俳優の生田斗真が主演を務める映画『湯道』と、全国各地の銭湯をジオラマのように立体的なイラストで紹介した本「銭湯図解」のコラボレーションが実現。「銭湯図解」著者であるイラストレーター・塩谷歩波が描いた映画の舞台「まるきん温泉」図解が公開された。



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 本作は、『おくりびと』(2008年)の脚本を手掛け、ご当地キャラクター「くまモン」の生みの親でもある小山薫堂が、2015年に提唱した「お風呂」について精神や様式を突き詰める新たな道「湯道」を、構想約7年の歳月を経て、本人の完全オリジナル脚本で映画化したもの。

 実家の銭湯「まるきん温泉」から飛び出すも、うだつが上がらず舞い戻ってきた主人公・三浦史朗を生田が演じ、史朗と犬猿の仲である弟・悟朗を濱田岳、「まるきん温泉」で働く看板娘・秋山いづみを橋本環奈が演じる。その他、戸田恵子や寺島進、厚切りジェイソン、浅野和之、笹野高史、吉行和子、ウエンツ瑛士、朝日奈央、吉田鋼太郎、夏木マリ、柄本明、小日向文世、角野卓造、生見愛瑠、窪田正孝と、総勢18名の豪華キャストが勢ぞろいする。監督は『HERO』『マスカレード』シリーズの鈴木雅之。

 今回、『湯道』と「銭湯図解」のコラボレーションが決定。銭湯で番頭として働いていたイラストレーターの塩谷歩波が、皆から愛される全国各地の銭湯をジオラマのように立体的なイラストで紹介した本「銭湯図解」。
大学で建築を学び、設計事務所に勤めていた際に培ったノウハウを生かして、実際に銭湯に訪問、測量・撮影し、「アイソメトリック」と呼ばれる建築図法で描いており、その細かいディティールや見ていて楽しい多幸感から、銭湯好きの間で話題となっている。

 そんな「銭湯図解」を描いた塩谷の手で、今作の舞台である銭湯「まるきん温泉」の図解が誕生。イラストには、主演の生田が演じた三浦史朗、濱田が演じた悟朗、橋本が演じた秋山いづみをはじめ、個性豊かな登場人物たちが勢ぞろい。さらには、企画・脚本の小山薫堂も登場し、本作を観る前にも観た後にも楽しめる魅力いっぱいのイラストが完成した。

 今回は銭湯「まるきん温泉」のセットを図解化するため、膨大な写真やセットの設計図からイラストに。「写真がない箇所もあったので、想像力を膨らませて描いたり、カラフルで物も多かったので、大変でした。
富士山の画や曇りガラスの透明感などもこだわりました」と、1ヵ月をかけて制作された。

 また、「銭湯図解」の著者・塩谷が、今作で橋本環奈が演じた銭湯の看板娘・秋山いづみのモチーフとなった人物であることも明らかに。塩谷は以前から企画・脚本の小山薫堂と交流があり、小山が今作の脚本を書くにあたって「塩谷さんをモチーフにしたキャラを出してもいい?」と聞かれ、快諾したそう。後日、橋本環奈が演じたヒロイン・いづみになったと聞いた時は、驚いたという。

 塩谷は「小山薫堂さんご自身がお風呂好きということもあり、銭湯のいい所がたくさん詰まった映画でした。特にラストの台詞には“そうだよね!”と同感しかなく、映画を観終わって一番最初に“お風呂に入りたいな”と、そのまま近くの銭湯に行きたくなりました。
少し設定は変わっていましたが、いづみさんとは通じる部分があって、観終わった後、心が温かく、すごく嬉しくなりました」とコメント。

 そして「銭湯にまだ行ったことがない人も是非この映画を見て、銭湯がこういう場所だと少しでも伝わったら嬉しいですし、近くの銭湯に行ってみて欲しいなと思います! さらに、その時には私の『銭湯図解』を参考にしてくれると嬉しいです(笑)」と言葉を寄せた。

 企画・脚本の小山は「このまま存在すれば間違いなく銭湯ファンの聖地となったであろう『まるきん温泉』が、塩谷歩波さんのイラストによって歴史に刻まれることをとても嬉しく思います」と喜びの声を。「橋本環奈さん演じる秋山いづみは、銭湯という存在に救われた塩谷さんをモデルにして作り上げたキャラクターです。銭湯への愛に溢れた塩谷さんだからこそ描ける『まるきん温泉』の温かな空気感がこのイラストに詰まっています」と話している。

 映画『湯道』は2023年2月23日より全国公開。