2024年春に東京ディズニーシーにオープンする8番目の新テーマポート「ファンタジースプリングス」のメディア向け工事現場視察会が行われ、アトラクションの施設名称など詳細が発表された。

■「ファンタジースプリングス」とは

 ロストリバーデルタとアラビアンコーストの間にできる新しい道を進んだ場所に位置する「ファンタジースプリングス」は、ディズニー映画を題材とした3つのエリアである「フローズンキングダム」(『アナと雪の女王』をテーマとしたエリア)、「ラプンツェルの森」(『塔の上のラプンツェル』をテーマとしたエリア)、「ピーターパンのネバーランド」(『ピーター・パン』をテーマとしたエリア)と、1つのディズニーホテル「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」で機成された新エリア。



 “魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界”をテーマとする総開発面積約14万平方メートル(うち、テーマパーク、ホテルエリア約10万平方メートル) にわたるエリアに、アトラクション、レストラン、ショップ、ホテルなどの新しい施設が導入される。

 エリアに入り、まず目に入ってくるのは、美しいロックワーク。ピーターパンなどエリアの印象的なキャラクターを岩にデザインしたアートが、ゲストをファンタジーの世界にいざなう。東京ディズニーシーの象徴的なプロメテウス火山が約2万平方メートルのところ、本エリアのロックワークは3万9000平方メートルにもおよぶ。このロックワークには、ゲストにキャラクター探しなどを楽しんでほしいという思いが込められている。

 ロックワークやキャラクターペイントなど、ゲストが視覚的に楽しめるポイントを担当するウォルト・ディズニー・イマジニアリング社のテーマフィニッシュ・クリエイティブエクゼクティブのZsolt Hormay氏によると、この美しい仕事のために、19ヵ国の国籍の人々から成る個性豊かで国際的なチームが携わっているそう。

 入り口から目を見張るような感動を覚える本エリアだが、まだまだ驚きがだくさん。ここからは今回明かされた新たな情報を、エリア別に紹介する。

■「フローズンキングダム」

 「フローズンキングダム」の舞台は、雪の女王であるエルサが雪や氷を操る魔法の力を受け入れ、『アナと雪の女王』が幕を閉じた後の幸せな世界。

 映画のストーリーをたどるアトラクション「アナとエルサのフローズンジャーニー」では、ボートに乗って、「真実の愛」が凍った心を溶かず壮大かつ心温まる姉妹の物語を、映画の名曲とともに楽しむことができる。日本以外の世界のパークにも『アナと雪の女王』のアトラクションがあるが、それとは全く別の内容になるとのこと。約6分30秒間の水流ライドタイプのアトラクションだ。


 また、アレンデール城の中には、屋内のダイニングエリアのほか、遠くにフィヨルドの崖や山が見える屋根付きの屋外ダイニングエリアがあるレストラン「アレンデール・ロイヤルバンケット」と、映画に登場するサウナ付きの山小屋の主人オーケンが経営する「オーケンのオーケーフード」がオープン。アレンデール城で食事ができるのは、世界で初めてとなる。

■「ラプンツェルの森」

 「ラプンツェルの森」には、長い髪のプリンセス、ラプンツェルが小さい頃から暮らしていた塔がそびえている。

 約5分間の水流ライドタイプのアトラクション「ラプンツェルのランタンフェスティバル」は、年に一度のランタンフェスティバルへと向かうロマンティックなボートの旅で、フリン・ライダーと恋に落ちたラプンツェルが「今までで最高の日」を過ごす道のりを追体験するという内容だ。楽曲「輝く未来」が流れる美しいシーンなどが楽しめる。

 また、酒場の荒くれ者たちが集うレストラン「スナグリーダックリング」では、さまざまな雰囲気のダイニングエリアで食事が可能となっている。

■「ピーターパンのネバーランド」

 「ピーターパンのネバーランド」は、海賊船を散策したり、隠れ家で食事をしたり、仲間と一緒に海に立ち向かう大冒険を体験できるエリア。

 「ピーターパンのネバーランドアドベンチャー」は、約6分間のライドタイプのアトラクションで、冒険心いっぱいの元気な子どもたちの集団、ロストキッズの一員となったゲストが、ピーターパンやティンカーベルとともにフック船長と海賊たちからジョンを救出するという、ネバーランドを舞台にした壮大な冒険の旅に出発する。ボートに乗り込み、ゴーグルをかけて3Dで楽しむアトラクションだ。なお、「ソアリン:ファンタスティック・フライト」や「タワー・オブ・テラー」のように身長102cm以上のゲストが利用できる。

 ロストキッズが漂流した船の残骸などを集めてつくったレストラン「ルックアウト・クックアウト」では、ネバーランドの素晴らしい景色を眺めながら食事ができる。また、「ピーターパンのネバーランド」には、ティンカーベルが暮らす妖精の谷「ピクシー・ホロウ」があり、アトラクション「フェアリー・ティンカーベルのビジーバギー」では、ゲストが、春夏秋冬 4つの季節に分かれた「ピクシー・ホロウ」のさまざまな場所に荷物や小包を配送するティンカーベルを手伝う。


 このアトラクションがユニークなのは、入り口を通ると、魔法がかかり、ゲストが妖精サイズになったように感じられる仕掛けが施されていること。約2分間のライドタイプのアトラクションとなっている。

 そのほか本エリアでは、東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテルの1階にある、パーク内からのみ利用できる商品施設「ファンタジースプリングス・ギフト」で買い物も楽しめる。

■超高級ホテルが誕生!

 それから、魔法の泉を囲むように立ち、ファンタジースプリングスの雰囲気を感じながら滞在を楽しめるパークー体型のディズニーホテル「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」も新体験が続々。

 「ファンタジースプリングス」の動植物や魔法の泉がモチーフの装飾に包まれた客室があるデラックスタイプ「ファンタジーシャトー」と、東京ディズニーリゾートで最上級の宿泊体験を提供するラグジュアリータイプ「グランドシャトー」の2棟で構成される。既存の「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」「東京ディズニーランドホテル」「ディズニーアンバサダーホテル」がデラックスタイプになるため、「グランドシャトー」では、それを超える滞在が期待できるだろう。

 また、ホテル内にはパークに面した3つの飲食施設を用意。『白雪姫』や「塔の上のラプンツェル』『眠れる森の美女』をモチーフにした絵画が飾られたブッフェレストラン「ファンタジースプリングス・レストラン」、開放感のある大きな窓が特徴的なロビーラウンジ「グランパラディ・ラウンジ」。そして「グランドシャトー」に宿泊するゲストのみが利用できるレストラン「ラ・リベリュール」も用意する。ここでは気品漂うダイニングホールから望む「ファンタジースプリングス」の景色とともに、シェフこだわりのフランス料理で、ディズニーホテルならではの至福のひと時を楽しめる。

■公爵夫人が泉に出会うBGSも

 今回の視察会にあわせ、オリエンタルランド代表取締役会長(兼)CEOの高野由美子氏が囲み取材に応じた。高野氏は、2023年6月に本役職に就任したばかりだ。


 今回の視察会では、工事真っ只中のため、まだエリアに水が流れる演出がされていないということだが、高野氏は「ここで水が流れますと本当に美しく、 さらには夜と昼とのコントラストも素晴らしい。見事に出来上がりますので、ぜひお楽しみください」と話す。

 また本ホテルにはバッググラウンドストーリーもあると言い、世界中を旅した公爵夫人が、魔法の泉に出会うという物語がベースになっているそうだ。本ホテルは、公爵夫人がその場所に自分の別荘のような家を建て、さまざまな人たちを招くうちに、いいホテルになった…というストーリーを再現している。

 ホテルだけでなく新テーマポートには、これまでの東京ディズニーシーのイメージをがらりと変える、生き生きとした自然を楽しむことが可能。「本当に世界に1つだと私たちは自負しています」と高野氏は会見中に何度も自信をのぞかせた。オープンは2024年春を予定している。

※高野由美子氏の「高」は「はしご高」が正式表記

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