『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』(日本テレビ系/毎週土曜22時)や、『PICU 小児集中治療室』(フジテレビ系/毎週月曜21時)など、この秋はイケメン医師が活躍するドラマが盛りだくさん! 医療ドラマといえば、根強い人気を集めるジャンルであるが、患者の病を治す“ゴッドハンド”たちの輝きに、魅了された経験がある人も多いのではないだろうか。そこで今回は、感動の医療ドラマを彩ったイケメン医師たちをピックアップ。

彼らの活躍を振り返りながら、その魅力をひも解いていく。

【写真】「医療ドラマで輝く7人のイケメン医師」を一気に見る

■『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』 諏訪野良太(玉森裕太

 研修医の諏訪野(玉森)が、“カルテ”を通して患者たちの秘密と嘘を優しく見破るハートウォーミング・ミステリー。笑って泣ける医療×ミステリードラマが、8日にスタートした。諏訪野という役柄は、玉森の愛され力が存分に生かされている。まだまだひよっこだけど、誰よりも患者のことを気にしており、自分のことよりも周囲のことに一生懸命。そんな彼の優しさが、視聴者の心にじんわりと染みわたる。スカッとしながらも、ほっこりすることができる本作は、土曜日の夜に癒やしを与える作品になることだろう。

■『PICU 小児集中治療室』 志子田武四郎(吉沢亮

 本作は、“子どものためのICU”をテーマにした医療ドラマ。『監察医 朝顔』(フジテレビ系)シリーズのスタッフが手がけていることもあり、注目するドラマファンも多く、本作はこの秋いちばんの泣ける医療ドラマになりそう。緊迫した現場の中で、吉沢亮演じる“しこちゃん先生”こと志子田の笑顔は、小児患者のみならず家族の心も癒やしていくようだ。今はまだ経験の浅い彼が、これから成長していく姿を見るのが楽しみな作品となっている。

■『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系) 喜多見幸太(鈴木亮平

 主人公・喜多見(鈴木)が所属する「TOKYO MER」は、都知事直轄の救命救急医療のプロフェッショナルチーム。
“一人も死者を出さない”というミッションを果たすため、メンバーたちは立てこもり事件や爆破テロなどの現場に果敢に挑んでいく。そんな彼らの熱い姿に、胸を打たれた人も多かったはず。中でも、鈴木演じる喜多見は、まさに戦隊ヒーローのような人物。「待っていては救えない命がある」という強い信念をもとに働く姿には、勇気づけられた視聴者も多いのではないだろうか。駆けつけただけで安心感があるような、鈴木が持つ貫禄が、この喜多見という役柄をより魅力的に映していた。来年には映画の公開が決定している本作。再び、喜多見をはじめとした「TOKYO MER」チームに会えるのが楽しみだ。

■『コード・ブルー ‐ドクターヘリ緊急救命‐』(フジテレビ系) 藍沢耕作(山下智久

 連続ドラマのみならず、映画やスペシャルドラマなど、およそ10年にわたりさまざまな形で楽しませてくれた『コード・ブルー』シリーズ。平成生まれの中には、本作を見て医療の道を志した人もいるのではないだろうか。救命救急センターを舞台に、ドクターヘリに関わる人々の仕事ぶりを描いた本作は、それくらい影響力を持った作品だった。このドラマの1番の魅力は、それぞれのキャラクターの個性が際立っていたところ。山下・新垣結衣戸田恵梨香比嘉愛未浅利陽介の関係性が、回を重ねるごとに親密になっていくのも面白かった。
そして、“救命チーム”の中心にいる藍沢(山下)は、ぶっきらぼうだが真の愛情を持った人物。この藍沢というキャラクターが、“俳優・山下智久”の基盤を作ったと言っても過言ではない。

産婦人科医や放射線技師にフォーカス さまざまな医療ドラマがこれまでに誕生

■『コウノドリ』(TBS系) 鴻鳥サクラ(綾野剛

 産婦人科医にフォーカスを当て、“命が誕生する現場”に関わる人たちを丁寧に描いたヒューマンドラマ。本作は、綾野にとっての連続ドラマ単独初主演作でもある。そんな綾野が演じたサクラは、生まれてすぐに母を亡くし、乳児院と児童養護施設で育った愛情深い産科医。生まれてきた赤ちゃんに、「生まれてきて、おめでとう」と優しく微笑みかける姿が印象的だった。その一方で、サクラには“BABY”という名で情熱的な演奏をする天才ピアニストとしての顔もあった。二面性のあるミステリアスなキャラクターを、綾野が魅力的かつ印象的に演じていた。

■『ブラックぺアン』(TBS系) 渡海征司郎(二宮和也

 医療ドラマにしては珍しく、“ダークヒーロー”を主人公に据えた本作。「患者を生かし、医者を殺す」と評される“オペ室の悪魔”こと渡海(二宮)は、手術成功率100%を誇りながらも、出世にはまったく興味がない。そのため、実力はあるのに万年ヒラの医局員というなんともチグハグなキャラクターだ。そのチグハグさが、回を重ねるにつれて魅力的に映し出されていった。
飄々(ひょうひょう)として見えるが実は…と、渡海のミステリアスでありダークな姿に、魅了された視聴者も多かったのではないだろうか。

■『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系) 五十唯織(窪田正孝

 病気を見つけるのは、目の前にいる主治医だけではない。病の原因を探り、レントゲンなどから病変を写し出す放射線技師。さらには、画像を読影する放射線科医といった人々がいる。本作は、そんな彼らが身を置く“ラジエーションハウス”を舞台に、そこで働き、患者の病やケガの根源を見つけ出す“縁の下のヒーロー”たちの戦いを描いた作品。主人公の五十嵐(窪田)の最大の魅力は、なんと言ってもギャップにある。病の写真家として、患者たちと向き合う姿は“できる男”そのもの。しかし、一度仕事を離れるとホワホワとしたキャラクターに一変。初恋相手・甘春杏(本田翼)の前では、子犬のようにキュルっとした瞳を見せるところも、かわいらしかった。

 これまで、7人のイケメン医師たちを紹介してきたが、あなたの“推しキャラ”はいただろうか。さまざまな個性はありつつも、みんな患者のために一生懸命。覚悟を持って命と向き合う彼らの情熱は、私たち視聴者の心にも光を灯してくれる。
スカッとしたり、ほっこりしたり。はたまた、涙を流して“涙活”をしてみたり…。さまざまな感情を届けてくれる医療ドラマ。この秋も、『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』の諏訪野や、『PICU 小児集中治療室』の志子田を通して、新たな感情に出会えるのが楽しみだ。(文:菜本かな)

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