モーニング娘。
【写真】モーニング娘。'22石田亜佑美&加賀楓、仲良しショット
■石田亜佑美&加賀楓のパフォーマンスの見せ場に注目!
――最新シングル収録の「Swing Swing Paradise」。フォーメーションで中心を担う加賀さんは、どのような印象を?
加賀:曲の始まりは「バラードかな」と思いますが、そこから展開がガラッと変わるので初めて聴いた時はビックリしました。スウィングをベースに、華やかさは、最近のグループ楽曲で一番だと思います。サビの歌詞に「君の為ならば」「なんでもしたげたい」というフレーズがあり、自分より他人が喜ぶ行動がしたいと考える性格なので一緒だと思ったし、大切に歌っています。MVは、ライトがたくさん輝くセットで撮影して、カッコいい女性をイメージする黒のスーツで、ステッキを使ったダンスも披露しているので注目していただきたいです。
――もう一方の収録曲「Happy birthday to Me!」は、石田さんが中心のフォーメーションからパフォーマンスを展開しますね。
石田:疾走感のある曲で、(作詞・作曲の)つんく♂さんからは「笑って歌う曲じゃない」と指示を受けました。この曲の振り付けは「線」のイメージなんです。
加賀:振り付けでは「恋愛レボリューション21」も線じゃないですか。メンバーが「手を叩いているんだな」「全員で外に向かって円を描いているんだな」と、カラダのどこを動かしているかが分かりやすく伝わるので。反対に「Swing~」は、ダンスの先生がミュージカルをベースに作ってくださったので、自分なりの「君」とか「キラキラしたもの」を、各々が考えて生み出しながら踊る感じが違うと思います。
――石田さんと加賀さん、それぞれの見せ場は?
石田:私は「Happy birthday~」で、自分がフォーメーションの真ん中にいるところから始まるんです。歌わないのに真ん中にいるシチュエーションが、ありがたいことに多くて。ダンスで見せなければいけないので、気持ちを引き締めて踊っています。Aメロで私の前でペアのメンバーが歌う展開があって、歌っているメンバーと振り付けが違うんです。ダンスの正解は「これですよ」と伝わるようハッキリと正確に踊り、見られても恥ずかしくない自分であれるようにと意識して踊っています。表情も難しいですけど、三角形状のポジションで真ん中にいるのは「おいしいな」と思っています(笑)。
加賀:(笑)。
■グループ卒業の加賀楓 「ダンスの枠で自分の世界を広げたい」
――今回の作品は、6月加入の新メンバー・櫻井梨央さんの初参加シングルになりました。石田さんはグループ加入から12年目、加賀さんは6年目ですが、先輩の2人から見た櫻井さんの印象は?
石田:櫻井について、かえでぃー(加賀の愛称)がどう考えているか聞いたことない。というか、意見交換したことがない(笑)。
加賀:(笑)。櫻井はダンスはもちろん、歌に自信をもって欲しいと思っています。今、全員のユニゾン(複数で同じ旋律を歌うこと)で歌ったとしても、櫻井の声は前に出るんです。声質の問題で、初めて聴いたときは衝撃を受けたし、今までにない耳心地でビックリしました。たくさん歌って自信を持てればモーニング娘。
石田:一緒にツアー(9月~12月)を回ってきて、ガッツがあるなと思いました。1人きりの加入で、先輩たちの目がすべて自分に向くから、注意されて落ち込む瞬間も絶対にあったと思うんですよ。でも、みんなの前でヘコんでいる顔を見せないし、体力が心配で声をかけると「大丈夫です!」と答えてくれるので根性が見えました。
ツアー以外も、初挑戦のことに対する前向きさも感じましたね。MV撮影のソロリップ(録音した音声に合わせて発声せずに口を動かす)シーンでは表現が完璧で、「余裕そうだったね」と聞いたら「研究してきました」と言われたんです。雑誌の撮影でも、未だに私は表情に迷ってしまうのですが、櫻井はいろいろな表情を自然に見せていて、聞いたら「牧野(真莉愛)さんたちの撮影を見て研究している」と言ってました。何事にも前向きで「私もやる!」と取り組む姿勢はカッコいいです。
――メンバーが変わりゆくのは、モーニング娘。の象徴。頼もしい新メンバーが加入した一方、加賀さんがグループを卒業します。「学びたいこと、目標ができ、今回卒業を決めました」と発表したブログでは、将来は「ダンスに関わる仕事をしていけたら」と述べていましたが、そう考えた経緯は?
加賀:私たちはダンスも強みに活動しているので、ダンス関連の仕事が多いんです。
――そんな加賀さんの思いを受け止めた石田さんは、ブログで「自分の見せ方で好きじゃない部分を、かえでぃーに、こうなんだよねーって話したら、でもそれはこうでこうで…って、かえでぃーの持っている観点で肯定してくれた」と振り返っていましたよね。
石田:ブログを書きながら思い浮かべたのは、日本武道館のような大きな会場での経験でした。私は、大きな会場だとテンションが上がってしまうので、ダンスが大振りになってしまう癖があるんです。本当はもっと繊細に音を取ってオシャレに踊りたいのに、思うようにできないのが悩みで毎回反省していて…。それをかえでぃーに伝えたとき「大きい会場のステージに立つんだから、動きも大きくならないとつまらなくないですか?」と肯定してくれたんです。自分の固定概念を変えられるような意見をメンバーからもらったのは初めてで、それからもグループのパフォーマンスについてはお互いに意見を話す関係になりました。
■加入・卒業で進化するモー娘。 グループの今の関係性「メンバー同士が認め合っている感覚」
――ダンスに自信のある2人が、それぞれのパフォーマンスで一目置いている部分は?
石田:かえでぃーは自分のスタイル、手足の長さをちゃんと生かした動きです。あと、何を踊っていても、どの瞬間も冷静なんですよ。
加賀:実は、石田さんも「正解を示してくれる」と言おうかと思って…(笑)。ダンスを揃えるのは難しくて、それぞれの音の聴き方や体での感じ方が違うので、動きがバラバラになりがちなんです。そこで参考になるのが石田さんで。石田さんは曲の間奏でフォーメーションの中心を担当することが多くて、正しく丁寧に踊るから「ここはこういう振り付けなんだ」「この音を取っているんだな」と分かりやすく伝わるんです。石田さんが中心にいてくれるから全体が底上げされて上手く見えるし、いいなと思っています。
――先輩後輩ながら、たがいに認め合っているのが伝わってきましたが、グループの関係性についての質問を。加賀さんの卒業に対するブログで、石田さんが「先輩後輩、年齢、立場って、ほんとに関係ない」と述べていましたが、メンバー同士はどのように刺激し合うのが理想だと思いますか?
加賀:今のグループは、シンプルにメンバー同士の仲がいいんです。加入してすぐに教わった上下関係や礼儀を基礎にした上で、先輩と話しながらたがいに打ち解けていき、遠慮なく話せるようになる空気感があると思います。先輩と後輩が気兼ねなく接することができるのはグループで活動しているからこそ必要ですし、この先も大事にしてほしいと思います。
石田:私はたがいのリスペクトが大事だと思っています。今の私たちは、メンバー同士が認め合っている感覚もあって。
――最後に、10日に行われる日本武道館での卒業公演への意気込みを教えてください。
加賀:秋ツアーでやってきたセットリストをベースに武道館バージョンとして再構成しているのですが、私たちの楽しんでいる顔がたくさん見られる内容になっているので、ファンのみなさんと一緒に「楽しい」を共有できる時間にしたいです。私もモーニング娘。としてメンバー全員と最後まで楽しくパフォーマンスしたいと思います。(取材・文/カネコシュウヘイ 写真/ヨシダヤスシ)
モーニング娘。'22
「モーニング娘。'22 25th ANNIVERSARY CONCERT TOUR ~SINGIN' TO THE BEAT~加賀楓卒業スペシャル」は12月10日17時40分よりCSテレ朝チャンネル1で独占生中継。
モーニング娘。'22 通算72枚目シングル『Swing Swing Paradise/Happy birthday to Me!』は12月21日発売。