俳優の生田斗真が主演を務める映画『湯道』より、共演の窪田正孝が湯の作法を実演するイラストが公開。併せて、浴衣を着た窪田が湯を慈しむ場面写真も解禁された。



【写真】塩谷歩波(えんや・ほなみ)描き下ろし「湯道所作」のイラスト公開

 本作は、『おくりびと』(2008年)の脚本を手掛け、ご当地キャラクター「くまモン」の生みの親でもある小山薫堂が、2015年に提唱した「お風呂」について精神や様式を突き詰める新たな道「湯道」を、構想約7年の歳月を経て、本人の完全オリジナル脚本で映画化したもの。

 実家の銭湯「まるきん温泉」から飛び出すも、うだつが上がらず舞い戻ってきた主人公・三浦史朗を生田が演じ、史朗と犬猿の仲である弟・悟朗を濱田岳、「まるきん温泉」で働く看板娘・秋山いづみを橋本環奈が演じる。その他、「まるきん温泉」の常連に天童よしみ、クリス・ハート、戸田恵子、寺島進、厚切りジェイソン、浅野和之、笹野高史、吉行和子、ウエンツ瑛士、朝日奈央、吉田鋼太郎、夏木マリ、柄本明。

 そして、湯の道に魅せられた「湯道会館」の人々に、小日向文世、角野卓造、生見愛瑠、窪田正孝。さらに、梶原善、大水洋介、森カンナ、堀内敬子、藤田朋子、秋山ゆずき、おかやまはじめ、酒井敏也ら豪華キャストも勢ぞろい。

 この度、「まるきん温泉」とは別に、本作のもう一つの舞台として登場する「湯道会館」で披露される「湯道所作」が窪田正孝演じる梶斎秋(かじ・さいしゅう)のイラストで初披露。


 「湯道所作」は、440年、十六代続く家元の下「入浴、お風呂について深く顧みる」精神を継承する場。窪田演じる、湯道の家元の内弟子・梶斎秋が実演する「湯道所作」のイラストは、合掌から始まり、合掌に終わる十一の所作で構成される。

 この「湯道所作」は、映画オリジナルであり、本作の企画・脚本を担当した小山薫堂が映画のために考案。劇場で配布されているチラシ内にも描かれている「まるきん温泉」の図解イラストを描いた「銭湯図解」の著者・塩谷歩波(えんや・ほなみ)による描き下ろしとなっている。

 併せて、お湯を慈しむ窪田の場面写真も解禁。慎ましくも精かんな表情の浴衣姿から身体を張った入浴姿まで 、本作で魅力全開に演じる窪田の姿は必見だ。


 映画『湯道』は2023年2月23日より全国公開。

 ※「湯道」の作法を記した「湯道所作」は以下の通り。

<「湯道所作」全文>

一、合掌(がっしょう)

飲める水を沸かした湯に浸かる。もしくは、地球の恵みの湯に浸かる。…全ては感謝の気持ちから始まります。

二、潤し水(うるおしみず)

入浴によって想像以上の水分が失われます。
入浴前の水分補給を習慣にしましょう。

三、衣隠し(ころもかくし)

脱いだ衣服に、生きる姿勢が表れます。風呂敷で覆う行為は慎ましさの象徴です。

四、湯合わせ(ゆあわせ)

見せかけだけの掛け湯は厳禁です。入浴前に体をしっかりと洗いましょう。湯合わせとは、湯を汚さない、すなわち湯のしあわせをつくることでもあります。


五、入湯(にゅうとう)

湯に入ります。右足から浴槽に入り、波を立てないようにゆっくりと中央に移動します。手ぬぐいを両手でつかみ、パンと広げて乗せ、右足を少し後ろにずらして、そのまま軸がブレないようにゆっくりと身体を垂直に湯に沈めます。

六、縁留(ふちどめ)

湯に身体を沈めると、浴槽の水位が徐々に上がります。おしりをつき、ゆっくりと身体を後ろに倒していき、縁の頂点でピタリ止まりましょう。目を瞑り、「ふぅ~」と極楽のため息をつきます。


七、湯三昧(ゆざんまい)

湯に没入すれば、自ずと心の垢が剥がれ、汚れのない穏やかな気持ちになっていきます。その到達地点を「洗心無垢」と呼びます。

八、垢離(こり)

汗がじんわりと出てきたら、一度湯からあがり水をかぶります。この温冷浴を繰り返すことで、自律神経が整い、全身の血行が促進されます。

九、近慮(きんりょ)

入浴を終えたら、椅子を正位置に戻し使用した湯桶はきれいに洗い、逆さまにして残った水を切ります。次に入浴する人が不快にならないように慮る行為を「近慮」と呼びます。


十、風酔い(かぜよい)

湯の余韻に身を任せれば、かすかな風の揺らぎさえも幸せの種になります。風酔いとは、湯上がりに覚醒することです。

十一、合掌(がっしょう)

感謝に始まり、感謝に終わる…湯道とは、湯に浸かることを通して感謝を育むことでもあるのです。