ハロー!プロジェクト所属のアイドルグループが出演したドラマ『真夜中にハロー!』(テレビ東京系)が17日に最終回を迎えた。深夜にもかかわらず、ドラマ放送中にはツイッターで「#真夜中にハロー」「#まよハロ」ほかグループ名、披露する楽曲などがトレンド入りを果たすなど盛り上がりを見せた。
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“生々しい感情”をテーマにしたハロプロ楽曲は「ドラマにできる!」
ドラマ『真夜中にハロー!』は、熱狂的ハロプロファンのマリコ(菊池桃子)と娘のミサキ(大原優乃)が営むゲストハウス「サンプラザ朝沼」を舞台にした作品。週替りのゲストが演じる“人生に悩む宿泊客”の前に突然現れる“扉”の向こうにいるハロプロメンバーたちが、ハロプロ楽曲にちなむ言葉とパフォーマンスで宿泊客にエールを送る物語を展開した。
――ハロプロをフォーカスした本作に出演して、お2人が改めて感じた“ハロプロならではの魅力”とは何でしたか?
小田:毎回ハロプロの楽曲をテーマにしたドラマが展開されていたのですが、まさにハロプロの歌詞は「ドラマにできる!」というのが、特に感じたことでした。私たちが所属するハロプロの楽曲は、「人間として」普遍的なものをテーマにした作品が多いなと感じていまして。本能や欲望、嫉妬心は誰もが持っていると思いますが、そんな生々しい感情を女の子が歌うというのが、ちょっと違和感を感じるハロプロのよさなのかなと思います。
譜久村:私は、ハロプロの楽曲はどの規模の世界観でも「きちんと背負って歌っている」と思います。例えば、日常の小さな規模で言えば、つばきファクトリーが“彼に感じている不安”を歌ったり、モーニング娘。
――譜久村さんから「救われる」というお話が出ましたが、お2人が苦しいときに支えてくれたハロプロ楽曲はありますか?
小田:基本的にタフなのであんまり苦しくならないんです(笑)。でも、背中を叩き直してくれる曲はあります。私、苦しくなる前にサボってしまうタイプで、そんなときに「サボんなよ!」と思わせてくれるのは「セクシーキャットの演説」です。歌詞に「ヤダヤダと言ってれば世の中が変わるなら一晩叫ぶわ」というフレーズがあって、この主人公はちょっと冷めた感じでそう歌っているですが、歌う側としては、「ヤダヤダとか言うのではなく、世の中を変える側の人間にならなければ」と思わされます。
あとは、アルバム『12,スマート』収録の「怪傑ポジティブA」です。なまけてしまう女の子の前に、前向きなポジティブAが“怪傑!”と威勢よく登場するような曲で。歌詞にある「すぐ弱音吐いて 誰かのせいにしちゃう そんな奴ぁ 普通にもなれないぜ」というフレーズに、気を引き締められます。つんく♂さんの曲からは、潜在意識にあることを改めて気付かされることも多いんです。何となく楽な方へ逃げてしまうときも「逃げてるって、本当は分かってるよな?」と問われているような感じ。
譜久村:私が実際に歌いながら支えられたのは「女が目立って なぜイケナイ」と「TIKI BUN」でした。つんく♂さんの曲は、口にしないけど心の中では思っていることが歌詞に反映されていると思うんです。グループで活動してきた中では“一歩引いた方がいいのかな”と悩んだこともあって。同時に“何でそんなこと思っているんだろう”と葛藤していた時期もありましたけど、「女が目立って なぜイケナイ」を通してそもそも“何で悩んでいたんだろう”と吹っ切れたことがあったんですよね。
もう一つの「TIKI BUN」も似ていて。相手にどう思われるかを考え過ぎて“発言しない方がいい”と思ってしまい、本当の自分ではなくなった気がして悩んでいた時期もあったんです。その頃に響いたのが「TIKI BUN」にある「炎上したって何も恐れない その全部にウソがないなら良い」の歌詞でした。自分の中で“たしかにそうだよな”と思ったんです。言葉を選ぶのは大事ですけど、自分を隠すような発言や見せ方は好きじゃないなって。それなら、好きなことを言おうと思えたし、個人的にちょっと強くなれた曲でした。
ハロプロ愛あふれる2人が考える自身の役割
――『真夜中にハロー!』は、人生に悩む宿泊客がハロプロメンバーのエールを受けて“次のステージ”へ進み出す物語でしたが、お2人はご自身やハロプロの“次のステージ”をどう見ていますか?
小田:これは…ハロプロリーダー・譜久村さんの前に言います(笑)。
進化し続けていくことこそがハロプロだと思いますが、私が今のハロプロメンバーに必要だと思うことは、なぜここまで続いてきたかを理解すること。20年前の曲を今コンサートで披露するときも「なぜこの曲が愛されているのか」を知ってほしいなって。
譜久村さんのようにリーダーという立場になると押し付けにならずにってなかなか難しいと思うんです。なので私が後輩メンバーとフラットな立場で、ひそかにこそこそっと(笑)。初期から見守り続けてくれているファンの方もたくさんいますし、私たちが加入した時から出来上がっていたこの恵まれた環境が「すごくありがたいこと」だと伝えていきたいです。
――小田さんの熱い思いも受けて、譜久村さんはハロプロリーダーとして、自分たちの“次のステージ”をどう捉えていますか?
譜久村:コロナ禍になってからは、毎年冬と夏に行われてた合同コンサートの形も変わり、グループの垣根を超えたメンバーで公演を開催したり新しい試みを通して、ハロプロの可能性をたくさん見つけることができました。さくらちゃんの話にもありましたけど、20年以上の歴史があるのは中身があるからだと感じているんです。
私の根本には「憧れて加入したハロプロのステージなので楽曲を大事に歌いたい」という思いがあります。今の世の中はSNSで「バズったら勝ち」みたいな風潮や数字が大事な部分もありますけど、中身のあるグループとして認められるのが一番大切とも思っているんです。私たちを知らない方にも好きになってもらいたいというのもありますが、好きでいてくれるファンの方にもっと好きになってもらいたい気持ちが強くて。
小田:実は、最近気が付いた変化があるんです。以前はテレビでパフォーマンスをすると「モー娘。っぽくない」とか「知っているモー娘。じゃない」と言わることが多かったけど、最近は「モー娘。っぽい」と言われるようになったんです。不思議に感じていたけど、顔がかわいく映るのを無視した感じとか、楽曲を伝えようとしている姿勢とかがモーニング娘。っぽさなのかなと。
私は歌割りが多く必然的にカメラに抜かれるのですが、ビジュアルのかわいさで言えば他のメンバーをもっと映した方がいいと思うこともって。でもせっかく映る時間をいただいているのであれば、私がその“モー娘。”っぽさを出していきたいと思っています。
譜久村:ハロプロらしさを作ってくれてたつんく♂さんが楽曲やパフォーマンスを通して「本来伝えたいものは何だろう?」と解読しながら届けていきたいですし、リーダーとして、後輩の子たちにもその気持ちを教えていきたいです。
「モーニング娘。'22 CONCERT TOUR ~Never Been Better!~」は3月19日に東京・JCOMホール八王子を皮切りに6月20日の東京・日本武道館まで全国各地で開催。
ドラマ『真夜中にハロー!』は動画配信サービスdTVにて全話見逃し配信中。