に比べて最大約25%も電気料金が無駄になってしまうという結果も。フィルター掃除をすることで、年間約8000円以上も電気代を節約できるそうだ。
次に、エアコンの風量と温度をなるべく上げることも重要。環境省によると、夏の冷房時に温度を1度高くすると、約10%の消費電力が削減。そして風量は、設定温度に至るまでに時間がかかる“微風”よりも、“自動運転”がおすすめだという。冷房の温度を1度上げ、風量を上げることで、年間約1400円以上の節約が目指せる。
また、扇風機やサーキュレーターとの併用も効果的だ。
■冷房は“つけっぱなし”がお得?
続いて、エアコンの稼働状況について紹介。冷房使用時において、住宅の断熱性や環境によるものの、外気温が35度以上の猛暑日は室温が上昇しやすい。エアコンはこまめに入れたり切ったりするのではなく、“つけっぱなし”がお得だ。ただし外気温が30度程度までであれば、室内温度はそこまで上がらないため“こまめに消す”運転のほうが電気代の節約につながる。
そして、室外機の環境も定期的にチェックしよう。室外機の周辺に物を置いていると、エアコンの冷房効率が大きく低下することがある。加えて、ホコリや落ち葉などのごみがたまると熱交換の効率が下がり、消費電力が上がってしまう懸念も。強風の日や台風の後は注意が必要だ。
福田氏によると、これらの節電術と併せてエアコンを上手に使えば、年間1万円以上の節約が可能になる。暑い夏にエアコンは欠かせないもの。