4月期のドラマが続々と放送を開始し、各作品とも第1話がほぼ出そろった。SNSでは早くも視聴者からの熱い感想で盛り上がっている。

そこで今回は、クランクイン!が事前に実施した「春ドラマ」期待度ランキングTOP10の中から、読者が選ぶ“期待度が高いドラマ”トップ3に輝いた作品をチョイスして徹底レビューしたい。

【写真】2話以降も見続けたい「春ドラマ」ランキング 10位~1位に輝いた作品

■期待度第3位『王様に捧ぐ薬指』 上がりきったハードルを超える美男美女にキュン

 “絶世の美女”だが貧乏な家庭で育った羽田綾華(橋本環奈)が“絶対的王様”の御曹司・新田東郷(山田涼介/Hey! Say! JUMP)と「メリット婚」をする『王様に捧ぐ薬指』(TBS系/毎週火曜22時)。

 芸能界でも屈指の“美しさ”を誇る橋本環奈と山田涼介。そんな2人がラブコメを演じるというだけで期待値が上がる、というSNSの声にも納得してしまう。「春ドラマ」期待度ランキングでは堂々の3位にランクインした本作。放送前には異例の「結婚会見」も開かれ、話題性の面でも勢いを感じる。
第1話ではさっそく結婚式のシーンやキスシーンもあり、キュンと笑いが交互に訪れる演出が視聴者の心をがっちりつかんだ。

 やはり言及したいのはそのルックスの美しさ。作品自体、“綾華と東郷=美しい”ということにフォーカスしており、上がりきったハードルを超えるのは容易ではないはず。しかし橋本と山田はコミック原作の美男美女設定を現実世界で成立させるオーラと演技力で、第1話を見事に盛り上げた。ラブラブなふりをしたかと思えば突然いがみ合う2人の姿が笑えてキュンとくる。さらに職場の結婚式場や、高級ジュエリー、東郷の豪華けんらんな生活など華やかな要素は見ているだけで胸が躍る。
一方で、綾華と東郷にはそれぞれ気になる相手がいる様子。複雑な恋模様はどう動いていくのだろうか。

■期待度第2位『合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~』 天海祐希×松下洸平のバディが熱い!

 頭脳明晰(めいせき)な女探偵の上水流涼子(天海祐希)がIQ140の相棒・貴山伸彦(松下洸平)とタッグを組んで、さまざまな依頼を大胆な方法で解決していく極上痛快エンターテインメント『合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~』(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜22時)。

 「春ドラマ」期待度ランキングでは2位にランクインし、「天海祐希と松下洸平なら絶対に面白いに違いない」と前評判も高かった本作。視聴者が期待するきっかけでもある天海と松下のバディは早くも最強タッグの予感だ。天海のハキハキとしたセリフ回しに、テンポよく切り返す松下が相性抜群で、初回からキャラクターへの愛着がわく作品となった。


 第1話では、天海や高嶋政伸らベテラン勢の勢いあるシーンでの松下の受けの芝居がとにかくすばらしかった。合理的で秀才、だけどちょっと押しに弱い、そんな貴山がかっこよくも可愛くも見える。1話は作中にクスリと笑えるシーンが散りばめられる中、程よくミステリ要素が絡み合い、さらには「家族の問題」というヒューマンドラマも盛り込まれていた。ほかにも2人の変装シーンなど視聴者をひきつける要素がたっぷり詰まっており、2話以降も痛快に事件を解決してくれるだろうと期待が高まる。加えて、上水流自身が過去に身に覚えのない“傷害事件”を起こしていることから、ドラマ全体を通した縦軸部分がどう掘り下げられていくのかにも注目したい。

■期待度第1位『unknown』 数々の伏線が散りばめられ、先が最も気になる作品に

 こころ(高畑充希)と虎松(田中圭)の愛の物語に連続猟奇殺人が複雑に絡む、本格ラブ・サスペンス『unknown(アンノウン)』(テレビ朝日系/毎週火曜21時)。
演技力に定評のある高畑充希と田中圭がW主演を務めることに加え、『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)の制作陣が再集結という注目度の高さが作品の期待を1位へと押し上げた。

 放送前は、こころが吸血鬼だというファンタジーな設定がどう描かれるのか不安な気持ちもあったのが正直なところ。しかし第1話では冒頭からサスペンスを思わせる事件のシーンが生々しく映し出され、逆に恋愛シーンはとろけるほど甘く幸せに溢れていた。緩急ある物語の中で「こころが吸血鬼」という突拍子もない設定はもはやスパイス代わりというくらいに違和感がない。それどころか、こころの「虎松に嫌われたくない」という思いはどんな恋にも通ずるものであり、心底共感してしまった。

 さらに本作は『おっさんずラブ』の制作陣が手掛けただけあり、第1話から田中圭の魅力がこれでもかとさく裂している。
うめぼし堂のおばあちゃんをクソババアと呼びながらも優しくサポートし、愛情たっぷりに町に尽くす警察官の田中圭を堪能できる作品なのだ。やんちゃと優しさのバランス、色気と愛きょうのバランスが絶妙な虎松だけに、秘密を抱えているとなると、どうしても知りたくなるものだ。さらには1話の時点で数々の伏線が散りばめられており、この春、先が最も気になる作品となった。(文:Nana Numoto)