長澤まさみの主演ドラマ『ラスト・フレンズ』(フジテレビ系)が放送スタートして、今月で15周年を迎える。ドラマ『ラブジェネレーション』、『神様、もう少しだけ』(ともに同系)などを手がけた浅野妙子が脚本を担当した本作は、DVやセックス依存症、性同一性障害といったシリアスなテーマを盛り込み、現在では当たり前になった「シェアハウス」というライフスタイルにもいち早く注目した。

宇多田ヒカルによる主題歌「Prisoner Of Love」とともに記憶にとどめている視聴者も多いのではないだろうか。今回は、長澤をはじめとするメインキャストたちの現在をまとめた。

【写真】『ラスト・フレンズ』放送開始から15年 キャストたちの現在の姿

■ 長澤まさみ

 長澤まさみが演じたのは、へアメイクのアシスタントとして働く藍田美知留。美知留は彼氏との同棲を開始した矢先、激しい束縛やDVを受けるようになる。当時、すでに若手人気女優だった長澤が、ちょうどその1年前に出演した『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)とは打って変わってのシリアスな物語でヒロインを体現した。長澤はその後も映画、ドラマにと活躍を続け、連ドラから映画化もされた人気シリーズ『コンフィデンスマンJP』(同系)ではヒロイン・ダー子を演じた。
昨年はメディアや政治の問題を扱った主演ドラマ『エルピス -希望、あるいは災い-』(カンテレ・フジテレビ系)が話題に。公開中の映画『シン・仮面ライダー』では敵役・サソリオーグとして出演していることが発表され、ファンを驚かせた。

錦戸亮

 美知留の恋人、及川宗佑を演じたのは当時アイドルグループ、NEWSと関ジャニ∞に所属していた錦戸亮だった。本作で錦戸は、恋人への強烈な束縛にDV、さらに衝撃の最期を迎える宗佑を怪演し、特に回を増すごとに強烈になっていく美知留への執着は、視聴者を震え上がらせた。アイドルらしからぬ役柄を演じきった錦戸は、本作で数々の賞を受賞。その後はNEWSを脱退して関ジャニ∞での活動に専念するが、2019年9月には関ジャニ∞も脱退。
ジャニーズ事務所を退所し、シンガーソングライターとして活動を開始した。来月5月からは、ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK BSプレミアムほか)で、4年ぶりのテレビドラマ出演を果たす。

上野樹里

 『ラスト・フレンズ』の2年前にはドラマ『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)で“のだめ”こと野田恵を演じ、人気女優の仲間入りを果たした上野樹里。そんな上野が本作で演じていたのは、岸本瑠可だった。瑠可はモトクロスの選手で、実は性同一性障害という誰にも言えない秘密があり、再会した中学・高校時代の同級生、美知留にひかれ始める。DVから逃れてきた美知留を自身が住むシェアハウスにかくまい、宗佑と対立していくことに。
私生活では、2016年5月、3ピース・ロックバンド、TRICERATOPSのボーカリスト・和田唱と結婚。上野のインスタグラムにはときおり和田が登場し、夫婦仲の良さが垣間見られる。今年10月には『のだめカンタービレ』ミュージカル版で再びのだめを演じることが発表され、旧来のファンを喜ばせた。

性的虐待の被害者という難役を熱演 実弟も俳優としてブレイク

■ 永山瑛太

 瑠可と同じシェアハウスの住人・水島タケルを演じたのは、当時・瑛太の芸名で活動していた永山瑛太だった。タケルは温厚で友達思いな人柄だが、過去に血のつながらない姉・優子(伊藤裕子)から性的虐待を受けていたという暗い一面を持つ。永山はその後も活躍を続け、ドラマ『最高の離婚』(フジテレビ系)や、『リコカツ』(TBS系)などの出演作がヒット。
2018年の大河ドラマ西郷どん』(NHK総合ほか)では、主人公・西郷隆盛の盟友で、途中で袂を分かつ大久保利通役を好演した。2020年にはコロナ禍を題材にしたドラマ『Living』(NHK総合ほか)で、実弟の俳優・永山絢斗と兄弟役で共演を果たしている。私生活では、2010年6月にアーティストの木村カエラと結婚し、同年10月に第1子の長男、2013年に第2子となる長女が誕生している。

水川あさみ

 瑠可、タケルと同じシェアハウスの住人で滝川エリを演じたのは、水川あさみだった。客室乗務員のエリはサバサバとした性格で、楽しいことが好きなシェアハウスのムードメーカー的存在だが、セックス依存症に陥っており、妻子ある男と不倫関係にある。そんなエリを演じた水川はその後、奇しくも同じシェアハウスが題材の2013年のドラマ『シェアハウスの恋人』(日本テレビ系)でGP帯の連ドラ初主演。
2020年には主演した映画『滑走路』と『喜劇 愛妻物語』で数々の映画賞を受賞した。私生活では、ドラマ『僕たちがやりました』(カンテレ・フジテレビ系)で共演した俳優・窪田正孝と2019年に結婚している。