BTSが火をつけた世界的なK‐POPブーム。日本では、すでに2000年代前半にはK‐POPブームが到来しており、長い時間をかけて日本の音楽業界に1つのジャンルとしての位置を確立してきました。
最近では、日本で小さい頃にK‐POPを当たり前に聞いてきた世代が憧れを抱き、「自分もK‐POPアイドルになりたい!」と自ら韓国でアイドルを目指すようにも。現在、韓国の芸能界では多くの日本人が活動しており、ここ数年でかなり増えたと感じている人も多いのではないでしょうか? K‐POPアイドルとして活躍している日本人達が増えてきた昨今。今回は、前回のボーイズ編に続きガールズ編をお送りします。(文=西門香央里)
■MINA、SANA、MOMO(TWICE)
韓国でも日本でも国民的アイドルグループという存在になった9人組の多国籍ガールズグループ、TWICE(トゥワイス)。Mnetのサバイバルオーディション番組『SIXTEEN』から選ばれたメンバーにより結成され、2015年10月20日にミニアルバム『THE STORY BEGINS』でデビューした彼女たちには、「ミサモ」と呼ばれ親しまれている、MINA(ミナ)、SANA(サナ)、MOMO(モモ)の3人の日本人メンバーがいます。
正統派美人といった印象のMINA、可愛らしく愛嬌があり韓国でもダントツの人気があるSANA、そしてメインダンサーとしてグループを引っ張るMOMOと、3人3色のバラバラの個性を持った彼女たちは、韓国で活躍する日本人女性アイドルの先駆けになったと言っても過言ではないでしょう。
「LINEリサーチ」が、今年の9月30日から10月4日に、日本の全国男女約60万人を対象に行った「いちばん好きな女性アイドルグループ」の結果では、TWICEは5位という結果に。1位は乃木坂46、2位はPerfume、3位に同じJYPエインターテインメントのNiziUがランクインする中で、韓国のアイドルグループとして活動するTWICEが5位に入ったのは、日本での彼女たちの人気を裏付けるものになりました。
10月には、TWICEは初の英語シングル『The Feels』を発表し、日韓のみならず、欧米などでも人気が上がりつつあるTWICE。デビュー6年を迎えたミサモの3人がこれからどのように活躍するのかが楽しみです。
■GISELLE(aespa)
SMエンターテインメントから大型新人ガールズグループとして2020年11月にデビューしたaespa(エスパ)。韓国人2名、日本人1名、中国人1名の4人で構成されており、「自分のもう一人の自我であるアバターに出会い、新しい世界を経験する」という世界観の中で、それぞれのメンバーには仮想世界「FLAT(フラット)」において、インターネット上の『もう一人の自分』であるアバター「ae(アイ)」存在しているといいます(正直、難解すぎて頭がついていきません…)。
日本人メンバーであるGISELLE(ジゼル)は、日本人の父、韓国人の母を持つハーフ。グループではメインラッパーとサブボーカルを務めており、SMエンターテインメントにおける初の日本人女性メンバーとしてデビューをしましたが、現時点ではあまり情報がなく、謎に包まれています。
シングル『Black Mamba』は、ガールクラッシュを意識したサウンドが特徴で、今までSMがデビューさせてきた少女時代やRed Velvetのようなキャッチーさを意識したガールズグループとは異なります。aespa自体が「謎に包まれたグループ」といった感じがあり、まさに次世代のグループといった印象。ただ、日本人メンバーがいるということは、今後日本での活動も視野に入れているのではないかと思われます。
※「ae」はアクセント付きの発音記号のアッシュが正式表記
■May、Re Mi(Cherry Bullet)
日中韓ガールズグループオーディション番組『Girls Planet 999 : 少女祭典』に「Jグループ」として参加していたMay(メイ)は、FTISLANDやCNBLUEが所属するFNCエンターテインメントよりデビューをしたCherry Bulletのメンバーです。同グループには、Re Mi(レミ)という日本人メンバーも所属しています。
Cherry Bulletは、『PRODUCE 48』ファイナリストだったヘユンらから成る7人組グループで、2019年1月21日にシングルアルバム『Let’s Play Cherry Bullet』でデビューしました。Re MiはFNCの初の日本人練習生として入所し、グループではメインダンサーを担当。Mayはグループの最年少でまだ17歳ですが、173cmの長身でスラッとした高校生とは思えぬスタイルが印象的なメンバーです。
残念ながらMayは『ガルプラ』に残ることはできませんでしたが、今回参加したことで、日本でも多くの人たちに名前を知らせることになったのではないでしょうか。今後のRe Mi、Mayが、どんな道を歩んでいくのか、期待したいところです。
■Juri(Rocket Punch)
AKB48のメンバーとしても活動していた高橋朱里が、卒業後に韓国に渡ったのは2019年のこと。WoollimエンターテインメントからRocket Punchのメンバー“Juri(ジュリ)”として韓国でデビューをしました。
Juriは2018年に韓国のサバイバルオーディション番組『PRODUCE 48』に参加。番組ではファイナリストに残ったものの、最終結果は16位でデビューはならず。しかし、この番組に参加したことで、「いちばん衝撃的で、いちばんの挑戦でした」とその後のインタビューで語っており、韓国に渡るきっかけになったものと思われます。
Juriが所属するRocket Punchは2021年8月に日本デビューを果たしました。自分の母国であり、アイドルどしても長く活動した日本に凱旋デビューした形になったJuri。これからもさまざまな可能性をつかんでほしいですね。
■宮脇咲良
最後に紹介するのは、今年4月までIZ*ONEで活動し、同年6月にHKT48を卒業した宮脇咲良です。卒業が発表されてからすぐに「BTSの所属事務所HYBEと契約するのではないか?」というニュースが流れるほど、今後の活動が大きく注目されていることが伺えます。
宮脇が韓国で活動するきっかけになったのは、サバイバルオーディション番組『PRODUCE 48』で最終結果2位でIZ*ONEとしてデビューをつかんだことでした。はじめの頃は歌やダンスなどに関して不安要素もありましたが、デビューしてからも努力を続け、レベルが上がっていく姿には、彼女の意志の強さを感じました。
現時点では韓国での所属事務所がどこになるのか? 再デビューはいつになるのか? などの正確な情報はありませんが、他のIZ*ONEのメンバーたちと新しいガールズグループで活動するのでは? などと、彼女の今後の活動のうわさは絶えることがありません。再活動をした“さくらん”がどんな姿を見せてくれるのか、今からとても楽しみです。
■これからも日本人の活躍に期待
現在も韓国でデビューを夢見て練習生生活をしている日本人は数多くいます。『ガルプラ』から生まれたKep1er(ケプラー)には2人の日本人が所属しています。これからも韓国で活動する日本人は増えていくことでしょう。
異国の地、韓国で活動するというのは、言葉もカルチャーも違う中でのチャレンジです。日本でも芸能人として活動するのが難しい中で、さらに大きな壁にぶち当たることもあるでしょう。それでも韓国でアイドルになりたいとその夢を目指した彼ら・彼女らは、本当にすばらしいです。そんな大きなチャレンジに挑んでいるみんなを、応援していきたいですね。
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