10代目ピーター・パンの吉柳咲良が23日、都内で開催されたミュージカル『ピーター・パン』製作発表に、小西遼生岡部麟AKB48)、田野優花壮一帆、演出の森新太郎とともに登壇。2017年に13歳でピーター・パンに就任し、5度目となる今回をもって卒業する吉柳が、今の思いを明かした。



【写真】吉柳咲良、フック船長役・小西遼生と2ショット

 今年で42年目を迎え、初代の榊原郁恵をはじめ、7代目の宮地真緒、8代目の高畑充希らがピーター・パン役を務めてきた本作。昨年に続き演出を務める森は、「これまでの上演の記録映像を見て、初代・榊原郁恵さんが演じた生き生きとして無邪気なピーター・パンに心を奪われ、昨年の稽古中は吉柳咲良に『郁恵さんを目指せ』と言い続けて。結果、吉柳は私の想像をはるかに超え、自由放任で勝手気ままで生きる喜びに満ち溢れたピーター・パンを作り上げてくれました。今年は『郁恵さんを超えろ』と言いたい」と口にし、「吉柳の輝くようなフライングを見られなくなるのはとても心惜しい。けど、これまで以上に軽やかに力強くネバーランドに導いてくれると思う」と吉柳に期待の言葉を送った。

 それを受けて、吉柳は「こんなに褒めていただけると思ってなかったのでビックリしています」と照れ笑いし、「中学1年生で初めて演じて、今年高校3年生で18歳になりました。
稽古は本当に楽しくて。誰よりも全力で楽しみたい」と意気込んだ。

 フック船長役/ダーリング氏役の小西は、「咲良が最後になるので、僕らもたくさん力を使って彩れるように頑張りたい」と気合十分。ウェンディ役で初参加する岡部は「とてもうれしく光栄です」と笑顔を見せ、「咲良ちゃんのお歌が本当に透き通っていて。稽古中、携帯で咲良ちゃんの歌声を撮って、毎晩それを聞きながら眠りについています。本当に大好きで。
ピーターパンラブです」とはにかんだ。

 今年で卒業する吉柳は、「今年が始まる頃には、勝手に最後かなと思っていました」と打ち明け、「今までで一番髪を短くしました。ピーター・パンは私に似ている部分が多いので、バッサリいったほうが気持ち的にはやりやすいかなと思って。男の子みたいなカツラがいらない感じの長さになっています」とニヤリ。

 これまでの5年間、夏はピーター・パン役を演じてきたが、「たまに憎らしくなることもありました。みんなが海やプール、祭りに行っている間に、私はずっと空を飛んでいたので」と言いつつも、「でも、私にしかできない青春の過ごし方でした」と感慨深い様子で回顧。
また、「お芝居の原点はここだと思っています。ベースにピーター・パンがいると、テンションを上げたい時にやりやすかったり、頭の中がモヤモヤした時はピーター・パンを召喚したら捨てられて。私を助けてくれるヒーローみたいな存在です」と感謝の思いを明かしていた。

 ミュージカル『ピーター・パン』は、東京国際フォーラム ホールCにて7月23日~8月2日、大阪・梅田芸術劇場メインホールにて8月13日、14日上演。