4年連続NHK紅白歌合戦出場を果たした純烈。昨年9月にはスーパー銭湯のアイドル・純烈がヒーローに変身することで話題となった映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』が公開されると、2回以上観る「追い焚き」なるワードも爆誕するなど、純烈旋風を全国各地に巻き起こした。

そんな彼らが1年を経て、スクリーンに帰ってくる。その名も、映画『スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免』。しかも、本作は、現4人の純烈がそろう最後の映画でもある。そこで、純烈に映画の思い出や、4人の残りの日々についてなどを聞くと、メンバー同士の確かな絆が感じられる熱い思いを聞かせてくれた。

【写真】年内でのグループ卒業を発表している小田井涼平

■「卒業のことは忘れて、普通にパート2として観てほしい」(小田井)

――1年ぶりに「純烈ジャー」に変身した心境はいかがでしたか。

酒井一圭(以下 酒井):「2」は実は、昨年の『スーパー戦闘 純烈ジャー』上映の舞台あいさつ翌日にクランクインしたんです。「1」のときは、純烈ファンのメイン層である50代~70代のおばちゃんたちが、はたして特撮を観てくれるのだろうかという不安もありましたが、撮影会のときに『初めてムビチケを買った』と言って大量のムビチケを見せてくれる方や、『20回観ました』『30回観ました』という方、『洗濯終わってから』『仕事行ってから』などという方もいて。僕らでは考えられないような愛を感じましたね。そして、「2」は満を持して、1番人気の「ミスター純烈」白川裕二郎が主役ですから。実は「1」のときは、白川が肩の手術をしたばかりで、得意なアクションが出せなかったこともありました。

白川裕二郎(以下 白川):アクション監督が『百獣戦隊ガオレンジャー』や『忍風戦隊ハリケンジャー』などの竹田道弘さんで。僕のコンディションが整ったところで、主役行けるか?ということでしたが、やっぱり20年ぶりに剣殺陣などのアクションをやらせていただいたので、難しいところもありました。
そういったところも竹田さんにいろいろ相談させていただいて。あれほど体を動かすことって、普段はなかなかないので、楽しく挑戦させていただきましたね。昔はストレッチなどもしないで、いきなりアクションに入っていましたが、この年齢になると、けがをしたら治りづらいですから(笑)、ストレッチはかなり念入りにやりました。

後上翔太(以下 後上):僕の場合、前回は他の3人がもともと「純烈ジャー」として活動している中、僕だけ変身能力がない設定でしたから、今回はお風呂場での変身後のシーンでアフレコができるのが、すごくうれしかったです(笑)。それに、前回は自分自身が覚えていないような細かいところも、何度もリピートして下さっているファンの方が覚えていたり、発見して楽しんでいたりしたので、今回はどのあたりがファンの方の心の支えになるだろうと考えながら演じました。

――それは例えば、どんな発見でした?

後上:小田井(涼平)さんに垢すりしてもらう場面で、僕はお尻がずっと出ている状態だったんですが、ファンの方には「お尻がキレイね」みたいなこと言われて、「いや、ホントはもっと汚いけど監督の指示でキレイにしていただいたんです。機械に頼ってごめんなさい」なんて返すこともありました(笑)。

――本作が4人での最後の作品となりますが、小田井さんはどんな思いで撮影に臨みましたか。

小田井涼平(以下 小田井):実はこれが4人で最後になるということは、僕も撮影後にメンバーに伝えているから、撮影中は純烈を卒業することを誰も知らなかったんです。ポスターにも「ラストバトル」と書いてあるんですけど、全く卒業ムードではなかったので、僕としてはいったん卒業のことは忘れていただいて、普通にパート2として観ていただけたらうれしいです。

――観ている側は勝手にグッとくるものがありました(笑)。

酒井:確かに、特にお台場の“大江戸温泉”から純烈王が出てくるタイミングとかね。
昨年9月が“東京お台場 大江戸温泉物語”の締め日だったんですが、ラストライブのときは日本クラウンがDVDの収録をしていて、映画の佛田組(佛田洋監督の座組)は純烈ジャーのシーンの収録をするという、同時収録で。この作品を今後観るたび「健康センターにお世話になったな」といったところから、純烈も出てくることが思い出されると思うんですよ。「純烈王」という歌の2番はまさに、大江戸温泉物語の思い出を歌っているので、支配人や従業員が聴いたときに泣いてほしいな、と。

白川:前回から出演している山本康平に続いて、今回新たに長澤奈央ちゃんが出ています。この2人は、僕は20年前に『忍風戦隊ハリケンジャー』で共演した仲で。特に長澤奈央ちゃんは20年前には一緒に戦った仲間でありつつ、今度は敵同士という関係性で一緒にアクションシーンを撮ったので、そこが印象深いですね。

――今回は三角関係もありましたが。

白川:この業界に20数年いますけれども、初めて三角関係のお芝居をやらせていただいたので、照れくさいところもありました(笑)。ふせえりさん、長井短さんのお2人に引っ張っていただいて、楽しく演じられましたが、基本的にお芝居はカットがかかるまで続けなきゃいけないじゃないですか。それで、長い時間カットがかからないとき、ふせさんとアドリブでお芝居をずっとやっていたんですが、本編を観たらそのほとんどがカットされていた(笑)。DVDなどには入ってくる可能性もあるのかなと思います。

■「4人の最後の作品が、この映画で良かった」(酒井)

――『純烈ジャー』と言えば、曲も見どころですよね。


後上:前作に引き続き、今作もいろんな歌が劇中に流れてきます。純烈のオリジナルの新曲もありますし、前川清さんとか、先輩たちの名曲もたくさん出てくるじゃないですか。この映画のために作られたわけではないはずなのに、こうした世界観にミックスしつつ、特別な光を放つのは、改めてすごいなと思いました。

小田井:1作目はキャラクターやバックボーンなどを説明しつつ、話を進めないといけなかったんですが、今回は基本的な設定の説明は要らないので、ストーリーに全部注ぎ込める良さがありましたね。前回は小林幸子さん演じる敵と戦う肉弾戦がありましたが、今回はロボ戦も追加されていて。スーパー戦隊では、やっぱりロボ戦は大きな魅力ですし前回に登場しなかった新たな武器も追加されているので、よりスーパー戦隊らしくなっているのではないかと思います。

それと、今回はなんといっても、八代亜紀さんが出演されて、デコトラを生で見ることができて、興奮しましたよね。撮影の時もまじまじと説明聞きながら見ましたけど、リアルのものだから。子どもの頃にはああいうデコトラが普通に走っていたのをたくさん見ていましたが、当時がよみがえる、昭和のそのまんまの雰囲気のデコトラやったんですよ。そこにすごく萌えてしまいました(笑)。正直、今回は純烈王より、僕の中では、デコトラの方が上を行っているんです。

――この作品に込めた思いと、残りの4人の活動期間でファンの皆さんに見せたいもの、伝えたいものを教えてください。


酒井:僕は4人の最後の作品が、この映画で良かったなと思っているんですよ。前回から引き続きのチームだったので、スタッフの皆さんもノリノリで、キャストも女神のみんなが集まって「久しぶり」とか言い合って。みんな仲が良くて、本当にこの現場が好きなんだなと感じる瞬間もたくさんありましたし、チームワークの良さが作品に出ていると思います。まずは劇場で、配信で、DVDで、何度も純烈を楽しんでいただきたいですね。

後上:純烈がこの4人になってからも一定の時間を過ごしてきましたが、映画の中では、歯を食いしばって戦っていたり、いつもと同じく馬鹿なこと言っていたり、落ち込んだり、4人で過ごしてきた時間と同様に、いろいろな感情の色味が出せている気がします。撮影した段階では小田井さんの卒業は分かっていなかったわけですが、映画の中で見せる4人の時間と、リアルにここから小田井さんの卒業に向けてのカウントダウンに入っていく純烈の素顔と、その二つを見比べ、重ね合わせつつ、応援していただけたらうれしいです。

小田井:映画の「1」は、日本全国がコロナ禍で大変なときに、コンサートが延期や中止になり、活動が自粛されていく中で、ぽっかりスケジュールが空いたことで、できた作品でした。逆に、コロナ禍じゃなかったら、構想はあったとしても、まだ映画を撮ることはできていなかったかもしれない。それに、コロナ禍じゃなかったら、僕はもう1、2年早く純烈を卒業していたと思うので、こういうご時世になったから、この作品があり、僕もこの作品に参加できたのかなと思います。ヒーローモノの映画をやりたいというのは、リーダーが昔から言っていたグループ全体の夢の一つだったので、純烈としても、僕自身のアルバムの1ページとしても、すごく大切な写真を映画によって2枚追加できてよかったなと思っています。

白川:純烈としての小田井さんは今年いっぱいで卒業ですが、事務所は変わらないので、ちょっと気が早いですけど、次の『純烈ジャー』には小田井さんに悪の幹部役などでまたカムバックしていただけたらと。そしたら、ニュースにもなりますし、ファンの皆さんも盛り上がると思いますし。
もちろんちゃんとオーディションしていただいて。

小田井:やっぱりそこ、あるんだ(笑)。

(取材・文:田幸和歌子 写真:高野広美)

 映画『スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免』は、9月1日公開。

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